なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

氷華

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side・水条カズヤ

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「聞きましたか?シュウゴ」

ある梅雨の日の放課後、いつもの練習のために僕は第6音楽室にいました。

「ん?何をだ」

愛用のギターをチューニングしながらシュウゴは僕の方をむきました。

「屋上の歌姫の噂」

「、、、なんか変わったのか?」

その様子では新しい噂は聞いていないようですね。

「生徒が1人、歌姫を見に行ったら全身を雨で濡らして階段に立っていたそうですよ。挙げ句の果てに、そのまま屋上に出て行った。何か呪いの言葉を言いながら、ね。なんて言ったかは雷の音でわからなかったそうですがその雷の光で照らされた顔が恐ろしいぐらい整っていたとか」

「整ってるのは知ってるだろ」

「ええ、知っていますよ。屋上に出て行った後、雨に溶かされたように消えたとか、呪いの言葉で雷を呼んだとか
色々な尾ひれがついた噂が流れていますよ」

「てかアイツ、学校来てたのかよ。雨の日は屋上使えないから、休んでると思ってたぜ」

顔を歪ませながら、シュウゴは毒づきます。

「もしかしたら、晴れていたのに急に雨が降ったのかもしれませんね」

「あー、それなら納得」

「と言いますか、学園アプリのクラス名簿に欠席確認が乗ってるので確認すれば良いのでは?」

「え、そんなもんあるの?」

全校生徒はAIパットに2つのアプリが入学すると入る。

1つは学生証アプリ。
名前の通り、学生証。
友達と互いに交換することもでき、フレンドカードとも言われている。

もう1つは学園アプリ。
学園のホームページに繋がっている。クラスのページには誰が来ていて、誰が来ていないかわかるようになっている。

「何のために、朝、玄関でタッチしているのですか?」

「もしかして、このためか」

生徒は毎朝登校すると、玄関に置いてあるパネルにAIパットをかざす。
これは登校確認をしているのだ。

「じゃ、次からこれを見て行動すればいいのか」

ニヤリと黒い笑みを浮かべるシュウゴに呆れてため息しか出ません。

「ハァ、前も言いましたがくれぐれも手荒なこ「おっはよーさーん!」何なんですか!いつもいつも!」

意気揚々と教室に入って来たヒカルに声をかき消されました。
その後ろには、これまたニヤニヤしたヒビキがいます。

「まあまあ、カズヤ」

「え?どーしたの?」

「フハハ、言い様だな」

「ヒビキ!君は!」

「取り敢えず、全員揃ったし、練習するぞ」

シュウゴに言われ、いつものようにドラムの前に座ります。
いつものアップを始めて、いつもの話し合いをして、いつもの練習をしていきます。

これが楽しいんですよね。

姫さん、僕らは待ってますよ。
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