正義の悪魔(仮)

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第1章

第二話 中編

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「では、インタビューを始めさせていただきます。」
鈴木さんが緊張しているのが俺にまで伝わってきた。
「単刀直入にお聞きします。なぜヒーローになろうと思ったんですか?」
「俺がヒーローを志したきっかけは、中学2年生の時です。」
俺がそう言うと、鈴木さんが胸ポケットから手帳を取り出し、パラパラとめくった。
「中学二年生の時のことってもしかしてあの火事のことですか?」
俺のことを事前に調べていたらしい。
「そうです。あの時、俺を助けてくれたあの消防士さんが俺にとってはヒーローなので、俺も誰かのヒーローになりたいと思ったのがきっかけです。」
「素晴らしいですね。」
「それから、僕が大学生の時に怪人が現れて、僕が研究していたヒーロースーツを実装しての戦闘で勝利したことで、正式にヒーローになれました。」
「大学の時からヒーロースーツの開発をしていたんですか?」
「はい。でも初めの目的は消防の消火活動の時用の防火性の優れたスーツを作ることだったんですけど、身体性の上昇などのオプションをつけていたことで怪人退治にも役に立ちました。」
「凄いスーツですね。」
「はい。でも、問題があってスーツに適合するのはごくわずかな人しかいなくて、日本で適合できるのは今のところ俺しかいないんです。」
「適合者ですか?」
「はい、身体能力を無理やり引き上げるので、スーツを脱いだ後に体に一気に負担がかかるんです。その負担のかかり方は人それぞれで、かかりにくい人ほどそのスーツに適しているんです。」
「負担というのは具体的にはどのようなものなんですか?」
鈴木さんはスーツのことに興味津々のようだった。
それもそのはず、俺がテレビでヒーロースーツについて話すのはこれが初めてだった。
「骨折とかはまだ軽い方で、重いものだと命に関わることもあります。」
「凄く危険なんですね。」
「はい。でも、皆さんの安全には変えられないので。」
「素晴らしい志ですね。」
「ありがとうございます。」

その後二時間程度インタビューを受けた。
「では、今日はこれで以上になります。ありがとうございました。」
「お疲れ様です。」
俺は鈴木さんに挨拶すると、携帯を取り出した。
『今終わった。裏口で待ってる。』
エリにメールを送ると携帯をしまった。
「ふう、」
俺は深いため息をつき、裏口へと向かった。
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