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第三章 ルコス村
31.ありのまま※
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「ちょ、ヴァレル。 ここで?」
「もう無理。 我慢できない。 リュカだって反応しているくせに」
室内ではあるのだが、他の騎士や兵士が宿泊している小屋や施設からも距離が近い。
抵抗するものの、すでにリュカの服の前は全開で、トラウザーズもかろうじて腰と勃ち始めているペニスで引っかかっているだけの状態だった。
「で、でも、他の宿舎も近いし……」
「皆わかってるよ。 それにさっきギーさんが防音魔法かけたから大丈夫って言ってた」
余計な気を回してくれるギー。普段は魔獣の攻撃に備えて周りの音が聞こえるように絶対そんな事はしないが、今日は特別らしい。
「お願い。 全部、見せて?」
熱のこもった瞳で見つめてくるヴァレル。もう隠さなくてもいいのだろうか。引かないだろうか。恐る恐る……でも覚悟を決めて、シャツを脱ぎ捨てる。
ヴァレルは4年前には見せてもらえなかった腕に描かれた追跡阻害魔法の魔法陣に触れ、背中の傷痕一つ一つを確認するように、そっとなでた。
表情は見えない。沈黙が訪れる。
くすぐったさと、気まずさが相まってぎゅっと目を閉じながら、ヴァレルのしたいようにさせていた。
言葉で伝えることはできないけど、なにが行われていたのかはわかるだろう。魔力の色がわかるなら余計。
この醜い身体、この汚れた身体を見てヴァレルはどう思うだろうか?今更恐怖が湧き上がる。
無言が怖い。
なにか言わなきゃと思って、だけど言葉に詰まっていると、ヴァレルが背中の傷に口づけをしながら、リュカを抱きしめた。
「守るから……次こそ守るから……もう、どこにもいかないで……」
「ヴァレル……」
振り返り、ヴァレルの表情を確認する。泣いていた。
そしてリュカの身体を抱きしめ直すと言った。
「……生きていてくれてありがとう……俺を救ってくれて……新しい命を生んでくれてありがとう……愛してる。 自分の命と引き換えにしても守りたいんだ……守らせて……」
「それは駄目だよ」
「リュカ?」
「マチアスと三人で幸せになろう?」
返事の代わりに唇が降ってきた。
奴隷魔法がある限り一緒になるのは難しいかもしれない。でも『幸せになりたい』その気持ちは今の正直な気持ちだった。みんなで幸せになりたい。希望を持って生きていきたい。
ヴァレルの唇が全身に降り注ぐ。
久しぶりの情事に恥ずかしさがこみ上げてくる。子供まで生んでいるのだ。色々と……大丈夫だろうか?
「リュカ……きれい……」
恥じらい、顔を隠すリュカの手をのけてヴァレルは微笑んだ。
「ヴァレルも脱いで……」
鍛えられた身体。肩に残る火熊の爪痕。魔獣と戦ってついたであろうたくさんの傷痕。そして首には青黒白の三色の石のついたネックレスがあった。
「これ……」
「ごめん。 リュカにとっては思い出したくないと思うけど、あの後、ここに来る前に捜したんだ。 リュカに二度とあんな思いをさせないように、って自分への戒めで……」
そう言って、ネックレスに触れる手には、リュカがかつてあげた濃い青の石の付いたブレスレットがついていた。
「ヴァレル、来て……」
リュカはにっこり笑って、ヴァレルの首に手を伸ばす。再び重ねられる唇。そしてあの日飛び散ったネックレスにも口づけをする。
一度離れた絆をまた繋ぎ止めてくれたような気がして嬉しかった。ここにマチアスも加わるのだ。
「俺もその石欲しい。 早くマチアスに会いたいな」
リュカのネックレスに触れ、ヴァレルも口づける。
「髪は僕に似て黒いけど、顔はヴァレルに似てるよ?」
笑顔で会話しながら、徐々に口数が少なくなって、いつしかそれが喘ぎ声に変わる。
「ん……ヴァレル……もう、入れて……?」
穴はまだ完全には解れていない。でも身体が、心がヴァレルを求めている。思い切りヴァレルを感じさせて欲しい。
「痛かったら言って?」
ヴァレルの切っ先が穴の入り口に当てられ、リュカに少しの痛みを与えながら、ずぶずぶと入ってきた。体内がヴァレルの熱い肉棒で押し広げるように埋め尽くされ、幸せな気持ちになる。いや、身体だけではない。心もヴァレルでいっぱいになり、目の奥が熱くなる。
リュカのペニスもしっかりと勃ち上がり、先端からは透明な液が漏れていた。だがそれよりも今はヴァレルに触れていたい。抽挿を繰り返すヴァレルの顔に触れる。ヴァレルの唇が降ってきて、体内に当たる位置が変わる。
「ぅん……」
マチアスを産んだから、もう十分幸せだと思っていた。だけど、実際に会ってしまえば、やっぱりヴァレルの全てが欲しくなる。
「リュカ、幸せすぎて持ちそうにない……一回イッていい?」
『気持ち良すぎて』ではなく『幸せすぎて』とヴァレルは言った。リュカも同じ気持ちだった。ヴァレルが与えてくれる全てに幸せを感じる。
「うん、いいよ。 僕も幸せすぎてもうイきそう……。 でも、まだまだいっぱいしてくれるんだよね?」
「もう、煽らないで? そんな事言われたら抱き潰しちゃう……」
体内に収まるペニスが、射精直前の硬さを持ってリュカの体内を刺激する。その激しさに、嬌声だけしかでなくなって。そして、奥に打ち付けるようにかけられた白濁液。残滓まですべてをリュカの体内に出して、そして、リュカを抱きしめる。リュカもヴァレルを抱きしめ返す。
体温が上がり、しっとり汗ばんでいる肌から大好きなヴァレルの香りがした。リュカはその香りを肺いっぱいに吸い込んで、体内を震わせながら幸せを噛み締めた。
「もう無理。 我慢できない。 リュカだって反応しているくせに」
室内ではあるのだが、他の騎士や兵士が宿泊している小屋や施設からも距離が近い。
抵抗するものの、すでにリュカの服の前は全開で、トラウザーズもかろうじて腰と勃ち始めているペニスで引っかかっているだけの状態だった。
「で、でも、他の宿舎も近いし……」
「皆わかってるよ。 それにさっきギーさんが防音魔法かけたから大丈夫って言ってた」
余計な気を回してくれるギー。普段は魔獣の攻撃に備えて周りの音が聞こえるように絶対そんな事はしないが、今日は特別らしい。
「お願い。 全部、見せて?」
熱のこもった瞳で見つめてくるヴァレル。もう隠さなくてもいいのだろうか。引かないだろうか。恐る恐る……でも覚悟を決めて、シャツを脱ぎ捨てる。
ヴァレルは4年前には見せてもらえなかった腕に描かれた追跡阻害魔法の魔法陣に触れ、背中の傷痕一つ一つを確認するように、そっとなでた。
表情は見えない。沈黙が訪れる。
くすぐったさと、気まずさが相まってぎゅっと目を閉じながら、ヴァレルのしたいようにさせていた。
言葉で伝えることはできないけど、なにが行われていたのかはわかるだろう。魔力の色がわかるなら余計。
この醜い身体、この汚れた身体を見てヴァレルはどう思うだろうか?今更恐怖が湧き上がる。
無言が怖い。
なにか言わなきゃと思って、だけど言葉に詰まっていると、ヴァレルが背中の傷に口づけをしながら、リュカを抱きしめた。
「守るから……次こそ守るから……もう、どこにもいかないで……」
「ヴァレル……」
振り返り、ヴァレルの表情を確認する。泣いていた。
そしてリュカの身体を抱きしめ直すと言った。
「……生きていてくれてありがとう……俺を救ってくれて……新しい命を生んでくれてありがとう……愛してる。 自分の命と引き換えにしても守りたいんだ……守らせて……」
「それは駄目だよ」
「リュカ?」
「マチアスと三人で幸せになろう?」
返事の代わりに唇が降ってきた。
奴隷魔法がある限り一緒になるのは難しいかもしれない。でも『幸せになりたい』その気持ちは今の正直な気持ちだった。みんなで幸せになりたい。希望を持って生きていきたい。
ヴァレルの唇が全身に降り注ぐ。
久しぶりの情事に恥ずかしさがこみ上げてくる。子供まで生んでいるのだ。色々と……大丈夫だろうか?
「リュカ……きれい……」
恥じらい、顔を隠すリュカの手をのけてヴァレルは微笑んだ。
「ヴァレルも脱いで……」
鍛えられた身体。肩に残る火熊の爪痕。魔獣と戦ってついたであろうたくさんの傷痕。そして首には青黒白の三色の石のついたネックレスがあった。
「これ……」
「ごめん。 リュカにとっては思い出したくないと思うけど、あの後、ここに来る前に捜したんだ。 リュカに二度とあんな思いをさせないように、って自分への戒めで……」
そう言って、ネックレスに触れる手には、リュカがかつてあげた濃い青の石の付いたブレスレットがついていた。
「ヴァレル、来て……」
リュカはにっこり笑って、ヴァレルの首に手を伸ばす。再び重ねられる唇。そしてあの日飛び散ったネックレスにも口づけをする。
一度離れた絆をまた繋ぎ止めてくれたような気がして嬉しかった。ここにマチアスも加わるのだ。
「俺もその石欲しい。 早くマチアスに会いたいな」
リュカのネックレスに触れ、ヴァレルも口づける。
「髪は僕に似て黒いけど、顔はヴァレルに似てるよ?」
笑顔で会話しながら、徐々に口数が少なくなって、いつしかそれが喘ぎ声に変わる。
「ん……ヴァレル……もう、入れて……?」
穴はまだ完全には解れていない。でも身体が、心がヴァレルを求めている。思い切りヴァレルを感じさせて欲しい。
「痛かったら言って?」
ヴァレルの切っ先が穴の入り口に当てられ、リュカに少しの痛みを与えながら、ずぶずぶと入ってきた。体内がヴァレルの熱い肉棒で押し広げるように埋め尽くされ、幸せな気持ちになる。いや、身体だけではない。心もヴァレルでいっぱいになり、目の奥が熱くなる。
リュカのペニスもしっかりと勃ち上がり、先端からは透明な液が漏れていた。だがそれよりも今はヴァレルに触れていたい。抽挿を繰り返すヴァレルの顔に触れる。ヴァレルの唇が降ってきて、体内に当たる位置が変わる。
「ぅん……」
マチアスを産んだから、もう十分幸せだと思っていた。だけど、実際に会ってしまえば、やっぱりヴァレルの全てが欲しくなる。
「リュカ、幸せすぎて持ちそうにない……一回イッていい?」
『気持ち良すぎて』ではなく『幸せすぎて』とヴァレルは言った。リュカも同じ気持ちだった。ヴァレルが与えてくれる全てに幸せを感じる。
「うん、いいよ。 僕も幸せすぎてもうイきそう……。 でも、まだまだいっぱいしてくれるんだよね?」
「もう、煽らないで? そんな事言われたら抱き潰しちゃう……」
体内に収まるペニスが、射精直前の硬さを持ってリュカの体内を刺激する。その激しさに、嬌声だけしかでなくなって。そして、奥に打ち付けるようにかけられた白濁液。残滓まですべてをリュカの体内に出して、そして、リュカを抱きしめる。リュカもヴァレルを抱きしめ返す。
体温が上がり、しっとり汗ばんでいる肌から大好きなヴァレルの香りがした。リュカはその香りを肺いっぱいに吸い込んで、体内を震わせながら幸せを噛み締めた。
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