外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜

純真

文字の大きさ
上 下
106 / 108
最終章 『歩いてきた道程を』

100.『小さな大魔法使い』

しおりを挟む

 セドニーシティを襲った大災、その顛末は、魔王の死を持って終わるはずだった。
 街はこんなになってしまったけど、それでも苦渋の勝利を掴み取った、そのはずだった。

 ――しかし、眼前に広がる景色からは、そんな軽い言葉が出てくるはずもない。

「100体、では済まなそうですね」

 その瞳に影を落とし、腰の剣に手を当てるのはタマユラだ。
 鋭い視線の先には、気が遠くなる数のモンスターたちがひしめいている。

「……負けることはないと思う。でも、キリがない」

 俺の背中を2回ほど叩き、屈ませてから地面に降り立つルリは、魔杖を握りしめて言った。

「そうですね。見えている数に収まるとも思えません。それに――」

 足音を鳴らして数歩、門をくぐり抜ける一歩手前のところで、タマユラは空中を叩く。

「出られないということは、攻められないということです。幸い、こちらに興味を向けているモンスターはいないようですが……」

 ――結界。
 街を覆うそれは、恐らく魔王が遺した置き土産だ。

 俺たちをここに縛り付けておくためのもの、だろうか。
 魔王軍が何らかの計画を進めるための時間稼ぎ、とか。

 どちらにせよ――、

「このままこの街に留まっておくのはマズそうだな。この街の人たちも探して、安全な場所に届けないといけない」

「この結界、ヒスイならなんとか出来ますか?」

「うーん……」

 記憶している限り、結界破りのスキルや魔法は持っていなかったはず。

 しかし、俺には【万物の慈悲を賜う者】がある。
 こいつは出来る子で、例えば絶対に勝てない敵から勝利をもぎ取るためのスキルを授けてくれたり、突然上空に放り出された時に重力を操作するスキルを授けてくれた実績がある。

 大袈裟でもなんでもなく、このスキルがなかったら俺は何度も死んでいた。
 今回も出番に違いない。

「どうしたのですか、ヒスイ。手なんて合わせて」

「どうって、願ってるんだよ」

「……なるほど。神頼みもいいですが、天命を待つ前に人事を尽くすことが必要かと思いますよ」

 怒られた。
 違うって。俺にとってはこれも人事なの。
 っていうか、タマユラは俺のスキルのこと知ってなかったっけ? お茶目さんですか?

 しかし、現状を打破するためのスキルを授からなければ、俺はただ祈っただけの男になる。
 俺が祈る相手は【万物の慈悲を賜う者】であり神ではないにしろ、なんとなくそれは嫌だった。

 ――だから、祈った。

「――――」

「……ヒスイ。あまりこういうことを言うのは本意ではないのですが」

「わかった、やめるから言わないで! 多分傷つくから!」

「ヒスイが傷つくことなんて言いませんよ」

 そうは言うものの、タマユラの目つきがいつもと違うのは、俺の目から見ても確かだった。
 たしかに、怒っているわけではないと思う。
 これは、あれだ。

 保護者の目つきだ。
 俺のことを、守らなければいけない存在だと思っている目だ。

 そんなに頼りないところ見せたかな。見せたな。
 かなり情けないところを見せてしまったな。
 なら、当然か。

 いや、そんなことはいい。
 そんなことよりも、この結界をどうするかという話だ。

【万物の慈悲を賜う者】が役に立たないなら、俺にはどうにも出来ないのではないか。
 だが、それではダメなのだ。
 すぐにでもこの街から出て、まずは消えた人々の行方を明らかにする必要がある。

 本当は休息のひとつでも入れるはずだったが、状況が変わった。
 街の外をおびただしいほどのモンスターが闊歩している今、安全な場所などないだろう。

 なんとか出来なくても、なんとかする。
 そのための手段なら、惜しまない。

「最悪、全力で斬れば結界だって――」

「……ヒスイはもうちょっと、私を頼るべき」

「――! ルリ、なんとかできるのか!?」

 声の方向に振り向くと、頬を膨らませてジト目を向けるルリの姿が目に映る。
 この規模の結界、それも術者が魔王ともなると、俺の持つスキルや知識では太刀打ちができなかった。
 経験と知識が豊富なタマユラでも、この結界を解除する手段に心当たりはないらしい。

 しかしルリだけは、得意気に薄い胸を叩いて――、

「……私を誰だと思ってるの? ヒスイなんて、魔法の知識じゃお子ちゃまだよ」

「……やっぱりちびっ子扱いされるの、気にしてた?」

「…………」

 意趣返しだった。俺は謝り倒した。
 ルリは苦笑を見せながらも許してくれた。
 それはともかく、彼女はこの結界をこう評した。

「……たぶん、構造自体は単純。大がかりなだけで、そんなに難しい術式じゃない」

 結界に触れながら、ルリはその構造を解析する。

 聞くに、結界というのは魔法の延長らしい。
 というのは、よく考えてみれば俺の【神域結界陣】がスキルではなく、魔法である事実からも察しはつく。

 ルリのルリたる領域はこの先で、魔法である以上、知識を用いて無効化することが可能だという。
 そんなの、知識ではなく感覚で魔法を使っている俺にはできない。

「ルリはすごいな……」

「……でしょ」

「ルリはすごいですね」

「でしょ――ちょっと待って。なんかムズムズする」

 俺に続き、タマユラもルリの巧手を褒める。
 一度素直に受け取りつつも、彼女は困ったような顔を見せた。照れているのだろうか。

 さて、ルリ曰く。

「……結界は、文字を書く感覚に似てる。条件に合わせて魔力を編む」

「【神域結界陣】では、そんな感覚はないような気がするな」

「……あれはよくわかんない。っていうか、結界なのかすら怪しい」

「そうなの!?」

 衝撃の事実。
 俺の結界、結界じゃないかもしれないらしい。

 というか、大魔法使いルリさんを持ってして『よくわかんない』と言わしめる【神域結界陣】、下手したら魔法ですらない可能性もあるのではないだろうか。
 タマユラも、あれは神聖術に近いと言っていたし。

 冷静に考えれば、よくわかんないものをよくわかんないまま使ってる俺、ちょっと胡座をかきすぎかもしれない。

「勉強しよ……」

「それで、結界の解き方というのは?」

「……対になる魔力を編んであげればいい。複雑な結界ほどそれが難しいんだけど、例えば――」

 ルリが一瞬、その小さな手のひらに魔力を込めると、音を立てて空に亀裂が生まれる。
 瞬く間にそれは広がっていき、ついに街を覆い尽くして――、

「――こんな簡単な結界なら、崩すのに5分もかからない」

 ――あっという間に崩れ去った結界の残滓が、光の破片となって降る。
 キラキラ、キラキラと――煌めくルリの姿はとても綺麗で、俺はゆくりなく、改めて彼女に惹かれてしまったのだった。

「……そんなに熱い視線で見つめないで。照れる」

「そんな視線をルリに向けていたのですか。妬けます」

 二方向から浴びせられた言葉から顔を隠したい衝動を誤魔化すように、俺は大声をあげた。

「よし、とりあえずあいつらを倒そう!」

「そうですね。ルリ、お疲れ様でした」

「……多勢相手なら、まだ私の出番だよ」

 敵はすぐに終わる数ではないが、とにかく倒し続けるしかない。
 最低限、この街をこれ以上蹂躙させないためにも、全てのモンスターを倒し切る気概で挑むのだ。

 ルリもいる。タマユラもいる。
 よし、いける。

 戦闘準備。
 心を戦いに向け、地面を蹴った。

「あれ」

 地面を蹴って、門から飛び出したところで、まるで世界が反転したような違和感に苛まれ、視界が黒く染まった。



 気がついた時には、俺は爽やかな風が吹き抜ける草原の中にいた。
 当然の違和感と、妙な安心感に挟まれ、目的さえも忘却する。

 そうだ、俺はモンスターを倒さなければならない。
 大量のモンスターを、そう、あれだけ大量の――。

「……モンスター、どこだ?」

 視界を埋め尽くすほどの群れは、元からそんなもの存在しなかったかのように、ただの1体たりともそこにはなかった。
 
「ここは……」

 呟くと同時に、照らし合わせた記憶の中から正解を見つける。
 ――否、再認識する、と言った方が正しいかもしれない。

 ここは、ほんの寸刻前までモンスターが蔓延っていた場所――セドニーシティ近郊の草原で間違いなかった。

「モンスターが、消えた……?」

 景色はそのままに、モンスターだけが姿を消した。
 その事実を上手く咀嚼できずに、俺はその場に立ち尽くす。

 状況を整理しよう。
 結界は、ルリの手によって砕かれた。
 セドニーシティに壊滅的な被害をもたらした魔王は死んだ。
 街の外を覆い尽くすモンスターの群れも、1体残らず消えた。

 結果だけで見れば、僥倖とも言えるだろう。
 しかし、その原因がとことん不明瞭な今では、手放しに喜ぶこともはばかられる。
 どんなきっかけで、再びモンスターが現れるのかも分からないのだから。

「……ここは、どこでしょうか」

 思索に耽っていると、隣から凛とした声が届く。
 タマユラだ。その声はどこか固く、呆けているようでもあった。
 状況が理解出来ていないのは俺も同じで、心情も彼女と類語しているであろう俺は、それでもひとつだけ理解した事実――この場所が先程と寸分も違わぬ草原であることを、彼女に伝えるために振り向いた。

「タマユラ、ここはセドニー、の――」

 そして、気付く。
 タマユラに向き直った視界の端、セドニーシティであったはずの場所。

「――ここ、どこだ」

 ――そこには、街がまるごとすり替えられたように、ただの草原が続いていた。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...