なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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第22話

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結局残り2人は補習から解放されなかったらしく、最終下校時刻まで音楽室に現れることはなかった。

「ったく、あれほどテスト勉強しろと言ったのに遊んでばかりいるから」

「まぁまぁ、自業自得だよ」

「、、、簡単だったのに?」

「お姫さんはそう思うかもしれませんが、そこそここの学園はレベルが高いんですよ。しっかり授業に出てなければ赤点まっしぐらです」

音楽室を出た後、話しながら3人並んで正面玄関を出た。
夕焼けが並ぶ楓の木を橙色に染めていた。

「そういえば姫ちゃんって一人暮らし?なんだよね」

「まぁ」

「、、、今日、泊まりに行って良い?」

「は?」

「明日、土曜だし。姫ちゃん、スタジオ行くの初めてでしょ?なら、一緒に行った方が早い!」

「確かにそうですね。ご迷惑でなければ、僕も泊まらせていただけませんか?」

えっ、なんでそうなるんだ?
てか、そんなキラキラした目で見るなよ。

どうしよう。

『泊めるの?』

嫌な予感しかしない。

『そうかな』

思わないの?

『この2人なら、安心できる気がする。イチ兄はそう感じない?』

感じない訳ではないけど、、、。

『なら良いんじゃない、、、僕の過去を追求してこないならさ』

ユキがそれで良いなら、、、。

「いいよ」

「本当!やったー!」

「では、お邪魔しますね。あ、その前に寮に連絡を入れなくては」

「そうだね、、、シュウゴ達には内緒にしておいた方がいいね」

2人はAIパットを取り出してなにやら操作を始めた。多分寮への連絡もそれで行うのが一般的なのだろう。

ところで夕飯も一緒ってことだよな。

、、、冷蔵庫の中、なにあったかな?




〆◾️〆◾️〆◾️〆




「ひ、広っ!」

家に連れて行くと、まずマンションの設備と高さに驚かれて、次にエレベーターを2回乗り換えたことに驚かれて、最後に部屋の広さに驚かれた。

「これは、、、比べるのも何というか」

「流石、なのかな?」

「上がって」

玄関のマットレスに客用の(コー監督やハルキさん来日用)スリッパを置いて中へと連れて行く。

「着替えて来るからソファ座ってて」

そう言って自室に入ると、ドッと疲れが押し寄せて座り込んでしまった。

でも、そんな事している暇なんて無かったので黒のスエットに着替えて、ついでに2着灰色と白のをつかんで部屋を出た。

「これ、使って」

ソファに座っていた2人にスエットを渡す。

「ありがと!」

「、、、入る?」

ヒカルは僕よりも身長は低いから入るだろうけどカズヤは、、、。

「下を貸して頂ければ良いですよ。上は肌着で構わないので」

苦笑しながら受け取ってくれた。
ヒカルが白で、カズヤが灰色。

「んふふ♡見る?僕のき、が、え♡」

「夜なに食べたい?」

「え、無視?」

「そうですね、お任せしますよ」

「わかった」

「だから無視ー!?」




〆◾️〆◾️〆◾️〆




冷蔵庫の中を見て目に入って来たのは鶏肉、白菜、レモンの3つ。
しかも大量に。
全部、お買い得セールのやつだな。
そろそろ食べないと危ないからこれを使うか。

3人で食べるとなると、、、鍋か?

カセットコンロをテーブルに置いてその上に鍋を置く。結構重たいな。

鳥出しを取って、白菜とレモン汁を加える。
鶏肉に切り込みを入れて、レモンは輪切り。
2つを鍋に投入して、一旦蓋を閉める。

「おっ、鍋ですか。久し振りですね」

「いいねぇ。寮食じゃ鍋なんて豪華なもの出てこないからね。美味しそう」

「、、、手、洗って来て」

「はーい」

黙々と鍋と向き合う。
モクモクと煙が上がる。
レモンの香りが鼻を掠めたら、蓋を開ける。

「美味しそう、、、」

自分で作って何だけど、本当に美味しそうだ。
取り皿とオタマを取り出して、ついでに追加用の白菜と鶏肉も用意して2人の手洗い終了を待つ。

「おっ待たせ~♪」

「お待たせしました」

「ん、出来てる」

誰かと食べる食事なんて、久し振りだ。
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