35 / 108
第三章 『異形の行進』
34.『答えを、出す』
しおりを挟む
「屋敷は辞めておこうと思う」
「……私もそう思う」
一夜明けて。
俺たちは結局、宿に泊まっている。
まぁ家を買うにしたって1日や2日で決まるもんでもないし、こうなってしまうのは必然なのだが。
「やっぱり同じ部屋なんだよな」
「……ん」
危惧していた通りというか、案の定というか。
いざ宿を取ろうと言う時に、ルリに「……1部屋でいいと思う」って言われてしまった。
そんなわけで、2人用の部屋を1部屋取っている。
もちろんベッドは別だ。
「パーティで住むってなったら……最大でも4人くらいか。それくらいの人数が不自由なく暮らせる広さで、立地もいいところがいいな」
「……私はヒスイと一緒の部屋でいい」
「俺が困るの!」
俺になら無理矢理襲われることはないと思っているのか、そんなことすら知らないほどに無垢なだけなのか。
ともかく、俺の理性のことなどこれっぽっちも考えてくれないのだ。
少しばかり、ちゃんとお話する必要があるかもしれない。
「あのね。ルリは可愛いんだから、あんまり引っ付いてると俺の心の男の部分が暴走状態に移行しちゃうんだよ」
「かわっ……」
違う。大事なのはそこじゃない。
そんな顔赤くして……あぁもう、かわいいなあ。
「獣と化した俺に無理矢理襲いかかられたら嫌でしょ?」
「……嫌じゃないけど」
嫌であってくれ、そこは。
顔を赤らめてそんなこと言ってたら、そういう願望があると勘違いされちまうぞ。
「…………ヒスイは、私の事どう思ってるの?」
「えっ……だから、可愛いと思うよ」
「そうじゃなくて……女として、とか」
女として、か。
うーん、どうなんだろうか。
そういう、男と女――所謂、恋愛感情みたいなものにキッパリ分けるってのは、難しい話だ。
『異性として好きか嫌いか』で聞かれたら、間違いなく好きだ。嫌いに傾くことはない。
ルリのことは可愛いと思う。
だけどそれは、もし俺に妹がいたらそれに向ける感情と同じでもあるだろうし、恋人がいたらそれに向ける感情とも同じであるだろう。
要するに、よくわからないのだ。
「……こんなにずっと同じ部屋に泊まってるのに襲われない」
「そりゃ襲っちゃダメだろ……」
「…………魅力、無いのかなって。胸もないし」
なるほど、そういうことになってくるのか。
本当に難しいなぁ。
ただひとつ、確かに言えることがある。
「魅力はありまくりだよ。ルリほど魅力のある女の子は、なかなかいないと思う」
「――ひゃっ」
大丈夫か、これ。
俺、めちゃくちゃ気持ち悪い事言ってないか?
ルリが俺に好意を持ってくれてなかったら氷漬けになってるぞ。
「だけど、俺たちは恋人でもないだろ? そうじゃない相手に欲望を剥き出しにするのは違う」
「――――なら」
「俺には今、やるべきことがある。だから、それが終わったあとで、自分の気持ちを考えたいんだ」
「――――」
ルリの表情が、今にも涙を零しそうなほどに歪む。
随分と勝手なことを言っているし、ルリを悲しませてしまった。
俺が悪い。だけど、言葉にしなくてはならなかった。
「――魔王は、強いと思う。生きて帰れるかも……いや、必ず勝つつもりで挑むけど、不測の事態があるかもしれない。未練が残るような形で終わりたくないんだよ」
「……じゃあ、どうするの?」
「今までみたいに必要以上にベタベタするのはやめよう。普通の距離感に戻るんだ」
ルリという大きな戦力を得て、魔王討伐というのも現実味を帯びてきた。
もう1年後や2年後の話じゃない。
大事が起きる前に、なるべく早く倒さなくてはいけないだろう。
それもあり、なあなあで恋人ごっこのような距離感を保つわけにはいかないから。
俺のためにも、ルリのためにも。
一旦、距離感をリセットする必要があったのだ。
「…………やだ」
「え?」
「……私にとっては、魔王を倒すよりもヒスイの方が大事。やっぱり倒すのやめようなんて、言えないけど……ヒスイを失ったら、一生後悔する」
ついに大粒の涙を零しながら、初めて聞くハッキリとした口調で、ルリは話し始めた。
「せめて、後悔のないように……好きな人に好きって言いたい。言われたい。私はヒスイのことが好き。大好き。――ヒスイは、どうなの? 逃げないで、後回しにしないで、今聞かせて欲しい」
「――俺、は……」
「じゃあ、恋人になろうなんて言わない。困らせたくない。だからせめて、今のヒスイの気持ちを聞かせて欲しい。――もし、ヒスイも私を好きでいてくれるなら、この距離を離したくない」
俺は、自分で思った以上にルリの心の弱い部分にズカズカと踏み込んでしまっていたらしい。
恋人でもないのにベタベタするのは不健全だよね、やめようね。そんなのは、俺の気持ちの押しつけでしか無かったのかもしれない。
――ルリは、俺の事が大好きだと言った。
そんなこと、俺だって気付けていたのではないか。
いや、気付いていながら見ないふりをしていたのではないか。
年頃の女の子が同室を望み、誰が見てもわかるように好意を見せ。そんなの、不安だったに決まってる。怖かったに決まっている。
拒絶されたら、嫌われたら、軽い女だと思われたら。
そんな苦悩が、彼女にもあったに違いないのに。
そんな簡単なことに気付かないふりをして、傷つけて。
その上で、今はやるべきことがある?
距離感をリセットしたい?
何をほざいているんだ、俺は。
俺はここで、答えを出す。
それが、せめてものルリへの贖罪だ。
「俺は――」
自分で有耶無耶にしていた、靄のかかった俺の気持ちに蹴りをつける。
これが、今一番やるべきことだ。
「俺は、ルリのことが――」
答えを、出す。
「……私もそう思う」
一夜明けて。
俺たちは結局、宿に泊まっている。
まぁ家を買うにしたって1日や2日で決まるもんでもないし、こうなってしまうのは必然なのだが。
「やっぱり同じ部屋なんだよな」
「……ん」
危惧していた通りというか、案の定というか。
いざ宿を取ろうと言う時に、ルリに「……1部屋でいいと思う」って言われてしまった。
そんなわけで、2人用の部屋を1部屋取っている。
もちろんベッドは別だ。
「パーティで住むってなったら……最大でも4人くらいか。それくらいの人数が不自由なく暮らせる広さで、立地もいいところがいいな」
「……私はヒスイと一緒の部屋でいい」
「俺が困るの!」
俺になら無理矢理襲われることはないと思っているのか、そんなことすら知らないほどに無垢なだけなのか。
ともかく、俺の理性のことなどこれっぽっちも考えてくれないのだ。
少しばかり、ちゃんとお話する必要があるかもしれない。
「あのね。ルリは可愛いんだから、あんまり引っ付いてると俺の心の男の部分が暴走状態に移行しちゃうんだよ」
「かわっ……」
違う。大事なのはそこじゃない。
そんな顔赤くして……あぁもう、かわいいなあ。
「獣と化した俺に無理矢理襲いかかられたら嫌でしょ?」
「……嫌じゃないけど」
嫌であってくれ、そこは。
顔を赤らめてそんなこと言ってたら、そういう願望があると勘違いされちまうぞ。
「…………ヒスイは、私の事どう思ってるの?」
「えっ……だから、可愛いと思うよ」
「そうじゃなくて……女として、とか」
女として、か。
うーん、どうなんだろうか。
そういう、男と女――所謂、恋愛感情みたいなものにキッパリ分けるってのは、難しい話だ。
『異性として好きか嫌いか』で聞かれたら、間違いなく好きだ。嫌いに傾くことはない。
ルリのことは可愛いと思う。
だけどそれは、もし俺に妹がいたらそれに向ける感情と同じでもあるだろうし、恋人がいたらそれに向ける感情とも同じであるだろう。
要するに、よくわからないのだ。
「……こんなにずっと同じ部屋に泊まってるのに襲われない」
「そりゃ襲っちゃダメだろ……」
「…………魅力、無いのかなって。胸もないし」
なるほど、そういうことになってくるのか。
本当に難しいなぁ。
ただひとつ、確かに言えることがある。
「魅力はありまくりだよ。ルリほど魅力のある女の子は、なかなかいないと思う」
「――ひゃっ」
大丈夫か、これ。
俺、めちゃくちゃ気持ち悪い事言ってないか?
ルリが俺に好意を持ってくれてなかったら氷漬けになってるぞ。
「だけど、俺たちは恋人でもないだろ? そうじゃない相手に欲望を剥き出しにするのは違う」
「――――なら」
「俺には今、やるべきことがある。だから、それが終わったあとで、自分の気持ちを考えたいんだ」
「――――」
ルリの表情が、今にも涙を零しそうなほどに歪む。
随分と勝手なことを言っているし、ルリを悲しませてしまった。
俺が悪い。だけど、言葉にしなくてはならなかった。
「――魔王は、強いと思う。生きて帰れるかも……いや、必ず勝つつもりで挑むけど、不測の事態があるかもしれない。未練が残るような形で終わりたくないんだよ」
「……じゃあ、どうするの?」
「今までみたいに必要以上にベタベタするのはやめよう。普通の距離感に戻るんだ」
ルリという大きな戦力を得て、魔王討伐というのも現実味を帯びてきた。
もう1年後や2年後の話じゃない。
大事が起きる前に、なるべく早く倒さなくてはいけないだろう。
それもあり、なあなあで恋人ごっこのような距離感を保つわけにはいかないから。
俺のためにも、ルリのためにも。
一旦、距離感をリセットする必要があったのだ。
「…………やだ」
「え?」
「……私にとっては、魔王を倒すよりもヒスイの方が大事。やっぱり倒すのやめようなんて、言えないけど……ヒスイを失ったら、一生後悔する」
ついに大粒の涙を零しながら、初めて聞くハッキリとした口調で、ルリは話し始めた。
「せめて、後悔のないように……好きな人に好きって言いたい。言われたい。私はヒスイのことが好き。大好き。――ヒスイは、どうなの? 逃げないで、後回しにしないで、今聞かせて欲しい」
「――俺、は……」
「じゃあ、恋人になろうなんて言わない。困らせたくない。だからせめて、今のヒスイの気持ちを聞かせて欲しい。――もし、ヒスイも私を好きでいてくれるなら、この距離を離したくない」
俺は、自分で思った以上にルリの心の弱い部分にズカズカと踏み込んでしまっていたらしい。
恋人でもないのにベタベタするのは不健全だよね、やめようね。そんなのは、俺の気持ちの押しつけでしか無かったのかもしれない。
――ルリは、俺の事が大好きだと言った。
そんなこと、俺だって気付けていたのではないか。
いや、気付いていながら見ないふりをしていたのではないか。
年頃の女の子が同室を望み、誰が見てもわかるように好意を見せ。そんなの、不安だったに決まってる。怖かったに決まっている。
拒絶されたら、嫌われたら、軽い女だと思われたら。
そんな苦悩が、彼女にもあったに違いないのに。
そんな簡単なことに気付かないふりをして、傷つけて。
その上で、今はやるべきことがある?
距離感をリセットしたい?
何をほざいているんだ、俺は。
俺はここで、答えを出す。
それが、せめてものルリへの贖罪だ。
「俺は――」
自分で有耶無耶にしていた、靄のかかった俺の気持ちに蹴りをつける。
これが、今一番やるべきことだ。
「俺は、ルリのことが――」
答えを、出す。
2
お気に入りに追加
1,584
あなたにおすすめの小説
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る
はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。
そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。
幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。
だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。
はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。
彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。
いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。
良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました
ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。
そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった……
失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。
その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。
※小説家になろうにも投稿しています。
追放されてから数年間ダンジョンに篭り続けた結果、俺は死んだことになっていたので、あいつを後悔させてやることにした
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
世間で高い評価を集め、未来を担っていく次世代のパーティーとして名高いAランクパーティーである【月光】に所属していたゲイルは、突如として理不尽な理由でパーティーを追放されてしまった。 これ以上何を言っても無駄だと察したゲイルはパーティーリーダーであるマクロスを見返そうと、死を覚悟してダンジョンに篭り続けることにした。 それから月日が経ち、数年後。 ゲイルは危険なダンジョン内で生と死の境界線を幾度となく彷徨うことで、この世の全てを掌握できるであろう力を手に入れることに成功した。 そしてゲイルは心に秘めた復讐心に従うがままに、数年前まで活動拠点として構えていた国へ帰還すると、そこで衝撃の事実を知ることになる。 なんとゲイルは既に死んだ扱いになっており、【月光】はガラッとメンバーを変えて世界最強のパーティーと呼ばれるまで上り詰めていたのだ。 そこでゲイルはあることを思いついた。 「あいつを後悔させてやろう」 ゲイルは冒険者として最低のランクから再び冒険を始め、マクロスへの復讐を目論むのだった。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる