【山芋生姜BL】堕ちる羊

猫丸

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 準備をしようとトイレを探して俺は気付いた。
「てか、 扉がないんだけどっ!! ちょっ、ここは無理だって!」
 なにやら棚を物色している山神の背中に鉄格子の脇から呼びかける。トイレは鉄格子の向こう側にあった。格子の間から互いが見える。見られながら排泄なんてできない。しかも和式。考えてみれば、羞恥プレイをする部屋なのだ。そういうこともあるだろう。だが、そこでできるかは別。
「間違えたのはしょうがねぇ! 金払って出ようぜ!?」
 いくら全部見られていると言っても、俺にも羞恥心がある。準備までは見られたくない。
 脱ぎ散らかした服を手にしようとしたその時、山神の手が俺に伸びた。手首を捕まれ、引きずられるようにしてXの形をした磔台へ連れて行かれる。そしてはめられる手枷。
「間違いじゃねぇよ? 今日はお前に確認したい事があったから、敢えてこの部屋にしたんだけど? 逃げられないようにね」
 ぞっとするほど冷たい声だった。俺はびびってると気づかれたくなくて、声を震わせないように気をつけながら話す。
「こ、こんな部屋に連れてこなくても聞きたいことあるなら、普通に聞けばいいだろ……?」
「うん……まぁそうなんだけど……お前、毎回はぐらかすしさ。 まぁ、たまには趣向を変えてこういうのもいいんじゃね? って」
「お、俺にこういうシュミはねぇっ!!」
「別に質問に答えてくれればいいだけだから」
 いつもよりゆっくりの口調が怖い。山神は俺の手首を拘束している枷を少しきつめに調整した。先程より身体の不自由度が増して不安になる。
「やめろって! こんなことするなら別れる! 早く外せよ!」
 俺の叫び声と、がしゃんがしゃんと金具が引っ張られる音が部屋に響いた。なのに山神は無表情なまま。
「はぁ? 逃がすわけねぇだろ? てか、お前、今まで何人とした?」
 最近では見ることがなかった、圧の強い山神の態度。
「わかんねぇ……けど……それはお前だって一緒だろ? むしろお前のほうが!」
 山神の勢いに気圧されないように俺も言い返す。過去の恋愛なんて聞くな。今更なんだっていうんだ。
「俺のはお前、知ってんだろ? てか、お前、一時期から雰囲気変わって、なんかあったんだろうなって思ってたんだけどさ……」
「今までの相手が気になるなら、もう付き合えねぇよ! お前と付き合い始めた時、俺が初めてじゃなかったのはわかってただろ!?」
「初めて……ねぇ? お前、あの時店で会ったヤツ、誰? 何があった?」
 俺は言葉に詰まった。
「な? お前答えねぇじゃん」
 なんだ。答えない俺が悪いのか?付き合っているからといって、言いたくないことは言わなくてもいいじゃないか。
 山神は無表情で、俺の胸についている突起をつまんで引っ張った。本気で怒っている時の表情。
 俺は自由になる足をジタバタさせて再び「外せ!お前とはもう別れる!」と怒鳴った。
 だが足枷まで付けられ、股を閉じることのできない状態にされれば、その怒りが恐怖に変わる。
「お願い、こんなことやめて……」
 酒を飲んでいたせいで膀胱に溜まっていた尿がしょろしょろと流れ落ちた。
「外せって……」
 泣きながら懇願しても山神の表情は変わらない。無言で脱衣所からバスタオルを持ってきて、俺の濡れた股と床を雑に拭いた。
 そして山神の手には見たことのある食材。
「なに、それ……」
 名前はわかる。どうやって食べるかも。だが今この状況でだしてくるなんて嫌な予感しかしない。
 怯える俺には反応もせず、細い方の薄茶色の皮をピーラーで向いていく。中から現れるぬめりのある白い食用部。その白い部分も削ぎ落として先端を尖らせた。
「尻緩めて?」
 手に持たれた山芋が、まるで鬼の金棒のように恐ろしいものに見える。
「いや……」
 ふるふると頭を振って抵抗を示す。だが萎えたちんこをぺちんと叩かれれば、脳天まで響くような痛みに襲われる。思わず腰が引けて尻を磔台に押し付ける体勢になると、睾丸と竿を一纏めに掴まれ引っ張られた。磔台から尻が離れ、痛みによって一瞬きゅんと締まった穴から力が抜けた時、山神はその棒を俺の尻穴めがけてぶっ刺した。
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