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第一章 『黄金色の少女』
6.『本物の強さ』
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数日後。
俺たちは、セドニーシティから馬車を数時間走らせたところにある、どこまでも風が吹き抜ける荒野に来ていた。
「今回の依頼は、B級モンスター【トライデントスネーク】の討伐です。口から吐いた毒霧で獲物を麻痺させ、三つの叉の鋭い矛のような尾でとどめを刺す。凶悪なモンスターですね」
「確実に命を奪うためだけに存在しているみたいなモンスターだな……」
馬車に揺られながら、俺たちは依頼の詳細を確認する。
なんでも、この荒野を抜けた先に大きな鉱脈があるようで。
セドニーシティの財源を支える大きな産業らしいのだが、時折そのトライデントスネークが出没しては通行止めになり、街の経済に大きな打撃を与えるそうだ。
「というわけで、早急に討伐しないと街の運営が傾いてしまうのです。このような緊急性のある依頼は、私やA級以上の冒険者に直接依頼が下されます」
聞けば、B級モンスターといえどたったひとりで討伐に赴くのは不安があったとか。
そんな中で都合よく俺が現れたため、こうしてパーティを組んでいるわけだ。
「丁度顔見知りの冒険者がみな遠征に出てしまっていたものですから……お手を煩わせてしまい申し訳ありません」
「いや、全然いいよ。俺もひとりだし、もっと実戦に出たかったしね」
「不思議なのですが……そのようにおっしゃるということは、ヒスイ様は実戦経験が少ないのですか?」
答えづらい質問だ。
実戦経験が少ないのか? という質問には、「いいえ」と答えるべきだろう。冒険者として三年間、数多くのモンスターと戦ってきた。主にスライムとか。
だが、これがD級以上のモンスターとの実戦経験となると、まぁ皆無だ。
バーミリオン・ベビーというイレギュラーがあったとはいえ、ちゃんと依頼で討伐に向かうのは初めてなのだ。
「今回のそのモンスターと戦うのは初めてだよ。もちろん、A+級モンスターなんて人生で初めて戦った」
「……ヒスイ様ほどお強い方は見たことがありません。血が滲むような努力をしてきたことでしょう。きっと、これから多くの民を救われるのでしょうね」
「あはは……だと、いいけど……」
血が滲むような屈辱は受けたけどね。
だけど、そうか。
タマユラはそれこそ血が滲むような努力をして、『剣聖』という大きな重荷を背負い、S級冒険者として多くの民を救ってきた。
そんな彼女から見たら、今の俺はどう映るのだろう。
ズルいと思われるか、軽蔑されるか。
ただ「スキルが強かった」という点のみで、俺は彼女の努力を否定したのだ。
少しばかり、胸がチクリと痛んだ。
この人にだけは、この高潔な剣士にだけは、嘘をついてはいけないと思った。
きっと、それが俺のちっぽけなプライドだった。
「――俺っ! ……本当は強くなんかなくて、スキルが、覚醒して……」
「――」
「偶然、だったんだ。今まで弱いと思ってたものが、運良く強いものになった。それがなければ、戦闘用スキルも使えないようなただのE級冒険者で……」
白状した。
嫌われるかもしれない。失望されるかもしれない。
だけど、彼女にだけは嘘をつきたくなかった。
――快くは思わないだろう。ただ息をしているだけで強くなるなんて、想像もできないような努力を重ねてきた彼女から見ればズル以外の何物でもないのだから。
「……ヒスイ様は、強さをどう捉えますか?」
ポツリと、彼女は俺に質問を投げかけた。
それは単純で、簡単で、だけど難しい命題だった。
「強さ? それはやっぱり――レベル、とか。あとは、指標になるのは冒険者ランクかな。使えるスキルによっても――」
「――私は、そうは思いません」
俺の月並みな浅い考えは、彼女にきっぱりと、真っ向から否定された。
それはもう真っ直ぐな目で。絶対的な信念で。
「……『剣聖』というのは絶対的な権威です。ギルドも剣聖が支配する。近衛兵団も、私の駒です。『剣聖』という名家に生まれただけで、そうなってしまうんです」
彼女のその言葉は、決して自慢や驕りには聞こえなかった。むしろ、その逆の――。
「――いいよな、たまたま生まれがよかっただけでチヤホヤされて。なんの苦労も知らずに生きていけて。……そんな心無い民の言葉は、生まれた時からずっと聞いてきました」
「――」
「悔しかった。そんなに、私が憎いのでしょうか。――憎いのでしょうね。私には、貧困に苦しむ民の気持ちはわかりません。才に恵まれず、夢を諦めた者の気持ちもわかりません。全ては、『剣聖』という名家に産まれたから」
「でも……」
「いいのです。その全ての声を受け止めるのもまた、剣聖の宿命なのですから。ですが、いくら剣を高めても孤独には打ち勝てません。私が実力を磨きS級冒険者になった時も、だってあの人はギルドを治める『剣聖』だから。実力がなくてもS級になれるんだろう。そう言われるのです」
それは、あまりにも酷い民意だった。
だけど、これはある種世の常なのだろう。
どの都市に行っても、民は上流階級を羨み、妬み、憎むものだから。
「そのくせ、自らが危険に巻き込まれるとこう言うのです。『剣聖』だろう。S級冒険者だろう。民を守るのが役目だろう、って」
俺は、何も言えなかった。
彼女の悩みは、俺のような『民』には到底理解してあげられるようなものではなかったからだ。
初めてS級冒険者の話を聞いた時、こう思った。
羨ましいな、って。
俺なんかとは才能が違うんだろう。
やはり、そういう星のもとに産まれたのだろう、って。
俺に彼女を慰める権利など、なかった。
「……必死でした。本当なら、あの時も逃げ出したかった。誰も救ってくれる人はいない。そんな中、たったひとりであの強大なモンスターと対峙するなんて……正直、泣きべそかいて全てを投げ出せたらどれほど楽だったことか」
「でも、できなかった。私の後ろには、守るべき民がいたから。命を燃やし尽くしてでも救わなくてはならない、愛すべき民が。だから私は、孤独でも戦い続けるしかなかった。それが私の強さだから」
「もし私がひとりで勝利していたら、あの場にいた民には感謝されたかもしれません。ですが民衆は、救えた命よりも救えなかった命の数を数えるのです」
「感謝されるよりも糾弾される。もちろん、表立っては言われません。しかし、ひとたび裏路地に入れば。酒屋のテーブルで。兵団の宿舎ですらも。……私を糾弾する声が、街中に溢れている」
「だけどそんなことは関係なく、民の危機に颯爽と現れ難敵を打ち破る存在でなければならない。『剣聖』というのは、そういうものなんです」
「どれほど疎まれようと、孤独だろうと、愛すべき民を思い剣を振る。それが『剣聖』の生き方だから」
「――そんな時でした。ボロボロの服を着て、今にも泣き出しそうなほど不安に満ちた顔で、私の隣に立ってくれた冒険者が現れたのは」
「もしかしたら私よりも壊れそうな心で、助けにきましたと叫んでくれた勇気は、どれほど絞り出してくれたものだったのでしょう」
「――本物の強さというのは、誰かを救うために勇気を持てることだと、私はそう思います。あの時心から救われたひとりの剣士がいたこと。それが、貴方が強き者だという何よりの証明です」
「私を助けてくれて、本当にありがとうございました」
その長い独白を聞いて、俺は畏れ多くもこう思った。
――あぁ、俺たちって似たもの同士なんだ、と。
俺たちは、セドニーシティから馬車を数時間走らせたところにある、どこまでも風が吹き抜ける荒野に来ていた。
「今回の依頼は、B級モンスター【トライデントスネーク】の討伐です。口から吐いた毒霧で獲物を麻痺させ、三つの叉の鋭い矛のような尾でとどめを刺す。凶悪なモンスターですね」
「確実に命を奪うためだけに存在しているみたいなモンスターだな……」
馬車に揺られながら、俺たちは依頼の詳細を確認する。
なんでも、この荒野を抜けた先に大きな鉱脈があるようで。
セドニーシティの財源を支える大きな産業らしいのだが、時折そのトライデントスネークが出没しては通行止めになり、街の経済に大きな打撃を与えるそうだ。
「というわけで、早急に討伐しないと街の運営が傾いてしまうのです。このような緊急性のある依頼は、私やA級以上の冒険者に直接依頼が下されます」
聞けば、B級モンスターといえどたったひとりで討伐に赴くのは不安があったとか。
そんな中で都合よく俺が現れたため、こうしてパーティを組んでいるわけだ。
「丁度顔見知りの冒険者がみな遠征に出てしまっていたものですから……お手を煩わせてしまい申し訳ありません」
「いや、全然いいよ。俺もひとりだし、もっと実戦に出たかったしね」
「不思議なのですが……そのようにおっしゃるということは、ヒスイ様は実戦経験が少ないのですか?」
答えづらい質問だ。
実戦経験が少ないのか? という質問には、「いいえ」と答えるべきだろう。冒険者として三年間、数多くのモンスターと戦ってきた。主にスライムとか。
だが、これがD級以上のモンスターとの実戦経験となると、まぁ皆無だ。
バーミリオン・ベビーというイレギュラーがあったとはいえ、ちゃんと依頼で討伐に向かうのは初めてなのだ。
「今回のそのモンスターと戦うのは初めてだよ。もちろん、A+級モンスターなんて人生で初めて戦った」
「……ヒスイ様ほどお強い方は見たことがありません。血が滲むような努力をしてきたことでしょう。きっと、これから多くの民を救われるのでしょうね」
「あはは……だと、いいけど……」
血が滲むような屈辱は受けたけどね。
だけど、そうか。
タマユラはそれこそ血が滲むような努力をして、『剣聖』という大きな重荷を背負い、S級冒険者として多くの民を救ってきた。
そんな彼女から見たら、今の俺はどう映るのだろう。
ズルいと思われるか、軽蔑されるか。
ただ「スキルが強かった」という点のみで、俺は彼女の努力を否定したのだ。
少しばかり、胸がチクリと痛んだ。
この人にだけは、この高潔な剣士にだけは、嘘をついてはいけないと思った。
きっと、それが俺のちっぽけなプライドだった。
「――俺っ! ……本当は強くなんかなくて、スキルが、覚醒して……」
「――」
「偶然、だったんだ。今まで弱いと思ってたものが、運良く強いものになった。それがなければ、戦闘用スキルも使えないようなただのE級冒険者で……」
白状した。
嫌われるかもしれない。失望されるかもしれない。
だけど、彼女にだけは嘘をつきたくなかった。
――快くは思わないだろう。ただ息をしているだけで強くなるなんて、想像もできないような努力を重ねてきた彼女から見ればズル以外の何物でもないのだから。
「……ヒスイ様は、強さをどう捉えますか?」
ポツリと、彼女は俺に質問を投げかけた。
それは単純で、簡単で、だけど難しい命題だった。
「強さ? それはやっぱり――レベル、とか。あとは、指標になるのは冒険者ランクかな。使えるスキルによっても――」
「――私は、そうは思いません」
俺の月並みな浅い考えは、彼女にきっぱりと、真っ向から否定された。
それはもう真っ直ぐな目で。絶対的な信念で。
「……『剣聖』というのは絶対的な権威です。ギルドも剣聖が支配する。近衛兵団も、私の駒です。『剣聖』という名家に生まれただけで、そうなってしまうんです」
彼女のその言葉は、決して自慢や驕りには聞こえなかった。むしろ、その逆の――。
「――いいよな、たまたま生まれがよかっただけでチヤホヤされて。なんの苦労も知らずに生きていけて。……そんな心無い民の言葉は、生まれた時からずっと聞いてきました」
「――」
「悔しかった。そんなに、私が憎いのでしょうか。――憎いのでしょうね。私には、貧困に苦しむ民の気持ちはわかりません。才に恵まれず、夢を諦めた者の気持ちもわかりません。全ては、『剣聖』という名家に産まれたから」
「でも……」
「いいのです。その全ての声を受け止めるのもまた、剣聖の宿命なのですから。ですが、いくら剣を高めても孤独には打ち勝てません。私が実力を磨きS級冒険者になった時も、だってあの人はギルドを治める『剣聖』だから。実力がなくてもS級になれるんだろう。そう言われるのです」
それは、あまりにも酷い民意だった。
だけど、これはある種世の常なのだろう。
どの都市に行っても、民は上流階級を羨み、妬み、憎むものだから。
「そのくせ、自らが危険に巻き込まれるとこう言うのです。『剣聖』だろう。S級冒険者だろう。民を守るのが役目だろう、って」
俺は、何も言えなかった。
彼女の悩みは、俺のような『民』には到底理解してあげられるようなものではなかったからだ。
初めてS級冒険者の話を聞いた時、こう思った。
羨ましいな、って。
俺なんかとは才能が違うんだろう。
やはり、そういう星のもとに産まれたのだろう、って。
俺に彼女を慰める権利など、なかった。
「……必死でした。本当なら、あの時も逃げ出したかった。誰も救ってくれる人はいない。そんな中、たったひとりであの強大なモンスターと対峙するなんて……正直、泣きべそかいて全てを投げ出せたらどれほど楽だったことか」
「でも、できなかった。私の後ろには、守るべき民がいたから。命を燃やし尽くしてでも救わなくてはならない、愛すべき民が。だから私は、孤独でも戦い続けるしかなかった。それが私の強さだから」
「もし私がひとりで勝利していたら、あの場にいた民には感謝されたかもしれません。ですが民衆は、救えた命よりも救えなかった命の数を数えるのです」
「感謝されるよりも糾弾される。もちろん、表立っては言われません。しかし、ひとたび裏路地に入れば。酒屋のテーブルで。兵団の宿舎ですらも。……私を糾弾する声が、街中に溢れている」
「だけどそんなことは関係なく、民の危機に颯爽と現れ難敵を打ち破る存在でなければならない。『剣聖』というのは、そういうものなんです」
「どれほど疎まれようと、孤独だろうと、愛すべき民を思い剣を振る。それが『剣聖』の生き方だから」
「――そんな時でした。ボロボロの服を着て、今にも泣き出しそうなほど不安に満ちた顔で、私の隣に立ってくれた冒険者が現れたのは」
「もしかしたら私よりも壊れそうな心で、助けにきましたと叫んでくれた勇気は、どれほど絞り出してくれたものだったのでしょう」
「――本物の強さというのは、誰かを救うために勇気を持てることだと、私はそう思います。あの時心から救われたひとりの剣士がいたこと。それが、貴方が強き者だという何よりの証明です」
「私を助けてくれて、本当にありがとうございました」
その長い独白を聞いて、俺は畏れ多くもこう思った。
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