なんやかんやで蘇っちゃったので異世界でアイドルになる事にしました

第２話

僕は雪村ユウになっているらしい。

聞く限りでは、超が付く程の天才子役だったらしい。
１４歳って事は５歳も若返った事になる。大体、中学１、２年くらい。

家族は２年前に事故で全員他界。
その後はこのマネージャー奥村さんに引き取られて暮らしているらしい。

ちなみに、所属していた事務所は【Cosmo train】と呼ばれる大手企業らしい。
ただ、内部環境が悪いらしく、稼げなくなったら即切り捨て。
その為、奥村さんと雪村ユウは事故の３週間後にクビになったそうだ。

なんて理不尽な。

現在、奥村さんはマネージャー業と並行して行なっていたという株の売買をして稼いでいるらしい。

ちなみに、慰謝料、入院費、手術費は全部、撮影現場の方から出ているそうです。

僕は死んだ人間だ。

じゃあ何故、雪村ユウになっている？

そしたら、本当の雪村ユウは今どこにいるんだ？

考えれば考える程に頭が痛くなる。

？？？？

なにも思いつかない。
頭の中は？だらけだ。

「ユウ君」

奥村さんはお茶を渡しながら言った。

「何か困った事があったら言ってくれて構わないから。何でも教えてあげるからね。１人で抱え込まなくていいんだよ」

なんで、なんで。

そんなに優しいだよ。

僕は雪村ユウじゃないのに。

「記憶がなくても、大丈夫。僕は君の味方だからね」

優しい、優しい。
本当に優しい。

だから、自然に涙が溢れてくる。
頬を伝って流れて行く。

奥村さんは泣きじゃくる僕をずっとずっと抱きしめてくれていた。