北極星(ポラリス)に手を伸ばす

猫丸

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第一章 王都パライソにて

2.エロアとの関係※

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 辺りは暗くなり始め、勤務時間が過ぎて、ほとんどの同僚は帰宅していた。
 研究室に残るのは、リュカの他に数名。
 リュカは無心に手を動かしていた。エロアに頼まれていた固形ポーションの製造。
 一般的に市場に流通しているのは液体のものだが、エロアは固形化に成功していた。その実績を元に魔法師団団長にまで上り詰めた。
 
 複数の薬草を粉末状にしたものをレシピ通りに組み合わせ、限界まで圧縮し、小さくしていく。
 そして、それを綿棒で伸ばし、平らにしたものを均等にカットして、長方形の形に仕上げていく。仕上げに魔力を注入して出来上がり。
 形状はショートブレッドのようで持ち運びに便利ではあるが、作れるのがリュカとエロアしかいない。
 製造にあたっては、成形は他の魔法師でもできるのだが、魔力の注入が難しい。他の魔法師が試したときには、込められた魔力がすぐに離散してしまい、ポーションにはならなかった。
 とはいえ、リュカだって始めから出来たわけではない。エロアに厳しく教えられてできるようになったのだ。
 
 ふと気がつくと昼間見たヴァレルの姿が脳裏に浮かび、手が止まっていた。
 小さい頃は華奢でかわいらしい子だったが、今では父親のバージルに似た体格に成長していた。
 自分が守らなくてはと思ったヴァレルはもういないのだ。ため息をつくと、帰り支度を終えたギーに呼ばれた。

「リュカ、エロア師団長が執務室に来いって」

「…あぁ…ありがとう」

 人が少なくなって呼び出すということは、今日はなのだ。
 そろそろだろうと覚悟していても、嫌なものは嫌だ。身体がずんと重くなったような気がした。
 それでも拒否はできない。目の前の固形ポーションのうち、きちんと成形されているものを箱に並べ、端の大きさや形が不揃いなものは自分用に分けた。

「大丈夫? もう定時も過ぎてるし、師団長には『もう寮に帰ってました』って伝えようか?」

「い、いや、大丈夫。 これも渡さなきゃいけないし、自分で行くよ」

「ふーん?」

 ギーはなにか言いたげな顔をしたが、それ以上はなにも言ってこなかった。
 リュカはいたたまれなくなって、箱を持って研究室を出る。
 あんなこと、誰にも知られたくない。

 ◇
 
 魔塔の最上階。様々な魔法が施された魔法師団長の執務室。そこには執務室内からしか入れない仮眠室があった。
 仮眠室と言っても、セミダブルサイズのベッドがあり、そこにはデスクやテーブルもある。
 師団長クラスの人の屋敷の自室に比べれば断然狭いだろうが、リュカの住む寮室に比べれば倍以上の広さがあった。

 その仮眠室内。ベッドにエロアが座り、服の前をくつろげていた。
 股の間にはいきり立ったエロアのペニスを舐める裸のリュカ。
 40を過ぎてもなお、エロアのペニスは固く力強かった。
 飲み込みきれない唾液がリュカの口の端から伝い、顎や首筋を通って鎖骨に垂れていく。
 ただひたすらイカすことだけを考えて舌を使い、指を使い、水音を響かせる。

 「リュカ、私を見なさい」

 リュカはいわれた通り、ペニスを口に咥えたまま、上目遣いでエロアを見上げる。
 叙任式が終わった後、エロアは王に謁見していたらしい。その話がうまくいったのだろうか、終始ごきげんな様子だった。
 後ろで束ねていたリュカの髪の毛を解くと、落ちてきた前髪を耳にかけ、リュカを見つめ意味ありげに笑っている。

 「あぁ…イキそうだ。ベッドに上がって尻を出せ」

 リュカは言われるがままに、ベッドの上で四つん這いになった。いつものように尻たぶを広げ、エロアが入れやすいように秘部を晒す。
 穴にとろみのある冷たい液体が垂らされ、エロアが指で軽くなじませた。
 そしてすぐに穴の入り口に切っ先が当てられる感触がして、体内に固くて太いものが侵入してくる。

「んんんっ………!!!!」

 体内を穿つエロアのペニス。
 リュカは目をつむり、抽挿に耐える。好きだとか嫌いだとか、そんなことはどうでもいい。
 美しい顔からは想像もできない背中に残るたくさんの傷跡。そしてエロアに触れられると禍々しく浮かび上がる魔法陣。リュカの腰を掴み体内を突きながら、その無惨な背中にエロアが歯を立てた。

「んっ…!!!!」
 
 突き刺さる痛みと、わずかに流れる血。放出される魔力。
 内臓が、腰が、ペニスが痺れる。全身の力が抜ける。それを感じ取り、エロアが更に激しく腰を動かした。エロアのペニスがリュカの前立腺をごりごりと刺激し、否が応でも快楽が押し寄せてくる。

 体内を穿たれながら、ふと昼間見たヴァレルの姿が脳裏に浮かんだ。

(ヴァレルには彼女がいるんだろうか?)

 ヴァレルはどのように恋人を抱くのだろう。「リュカと結婚する」と何度も言ってくれた、幼い日のヴァレルを思い出し、思わず口角が上がった。
 そして、今の自分の状態を思い出し、頭を振って思考を飛ばす。考えるな。あの時と今では状況が違う。
 ぼんやりしているのがわかったのか、エロアが尻たぶを叩いた。

(そうだ、今はこっちに集中しなくては)

 意識して後孔をしめると、体内の気持ちの良いところに再びエロアのペニスが当たった。その甘い刺激に思わず甘い吐息が漏れれば、エロアが満足気に笑った。
 今リュカを抱いているのはエロアなのだ。
 頭を空にして、与えられるその甘い刺激だけに集中しようと、腰だけを高く上げたまま、両肩で体を支え、リュカは自らのペニスを握りしめた。

 だんだん頭がぼんやりしてきて、ただ快楽を貪ることしか考えられなくなってくる。的確に体内の快楽のスイッチを刺激されれば、簡単に波がやってくる。
 体内を出入りする肉棒はうんざりするほどリュカの身体に馴染みすぎていた。
 自らが望んだ行為でなくとも、身体はエロアに開発されている。
 いじってもいないのに、胸の突起がツンと立ちあがり、透き通るような白い肌がうっすらピンク色に染まっていた。
  
「くっ……んんっ……」

 漏れる吐息。
 睾丸がキュッとせり上がり、絶頂が近くなってきた。リュカが腰を震わせ精を吐き出すと、その穴の収縮でエロアもリュカの体内で達した。
 エロアがふるりと身体を震わせ、残滓を出し切った後、リュカの体内から肉棒を引き抜いた。余韻でくぱくぱと開閉を繰り返す穴から、白い液体が溢れてきた。
 それをエロアがすくい、出てきた穴になじませると、リュカの身体をひっくり返し、再び切っ先を当ててきた。

「まだだ」

 一度イッた後だと言うのに、エロアのペニスはまだまだ強度を保っていた。リュカの膝裏をつかみ、再び侵入してくる肉棒。
 今度は正常位の体勢で貫かれた。体内を刺激されれば、リュカのペニスも再び頭をもたげる。芯の通ったペニスが抽挿に合わせてブンブンと揺れていた。

 この責め苦はエロアが満足するまで行われた。

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