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私達は端末で川端健太なる人物を調べてみた。年が分かっているので辺りを付けるのは楽だった。このあたりで貿易商をやっていた人がそれらしい。拓海の当初の目的の、絵が上手いかどうかは分からなかった。105歳ならもうとっくに執行されているはずだ。
戻らなければこんな事実に突き当たることは無かった。私は知って良かったとも思わなかったが、知らなくて良かったかと言われればやはり知りたいことだった。
母に聞いてみるべきかどうか、私達は決めかねた。土曜日密かに話し合って、これは聞いておくべきだ、ということになった。
日曜日、母がドラマを観ているところに、私達兄弟は三人並んで座った。母は怪訝な顔をしつつも、観続けている。
「母さん」
最初に声を発したのは颯太だった。緊張した声をしていた。
「どうしたの、そんなに三人改まって」
「俺たちの、父親のことを教えてもらいたいんだけど」
拓海がおずおずと言った。
「父親?」
母はドラマを閉じた。気まずい沈黙が流れた。母は何か言いかねて考えているようだった。私は姉として、説明せねばならない、そう思って口を開く。
「この前、三人で戸籍を見に行ったの」
「戸籍を?」
「うん、きっかけは後で説明するけど、そうして見に行ったら私達三人とも父親が同じで、お母さんの40くらい年上の人だったから、だから」
「だから?」
母の声は優しかった。詰まったところを促した。
「どんな人か、教えて欲しいと思ったの」
母はじっと私達の顔を見つめた。そして小さくため息をついた。
「いやね、そんな深刻なことじゃないの。今まで言ってなくてごめんなさいね」
母は立ち上がった。私達が驚いたのを見て、「お茶を淹れてあげる」と言った。母は緑茶を淹れながら続けた。
「言っていなかったのは、やっぱり驚くだろうと思ったからよ。それに、それを正確に理解してもらえるとも思わなかったし、聞かれなかったから、ずるずるとこんな時まで伸ばしてしまったの」
緑茶が湯飲みに入って配られた。拓海がふうふうと冷ましている。
「私があなた達のお父さん、健太さんに出会ったのは幼い時だった。あなた達は知らないでしょうけど、この辺りに川端物産っていう、貿易会社があったの、彼はそこの社長で、母――お祖母ちゃんよ、あなた達のおばあちゃんはそこで働いていたの」
祖母が話に出てきたので私は驚いた。
「小さい会社だったから、仲が良かったらしくて、社長夫婦と母は家族ぐるみの付き合いで、私もよく会っていたの」
どんな風に話が進むのか、私には予測できなかった。ただ黙って母を見つめる。
「だけど、18の時に、私にとっての彼はただの母の上司じゃなくなったの。60くらいだった彼に、恋をしてしまったのよ」
その発言に私は驚いて言葉が出なかった。しかし颯太は
「はぁ?」
と声を出した。
「何? どういうこと? 俺母さんがお金目的でその社長に近づいたのかと」
「そんなことじゃないわよ」
母は少しむきになったように言った。
「でもさっき夫婦って言ったよね母さん、不倫てこと?」
拓海も質問した。我弟たちは静かに話を聞けるようなタイプでは無かった。
「そうよ、不倫」
「ええっじゃあ何、俺ら不倫の子供なの」
「否定したいけれど、端的に言うとそうなるわね」
母はあっさりと認めた。私は驚きながらも、それで認知もされておらず関わりが一切ないのも何故か分かり、得心した。
「でもそれだけで片付けられる問題じゃないの、彼も私を好きになったのよ」
母親から好き、などという言葉を聞かされるのは奇妙な気分であった。
「はぁ?」
と颯太は言う。
「私は母に内緒でメールを送って、会ってもらったの。そうしたらまぁ、そういう仲になったんだけど、彼の奥さんと母にばれてね、大騒ぎになったのよ」
「まぁそうなるだろうね」
「だよねぇ」
「大変だ」
さっきまで緊張していたくせに、私達兄弟はなんとなく母の口ぶりから母の長年の秘密というより、女の子の恋の話を聞いているような気持になって来て、まるでクラスメイトの別れ話を聞いているかのように気軽に口々に相槌を打った。
「奧さんには怒られて、両親は勘当するって言って。でも私はあきらめなかった。そりゃあ、何度言っても奥さんと別れてくれない健太にも腹が立ったけど、それどころじゃなかった。奪おうと思ったの」
「情熱的だね」
「ええ、そうね。私は一度反省したようなふりをして、真面目な看護学生になったの。それでほとぼりが冷めたのを見計らって、また健太と会い始めた」
「それで?」
「健太に私は愛されているという自信はあったけど、どうしても彼は奥さんとは別れることが出来なかった。私はそれで満足しているつもりだったけど、30も超える頃、子供が欲しいなと思ったの。昔から子供が欲しかったし、出来れば愛する健太との子供が欲しかった。それに、彼が死んだ時に一人残されるのが怖かったのもあるわ」
私は母を強いものだと思っていた。一人残されるのが怖い、そんなことをこの人も思うのか、と思った。
「健太は助けられないから、いいのかと何度も聞いたけど、私はどうしても子供が欲しかった。それで、収入も安定し始めた頃、誰にも認められなかったけれど、深雪を生んだのよ」
私はその話をぼんやりと聞いていた。自分の生まれた時の話、しかし現実味が無い。
「その頃でも母は健太の話を聞けば怒り出すくらいだったから、私は健太以外に誰にも深雪の父親が誰なのかとは言えなかった。学生時代は健太に時間を注ぎ過ぎて友人もいなかったし。それで私は祖母には誰の子供か伝えず、深雪を一人で育て始めたの」
「健太……さんは、助けてくれなかったの」
顔も見たことのない父を何と呼べばいいのか迷いながら聞いた。
「お金を少しは援助してくれたし、病院にも来てくれたけど、表立って助けることは出来なかった。それにもうその頃彼は80だったし」
「なんで私と会ったことが無いの?」
「健太と会うのはいつも夜だったから、深雪に会わせられはしなかったの。でも赤ちゃんの頃、会ったことはあるのよ。あとで写真を見せてあげるわ。それに深雪が中耳炎になって入院した時、彼は来てくれたわ」
もちろんのことだが、私は丸っきり覚えていなかった。
「俺らは?」
颯太が早く聞かせてくれ、と言う感じで尋ねた。
「深雪を見たら可愛くてかわいくて。もう一人欲しいなと思ったわ。それにこの子も私が死んだら一人なんだと思ったら、兄弟がいたらなぁと思って、颯太を授かったから生んだわ」
「俺は?」
「拓海も同じ。私は兄弟が欲しかったから、生める限り生もうと思ったの」
「俺らは会ったことないの、その、父親に」
「いいえ、二人とも赤ん坊のころに会っているのよ。どうしても彼が抱きたいと言ったから、私は夜にあなた達を連れて彼のもとに行ったのよ」
母は昔を思い出しているのか、遠くを見るような目で言った。
「それで、今は?」
「今? もちろん死んだわよ。深雪が10歳の頃ね、執行されたの。元気な人だったけど、年は取るからね」
私はそれを聞いて陰鬱な気分になった。私は母の愛した人を殺す職業なのだ。
「でも、あなた達がいてくれるから。あなた達は私と彼の愛の結晶よ」
母のきっぱりとした言葉に、動揺して緊張していた自分たちがなんとなく恥ずかしくなった。
「ねえ」
颯太が緑茶を一口飲んでから聞いた。
「なんでその人のこと、そんなに好きだったの」
「分からないわ、でも彼といると本当に自分が自分のままでいられる気がした、幸せだったの」
私は沈黙した。今母は幸せだろうか。そんなに好きな人がいるとはどういうことなのだろうか。母の恋した姿を、私は想像することが出来なかった。写真で見たことのある若い姿の母のイメージが出て来ては、風がさらっていくように消えてしまう。
「あのさ、一つ聞いていい?」
沈黙を破って拓海が聞いた。
「なに?」
「その人さ、絵を描くの、上手かった?」
私と颯太は思わず笑ってしまった。そうだ、発端はそれだったのだ。母は何故私達が笑っているのか分からないので、困惑したようだった。
「なんでそんなこと聞くの? でもそうね、上手だったわよ」
戻らなければこんな事実に突き当たることは無かった。私は知って良かったとも思わなかったが、知らなくて良かったかと言われればやはり知りたいことだった。
母に聞いてみるべきかどうか、私達は決めかねた。土曜日密かに話し合って、これは聞いておくべきだ、ということになった。
日曜日、母がドラマを観ているところに、私達兄弟は三人並んで座った。母は怪訝な顔をしつつも、観続けている。
「母さん」
最初に声を発したのは颯太だった。緊張した声をしていた。
「どうしたの、そんなに三人改まって」
「俺たちの、父親のことを教えてもらいたいんだけど」
拓海がおずおずと言った。
「父親?」
母はドラマを閉じた。気まずい沈黙が流れた。母は何か言いかねて考えているようだった。私は姉として、説明せねばならない、そう思って口を開く。
「この前、三人で戸籍を見に行ったの」
「戸籍を?」
「うん、きっかけは後で説明するけど、そうして見に行ったら私達三人とも父親が同じで、お母さんの40くらい年上の人だったから、だから」
「だから?」
母の声は優しかった。詰まったところを促した。
「どんな人か、教えて欲しいと思ったの」
母はじっと私達の顔を見つめた。そして小さくため息をついた。
「いやね、そんな深刻なことじゃないの。今まで言ってなくてごめんなさいね」
母は立ち上がった。私達が驚いたのを見て、「お茶を淹れてあげる」と言った。母は緑茶を淹れながら続けた。
「言っていなかったのは、やっぱり驚くだろうと思ったからよ。それに、それを正確に理解してもらえるとも思わなかったし、聞かれなかったから、ずるずるとこんな時まで伸ばしてしまったの」
緑茶が湯飲みに入って配られた。拓海がふうふうと冷ましている。
「私があなた達のお父さん、健太さんに出会ったのは幼い時だった。あなた達は知らないでしょうけど、この辺りに川端物産っていう、貿易会社があったの、彼はそこの社長で、母――お祖母ちゃんよ、あなた達のおばあちゃんはそこで働いていたの」
祖母が話に出てきたので私は驚いた。
「小さい会社だったから、仲が良かったらしくて、社長夫婦と母は家族ぐるみの付き合いで、私もよく会っていたの」
どんな風に話が進むのか、私には予測できなかった。ただ黙って母を見つめる。
「だけど、18の時に、私にとっての彼はただの母の上司じゃなくなったの。60くらいだった彼に、恋をしてしまったのよ」
その発言に私は驚いて言葉が出なかった。しかし颯太は
「はぁ?」
と声を出した。
「何? どういうこと? 俺母さんがお金目的でその社長に近づいたのかと」
「そんなことじゃないわよ」
母は少しむきになったように言った。
「でもさっき夫婦って言ったよね母さん、不倫てこと?」
拓海も質問した。我弟たちは静かに話を聞けるようなタイプでは無かった。
「そうよ、不倫」
「ええっじゃあ何、俺ら不倫の子供なの」
「否定したいけれど、端的に言うとそうなるわね」
母はあっさりと認めた。私は驚きながらも、それで認知もされておらず関わりが一切ないのも何故か分かり、得心した。
「でもそれだけで片付けられる問題じゃないの、彼も私を好きになったのよ」
母親から好き、などという言葉を聞かされるのは奇妙な気分であった。
「はぁ?」
と颯太は言う。
「私は母に内緒でメールを送って、会ってもらったの。そうしたらまぁ、そういう仲になったんだけど、彼の奥さんと母にばれてね、大騒ぎになったのよ」
「まぁそうなるだろうね」
「だよねぇ」
「大変だ」
さっきまで緊張していたくせに、私達兄弟はなんとなく母の口ぶりから母の長年の秘密というより、女の子の恋の話を聞いているような気持になって来て、まるでクラスメイトの別れ話を聞いているかのように気軽に口々に相槌を打った。
「奧さんには怒られて、両親は勘当するって言って。でも私はあきらめなかった。そりゃあ、何度言っても奥さんと別れてくれない健太にも腹が立ったけど、それどころじゃなかった。奪おうと思ったの」
「情熱的だね」
「ええ、そうね。私は一度反省したようなふりをして、真面目な看護学生になったの。それでほとぼりが冷めたのを見計らって、また健太と会い始めた」
「それで?」
「健太に私は愛されているという自信はあったけど、どうしても彼は奥さんとは別れることが出来なかった。私はそれで満足しているつもりだったけど、30も超える頃、子供が欲しいなと思ったの。昔から子供が欲しかったし、出来れば愛する健太との子供が欲しかった。それに、彼が死んだ時に一人残されるのが怖かったのもあるわ」
私は母を強いものだと思っていた。一人残されるのが怖い、そんなことをこの人も思うのか、と思った。
「健太は助けられないから、いいのかと何度も聞いたけど、私はどうしても子供が欲しかった。それで、収入も安定し始めた頃、誰にも認められなかったけれど、深雪を生んだのよ」
私はその話をぼんやりと聞いていた。自分の生まれた時の話、しかし現実味が無い。
「その頃でも母は健太の話を聞けば怒り出すくらいだったから、私は健太以外に誰にも深雪の父親が誰なのかとは言えなかった。学生時代は健太に時間を注ぎ過ぎて友人もいなかったし。それで私は祖母には誰の子供か伝えず、深雪を一人で育て始めたの」
「健太……さんは、助けてくれなかったの」
顔も見たことのない父を何と呼べばいいのか迷いながら聞いた。
「お金を少しは援助してくれたし、病院にも来てくれたけど、表立って助けることは出来なかった。それにもうその頃彼は80だったし」
「なんで私と会ったことが無いの?」
「健太と会うのはいつも夜だったから、深雪に会わせられはしなかったの。でも赤ちゃんの頃、会ったことはあるのよ。あとで写真を見せてあげるわ。それに深雪が中耳炎になって入院した時、彼は来てくれたわ」
もちろんのことだが、私は丸っきり覚えていなかった。
「俺らは?」
颯太が早く聞かせてくれ、と言う感じで尋ねた。
「深雪を見たら可愛くてかわいくて。もう一人欲しいなと思ったわ。それにこの子も私が死んだら一人なんだと思ったら、兄弟がいたらなぁと思って、颯太を授かったから生んだわ」
「俺は?」
「拓海も同じ。私は兄弟が欲しかったから、生める限り生もうと思ったの」
「俺らは会ったことないの、その、父親に」
「いいえ、二人とも赤ん坊のころに会っているのよ。どうしても彼が抱きたいと言ったから、私は夜にあなた達を連れて彼のもとに行ったのよ」
母は昔を思い出しているのか、遠くを見るような目で言った。
「それで、今は?」
「今? もちろん死んだわよ。深雪が10歳の頃ね、執行されたの。元気な人だったけど、年は取るからね」
私はそれを聞いて陰鬱な気分になった。私は母の愛した人を殺す職業なのだ。
「でも、あなた達がいてくれるから。あなた達は私と彼の愛の結晶よ」
母のきっぱりとした言葉に、動揺して緊張していた自分たちがなんとなく恥ずかしくなった。
「ねえ」
颯太が緑茶を一口飲んでから聞いた。
「なんでその人のこと、そんなに好きだったの」
「分からないわ、でも彼といると本当に自分が自分のままでいられる気がした、幸せだったの」
私は沈黙した。今母は幸せだろうか。そんなに好きな人がいるとはどういうことなのだろうか。母の恋した姿を、私は想像することが出来なかった。写真で見たことのある若い姿の母のイメージが出て来ては、風がさらっていくように消えてしまう。
「あのさ、一つ聞いていい?」
沈黙を破って拓海が聞いた。
「なに?」
「その人さ、絵を描くの、上手かった?」
私と颯太は思わず笑ってしまった。そうだ、発端はそれだったのだ。母は何故私達が笑っているのか分からないので、困惑したようだった。
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