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第12話

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何で何でだ!?
屋上の鍵は、僕と職員室だけ。
しかも立入禁止区域は生徒会役員しか、、、あいつは生徒会役員なのか?

シュウゴが居なくなった後、僕は驚きをあらわにした。
彼の前では平然を装っていたが、内心凄くドキドキしていた。

さっき使ったばかりのAIパットを取り出して、フレカーを確認する。





《フレンドカード》ーーーーーーーーーーーーーーーー

【国立楓宮芸能学園学生証】

神無月 シュウゴ

出席番号)1年A組5番
所属部活)
所属チーム)The Crazy Owl
所属事務所)
コメント)
最高のバンドを見せてやるから覚悟しておけ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






生徒会役員であるなら、所属部活の欄に【生徒会】と入るはずだった。
書いていないと言う事は、彼は生徒会役員ではないことになる。

、、、マジでどうやって入ってきたんだ?

『流石に僕も分からないよ。軽くホラーだよね、今の状況』

うん、そうだね。

もう一度、フレカーを見る。
学生証の写真に写るのは、さっき流れるように屋上にやってきた、艶やかな黒髪をオールバックにした爽やかな青年だった。
制服はワイシャツを開いて中の黒Tシャツを見せていた。

『結構、良い顔してる』

見ているだけでムカつく笑顔で、証明写真を撮っていた。

『この所属チームって何だろ?』

たしかに。
事務所や部活はまだわかるけど、チームとなるとまた違うのかな?

『コー監督に聞いてみる?』

ついでに屋上に人が来ないようにしてもらおう。

『そうだね』

そう決めて、パットを操作してコー監督に連絡を入れた。




〆◼️〆◼️〆◼️〆




「学生証の説明?何でそんな事を聞くんだい?」

連絡から僅か30秒で既読からの返信がきて、ユウは理事長室でコー監督とお茶をしていた。

「まぁ、色々有りまして」

「ほー。いいよ、説明してあげるよ。学生証には自分の学生情報をが載っている。名前、証明写真、出席番号、部活は勿論だけど、芸能学園だから事務所も書かれる。在学中にデビューする生徒も多いからね」

「チームってのは何ですか?」

「この学園では在学中に学年や人数関係なくチームを作っていいことになってるんだよ。構成は好きなようにしていいから、入学したら結構チームを作ったり入ったりする生徒が多いんだ」

古い湯飲みを持ちながらコー監督は教えてくれた。

何というか、白髪のジジイにはやっぱ和が似合っているなぁ。

『プッ、確かに』

「でも何でそんなこと聞いてくるんだい?」

「ついさっき、屋上に生徒会役員じゃない奴が来て、、、」

僕はさっきの出来事をコー監督に詳しく説明した。コー監督はウンウンとうなづき、時々茶をすすりながら聞いてくれた。

「、、、て事で、フレカーを交換して見てみたらよくわからない項目があったから」

「それで聞きに来たんだね」

妙にニコニコしながら嬉しそうな声を出すコー監督に若干引きつつも、同じようにお茶(本日は緑茶)をすする。

「後、屋上に来れないようにして欲しいんですけど」

「そうだね。鍵をかけているのに入ってくるのはちょっと怖いね、、、よしわかった。鍵を付け替えよう」

「えっ?」

「今の鍵がダメなら、老朽化を理由に鍵の取り替えをしよう。それが1番良いからね」

、、、金持ちの考える事は全くもってわからない。

『それには同感』
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