星存観測

 人類が崩壊した地球を脱出し、巨大な宇宙船の中で第二の地球を求めて漂流する暮らしを始めてから、百三十五年。
 人々は『探索刑』という合理的な刑罰を生み出した。発射型輸送ポッドという一方通行のみ可能な小型宇宙船に囚人を乗せ、人類移住の見込みがある星に送り込む。つまり、宇宙版島流しである。

 『探索刑』に処されたアハトは、見ず知らずの囚人たちと共に未知なる星に墜落する。
 この星で三年間生き延びれば、宇宙船が迎えに来る。しかしアハトは知っていた。仲間の囚人たちの中に、『宇宙船史上最悪の殺人鬼』がいる。
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