なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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第21話

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で、迎えた金曜日。
中々行く気にはなれなかったけど、約束はしたので第6音楽室に足を運んだ。

「あ!姫ちゃーん!」

「ゴフッ!」

扉を開けてヒカルと目が合った瞬間、見事なジャンピングハグをくらって、身体の空気が一気に外へ出て行った。

「来てくれたんだ!」

「、、、約束したし」

「えへへ~、嬉しいな」

「そう」

「これはこれは、お久しぶりですね」

声をかけてきたのはカズヤだった。
ずっとハグしぱなっしのヒカルを引き剥がして笑顔を向けてくる。

「あなたのこと、待っていましたよ。お姫さん」

「、、、その、姫ってのやめてほしい」

「いいじゃん!可愛いし」

「可愛くない」

音楽室を見渡すと後2人、足りない事に気がついた。

「後、2人、、?」

「あぁ、シュウゴとヒビキですか。補習ですよ、補習。前回のテストで何科目か赤点を取ったみたいでしてね」

え、あのテストで赤点取るのか?

『、、、イチ兄と一緒にしない方がいいよ』

静かにしていたユキがボソリとつぶやいた。

「使える時間限られてるから、勘弁してほしいよね。だからさ、2人が来るまでなんかしようよ」

「なんかって、、、」

「そうですね、、、せっかくお姫さんがいる事ですし、歌詞付けはいかがですか?」

「歌詞、付け?」

なんだそれは?

「僕さ、ボードなんだよね。で、僕らの曲はほとんどリードがボードなの。いわゆるメインのパート。それに合わせていつもみんなで歌詞を考えるんだよ」

「、、、それで?」

「いつも沢山の曲を聴いてる姫ちゃんならいい歌詞を思いつきそうだなって思っただけ」

「まぁ、百聞は一見に如かずと言いますし、やってみましょう」

やる、なんて言ってないんだが、、、。




〆◾️〆◾️〆◾️〆




ヒカルのボードは見事なものだった。
ピアノをやっていたらしく、指先も綺麗で繊細な音が奏でられていた。

「こんな感じかな?」

「んー、なんと言うか、この前とは毛色が全く違いますからね。難しいですね」

「確かに、、、」

♩♫♬♪、、、か。

今、立ち上がるんだ、未来掴むんだ
どんな困難があっても

ありきたりか?

「姫ちゃん、、、」

「お姫さん、、、」

「え?」

「「それいい!!」」

「え?」

「カズヤ!メモメモ!」

「ええ!いいですね!この歌詞」

「え?」

「姫ちゃん、他の部分も弾くからどんどん言ってみてよ」

結局、丸々一曲分。
2人の多少の修正を加えながら、わずが1時間足らずで完成したのだった。




〆◾️〆◾️〆◾️〆




見逃すことのできない
風が吹いた
広がっていく道は
無数に溢れかえる
永遠を見据えるならと
僕らは立ち止まる

一体どのくらいだったのだろうか
立ち止まっても、歩いても、走っても、
意味がないように感じてしまう
そんなの感性は無意味だとも知らずに

ほら、叫び出すんだ、聴こえるように
どんなに否定されても
今、立ち上がるんだ、未来掴むんだ
大空へと飛び立とう

見逃すことのできない
風が吹いた
進むべき道は
1つ輝きを増す
永遠に美しいままの姿に
僕らは息をのむ

本当にこれでいいのだろうか
悩んでも、嘆いても、苦しんでも、
意味がないように感じてしまう
そんなの感性は無意味だとも知らずに

ほら、叫び出すんだ、気づけるように
どんなに傷ついても
今、立ち上がるんだ、未来掴むんだ
どんな困難があっても
大空へと飛び立とう

人は誰しもが苦しみながら生きる
誰かが苦しむなら
自分が手を差し伸べればいい
自分が苦しんでるなら
誰かの手を握ればいい

願うは1つ

ほら、叫び出すんだ、聴こえるように
どんなに否定されても
今、立ち上がるんだ、未来掴むんだ
大空へと飛び立とう

そう、翼を広げて、未来に向かって
空へ飛び立とうよ
今、叫んだんだ、掴んだんだ
仲間との絆は

壊れはしない




〆◾️〆◾️〆◾️〆




「で、出来た!出来たよ!」

「まさか、こんな短時間で終わるとは」

「サイッコー!いいねいいね!」

「、、、こんなんでいいの?」

そんなに喜ばれるとなんか逆に不安になるから怖いんだけど。

『大丈夫だよ』

なんで確信持って言えるの?

『聴いてたけど、本当にいい曲になった』

、、、ユキがそう言うならいいけど。

「姫ちゃん、通して歌える?」

「えっ、あ、うん」

♩~

ヒカルのキーボードの音に合わせてゆっくりとそれでもリズムよく伸びるように歌う。

なんか気分良いな。

『いい曲』

ユキも気分良いみたいだし、別にいっか。
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