なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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第18話

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「何、歌えば、いい」

「何でもいいぜ」

そう言われると逆に困るんだけどな。
、、、どうしよう。

「じゃあさ、カノンって曲。歌ってくれない?」

困っているのを見てか、ヒカルがリクエストしてきた。

「それ、誰の?」

「[with]だよ。5人組の」

5人組と言われて、MEで検索すると[with]の曲がずらりと並んだ。
その中からカノンを探してヘッドホンをつける。
ピアノの伴奏と共に5人のハーモニーが聞こえてきた。

、、、久しぶりだな、この曲。

何度か聞いて息を整える。

吸って、吐く。

声を、音を吐き出す。

~♪




〆◼️〆◼️〆◼️〆





~♫

ラストを歌い終え、やりきった様にその場から逃げようとすると、ガッシリと腕を掴まれた。
まだ何かあるのかと、腕を掴んだヒカルを見る。

「、、、ごい」

「は?」

「凄い凄い凄い!凄いよ!」

キラキラした目で迫られて若干引き気味になった。

何がそんなに凄い?
ただ、腹癒せに歌っただけなのに。

「これは想像以上と言いますか、言葉では言い表せないですね」

「ヒュ~♪見かけ通りの歌声ってこった。さっき格好を整えたばっかだから余計によく見えるぜ」

「やっぱり、俺の目に狂いはなかったな。これなら最高を作れる」

他の3人にも次々に言われ、頭の中がパンクしそうになった。

「離して。痛い」

「あっ、ごめん」

掴まれてた腕をさすりながら、痛みを遠のかせる。

「こ、れで十分、でしよ。もう帰るから」

「あ、ちょい待て」

今度こそ、音楽室から出ようとするとシュウゴに再び止められた。

「ほい、これ」

渡されたのは、【専属チーム申込書】と書かれたプリントだった。

「えっ?」

「嫌じゃなかったら、それに名前書いて先生に提出しろ」

無理矢理手に押し込む様にプリントを持たされ、僅かにプリントにシワがついた。

「ふふふーん♪絶対に入ってね、姫ちゃん♡」

「入ってくださるととても嬉しいですよ。勿論、歓迎いたします」

「ハハッ!来いよ。また服作ってやるからよ!」

まるで善意100%の笑顔に何も言えず、疲れた身体を引きずって音楽室を出た時、シュウゴは言った。

「入るまでスカウトし続けるからな」

すごく、いい笑みで。
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