吾輩は元大王である。

猫丸

文字の大きさ
上 下
19 / 27
第二章 二年生

8.仲直り※

しおりを挟む
 今日こそは吾輩が主導権を握るのだ!
 エヴァレインをひいひい言わせるのは吾輩の方!

 ……そう思っていたはずなのに、なぜこんなことになっている!?

「エヴァ……もうっ、もうムリっ……! ムリだからぁっ……!」
 四つん這いになりガクガクと内股を震わせ、中イキを繰り返していた。吾輩の後孔には萎えることのないエヴァレインのちんこ刺さっている。
 何度も中出しされた液体は、突き上げる度に穴から溢れ、太ももを汚していた。
 久しぶりにいちゃいちゃできると浮かれていた吾輩。何たる不覚! そういえばこやつはこういうやつだった!
「セラ……好き……私が悪かったから、どこにも行かないで……ずっと私の腕の中にいて……」
 こんな閨中に嫌だなんて言えるはずもない。だが、本当に吾輩の此度の怒りを理解しているのか不安になるような言葉と行動。
 やはり話し合うべきだ。
 吾輩は、意を決しエヴァレインを制そうと振り返った。
 だが、まだ満足していないらしいエヴァレインは、そんな吾輩に気付かない。吾輩の思考を奪うかのように、挿入したまま、あらゆる性感帯を刺激してきた。
 吾輩も既に何度か達していて、もはや射精らしい射精もできない。勃ち上がったちんこの先端からわずかばかりの精液をだらだらと垂れ流し、中イキを繰り返すばかり。身体の疼きがとまらなかった。
 ちんこや乳首、体内への突き上げの刺激は当然ながら、吾輩の身体に痕を残すためのちりりとした刺激にすら、甘い声が漏れてしまう。
「うう……ダメだ……ちんこでイキたい……」
 自らのちんこを扱いて、この解消されない疼きを発散しようとする。そのうち腕が疲れてきて、仰向けの、正常位の体勢をとった。
 吾輩の両足は大きく割り開かれ、股の間にはエヴァレインがいる。
 やつが身体を倒してきて、吾輩達の身体が密着し、唇が重なった。
「う゛ぅ……ん゛ん゛っ……」
 エヴァレインのちんこが吾輩の胎内の、より奥の方まで侵入してきた。下腹部もエヴァレインの身体の重みで圧迫され、存在感が増す。
「セラ……セラ……私の愛おしい大王様……」
 熱に浮かされたようにささやきながら、吾輩の体内を刺激してくるエヴァレイン。
 それはどちらかというと、奥をこじ開けるような動きに近くて、吾輩はその苦しさに呻いた。
「う゛ん゛ん゛ん゛っっっ…え、エヴァ……それ以上は……ダメだ……その先は……入ったらダメな、とこ、だ……さすがの、吾輩も、まず、い……」
 吾輩が必死にやめろと言っているのに、体内のちんこはその質量を増し、吾輩を苦しめた。
 吾輩とエヴァレインがキスをする度に、ちんこの先端も吾輩の体内のその扉に吸い付くようにキスをしているのがわかる。
「くっ……そんなに、煽らないでっ……」
 エヴァレインが苦しそうに眉をしかめる。
「ちがっ……やぁ……やめっ……やめっ! あ゛あ゛あ゛っっっ!?」
 ぐちょんっと擬音が頭の中で鳴り響き、真っ白な光が弾けたような気がした。吾輩は身体を硬直させた。意識が飛びそうだ。
 かつて暗殺者に刺されたときとは違う、経験したことのない苦しみ。だが、苦しいだけでなく、どこか満たされるこの感覚は何なのだ?
「セラ!? セラ!? 大丈夫? 息をして!!」
 吾輩をこんなにしている張本人が、心配して名を呼ぶ。だが吾輩はただヒューヒューと呼吸し、体内への衝撃を和らげるしかできなかった。
 気がつけば吾輩の腹は、精液とは異なる透明な液体でびしゃびしゃに汚れていた。
 吾輩の苦痛を和らげるためだろうか。エヴァレインが濡れた吾輩のちんこを扱いた。その度にぷしゅっぷしゅっと吹き上がる潮。
「やめ……いじる、なぁ……」
 やめろ。逆効果だ。今はどんな刺激もいらんのだ。
 吾輩は身体を捩った。だがそのせいで襞に引っかかっていた亀頭部分が扉の先にフィットしてしまった。
「ひぃ……」
 吾輩はかすかに呻いた。口角から唾液がこぼれた。
「セラ……かわいい……」
 必死な吾輩に、うっとりとしたエヴァレインのつぶやきが聞こえた。
 よだれに汗、潮や精液にまみれたこの姿を見てなにを言っているのだ。やはりこやつは頭がおかしい。
 そう思うのだが、言葉にはならない。
 吾輩の呼吸が少し落ち着いたのを待って、エヴァレインのやつが再び抽挿を始めた。
「やっ! やっ! ……抜いっ!!!! ……抜いっ!!!! ……ひっ!!!! ……ひっ!!!!」
 一度こじ開けられた扉はすぐには閉まらないのだろうか。エヴァレインが腰を引く度にでたかと思うと、突き上げる度に再び結腸に入り込んだ。
 もう自分がなにを口走っているのか、どんな状況なのかわからなかった。
「やっ! やっ! おかしくなるっ!! おかしくなっちゃうから、もうっ無理っ!!!! お願い!!!! イって!!!! イって!!!!」
 吾輩はいつの間にか泣いていた。
「……大王様……私はもう、800年以上も前から、貴方に狂っているんです……私と一緒におかしくなりましょう……」
 そう呟いたエヴァレインの言葉はもはや吾輩の耳には届いていなかった。
 一際強く体内をえぐられ、吾輩は叫ぶようにその剛直を体内で締め上げた。
「イグッ……イグゥゥゥッ……!!!!」
 身体が緊張し、頭の中で光が弾け、射精もせずにびくびくと痙攣して絶頂へと達する。
 体内の肉棒もそれが引き金となり、吾輩の体内の最奥に熱い液体をぶちまけた。
 その熱を体内で感じながら、吾輩は、やっとこの気の狂いそうな程の快楽、責め苦が終わるのだと思った。
 波が引き、身体の緊張が解けた時、吾輩のちんこの先端からはしょろしょろと黄色い液体が漏れ出ていた。
 
 
 
 
 
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。 彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。 ……あ。 音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。 しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。 やばい、どうしよう。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

処理中です...