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第一章 王都パライソにて
1.10年分の距離
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抜けるような青空。
リュカは職場である魔塔から、王城内の聖堂の入口へと向かっていた。着ているローブが風になびき、整った顔立ちを隠すため普段被っているフードが取れ、顔があらわになっているのも気にせず走る。一つに束ねている黒髪が風になびいた。
珍しいリュカの姿に、すれ違う人々が振り返った。だがそれを気にする暇はない。
息を切らしながらたどり着いた聖堂の入口付近には、王城内で働く人々が見物に訪れていて少し混雑していた。
聖堂の前の広場には、新しく任命される騎士団と魔法師団、各10名が2列に並び待機している。
今年採用された団員の中で、成績上位者のみの特別式典。
式典はすでに始まっているらしく、建物中から誰かが挨拶している声がかすかに聞こえた。
この扉が開けば、彼らは中へ入ってしまう。
リュカは(間に合った)とほっとしつつも、あわててその集団の中から目当ての人物を捜した。だが久しく会っていない相手の姿はなかなか見つからない。
記憶の中の姿はもう10年も前。8歳の子供の姿だった。
諦めかけていると背後から肩を叩かれた。はっとして振り返ると同じ魔塔に勤める同期のギーだった。
「リュカ、めずらしいねぇ。こんな野次馬に紛れて見物なんて。 君、こういうの全く興味ないんだと思ってたよ」
人付き合いの苦手なリュカが唯一普通に話せる友人。ふわふわとした赤い髪を風でなびかせながら、リュカが見ていた方へと視線を送った。
「今年は知り合いがいて……」
呼吸を整え、視線を戻しながら言った。
「ふふ、わかってるよ。 ヴァレル=ヴェルマンドだろ? 君の義弟の」
ギーはニヤリと笑って言った。知っているのにわざと聞いてきたのだ。
「うん、でもみんな向こう向いているからどこにいるかわからないんだよね」
「え? 先頭にいるのがそうだろ? 成績順なのはいつものことじゃないか」
面影を頼りに必死に姿を探していた視線が、先頭で待機する人物の方へと戻る。
「え? ヴァレルは首席だったの?」
騎士の名門、ヴェルマンドの嫡男が騎士団に入隊が決まり噂になっていたのは知っていた。だがまさかあの小さくて可愛かったヴァレルが、屈強な男たちが集まる騎士団入団希望者の中で首席だったとは。
「君、ちょっと情報に疎すぎだよ? もっと色々情報収集しないと。 あぁ、ほら、先頭でアルシェさんと話しているじゃん」
指差す方を見れば、見たことのある騎士団員から、何やら指示を受けている2人がいた。
真新しい騎士団の衣装を着た一際目を引く金髪の人物。目にかかるくらいの前髪の奥には濃いブルーの瞳が見えた。初めに視線をやったはずなのに、記憶と違いすぎる体躯によく見ていなかった人物だった。その隣には新しいローブに身を包んだ首席魔法師。
「あれが、ヴァレル?」
言われてみれば顔は面影が残る。だが、あんなにも立派に成長していたのか。
「そうだよ。 名門ヴェルマンド家のご子息。 家柄だけでなく、騎士としての実力まで折り紙付き。 加えてあの見た目。 適齢期の男女は大騒ぎだよ。すでに城内でファンクラブとか出来てるらしいよ。 ていうかさ、君、一応兄貴なんだろ?」
いわれてあたりの野次馬に目をやれば、隣にいる若い男女の集団もその人物を見て、きゃっきゃと浮かれている。
この世界は魔力を持つものと持たないものがいる。その魔法の力で、一定の条件が整えば同性であっても妊娠出産が可能だ。
本来子宮を持っていない男が出産するのだから出生率は高くない。当然ながら男女の婚姻が圧倒的に多いのは間違いないが、それでも本人同士が望めば同性でも結婚も子供を持つことも可能だった。
それもあって、国家創生から続く名門ヴェルマンドの嫡男。入団試験に応募可能な18歳での首席入団となれば、確かに男も女も大騒ぎにもなるだろう。
「僕は名前だけだから…それにもう10年も会っていないし…」
孤児だったリュカは、3歳でヴェルマンド家に引き取られ、養子となった。なかなか子宝に恵まれなかったヴェルマンド当主夫妻だったが、リュカを引き取ってすぐに当主夫人の妊娠が発覚。ヴァレルは無事生まれたが、夫人は産後の肥立ちが悪く、そのまま帰らぬ人となった。乳母や侍女もいたが、血の繋がらない弟がかわいくてかわいくて。リュカは常にヴァレルと一緒に過ごし、兄としてかわいがった。
だがある事故をきっかけに、リュカは養家を追われた。それ以来養家とは疎遠になった。
場所を変え、もっと近くへと移動したが混雑していてよく見えない。
遠目で見たヴァレルは、子供時代の雰囲気は影を潜め、背も伸び、引き締まった体躯へと成長していた。
身にまとった新品の騎士団の制服が、鍛えられた身体によく似合っている。だがそれはリュカにとっては全然知らない人物のように見えた。
長い月日が経過したのを感じ、心の中を冷たい風が吹きぬけたような気持ちになった。
かわいくて守りたい存在だったのは過去のこと。自分にとっては懐かしく思える相手でも、もう相手にとっては過去の記憶なのかもしれない。
現にこの10年、自分を助けようとする人はいなかったじゃないか。
そもそもリュカは、ヴェルマンドを追われたあと、魔法師団に入団するまで、魔法師エロア=エティエンヌの弟子だった。エロアからは、ヴェルマンドとの養子縁組は解消されたと聞かされていた。
それが2年前、魔法師団の入団手続きの際に初めて自分がヴェルマンドの籍に残っていることを知ったのだった。
嬉しかった。書類上であっても、まだヴァレルの義兄なのだ。わずかな繋がりであっても、赤の他人ではない。
そして今年、4つ下のヴァレルが騎士団として入団すると聞きつけたとき、かつてのように仲の良い兄弟は無理でも、すこしでも自分にできることはないだろうかと思った。
だが10年ぶりにヴァレルの姿を見ると、そんな気遣いなど無用であったことがわかる。懐かしさを感じているのは自分だけなのかもしれない。
家柄も、お金も、首席という名誉も、立派な身体もすべて揃っている。
対して自分はなにも持っていない。わずかな思い出にすがっているだけの存在。
入団を聞いてからずっとそわそわしていた自分が急に滑稽に思えきた。期待を胸に、わざわざエロアの目を盗んで見に来たことが虚しくなってきた。
「……仕事に戻るよ」
「あれ? もういいの?」
「うん、一目元気な姿を見れたし、師匠から頼まれた仕事がまだ残ってるんだ。 師匠が叙任式を終えて戻ってくる前に終わらせなきゃ」
弱々しく微笑むと、ギーは呆れたように言った。
「また? エロア師団長には困ったもんだねぇ。 君に仕事、頼みすぎっ!」
「仕方ないんだ。 師匠はほら……親、代わりの人だから…」
「ふーん、親代わりだかなんだかしらないけど、自由時間もなく拘束されて。 それじゃぁ奴隷みたいだよ、リュカ」
ズキンと痛む心には気づかないふりをした。それでもあの屋敷を出て寮にいられるのだからまだマシなのだ。リュカは自分に言い聞かせる。
人混みを離れると、リュカの存在に気づいた周囲の視線を感じた。「おい、お姫様が珍しく外に出てるぞ? 声をかけてみねぇ?」「やめとけって、エロア魔法師団長に目ぇ付けられるぞ」「てか、エロア師団長の愛人って噂、マジなの?」と笑いながら話す騎士団員の声が聞こえた。リュカは魔術師団の制服のフードを被り顔を隠す。
「認識阻害魔法使っちゃえば?」
あまりの下卑た噂話に、ギーがぼそりという。
「王宮の敷地内は原則禁止だから……」
「少しくらい大丈夫だと思うけどな。 それにしても、君も色々大変だねぇ…」
憐れむように背後でため息を付いた。
「はは…違うんだけどな…」
口先だけで笑っては見たものの、顔はひきつっていた。騎士団に入ればヴァレルもリュカの噂を聞くのだろう。そして口では否定しているものの、それは根拠のない噂ではない。
来たときの高揚感を忘れて、心は沈んでいく。
(早く研究室に戻って、終わらせなきゃ…)
リュカは、魔塔でポーションや薬の研究開発をする仕事をしていた。
(無心に仕事をしていれば、こんなモヤモヤもきっと忘れられる。 いつもそうやって自分の心と折り合いをつけてきたじゃないか)
鼻の奥がツンと痛くなって視界が歪んだ。
(フードを被っていてよかった)リュカは思った。
リュカは職場である魔塔から、王城内の聖堂の入口へと向かっていた。着ているローブが風になびき、整った顔立ちを隠すため普段被っているフードが取れ、顔があらわになっているのも気にせず走る。一つに束ねている黒髪が風になびいた。
珍しいリュカの姿に、すれ違う人々が振り返った。だがそれを気にする暇はない。
息を切らしながらたどり着いた聖堂の入口付近には、王城内で働く人々が見物に訪れていて少し混雑していた。
聖堂の前の広場には、新しく任命される騎士団と魔法師団、各10名が2列に並び待機している。
今年採用された団員の中で、成績上位者のみの特別式典。
式典はすでに始まっているらしく、建物中から誰かが挨拶している声がかすかに聞こえた。
この扉が開けば、彼らは中へ入ってしまう。
リュカは(間に合った)とほっとしつつも、あわててその集団の中から目当ての人物を捜した。だが久しく会っていない相手の姿はなかなか見つからない。
記憶の中の姿はもう10年も前。8歳の子供の姿だった。
諦めかけていると背後から肩を叩かれた。はっとして振り返ると同じ魔塔に勤める同期のギーだった。
「リュカ、めずらしいねぇ。こんな野次馬に紛れて見物なんて。 君、こういうの全く興味ないんだと思ってたよ」
人付き合いの苦手なリュカが唯一普通に話せる友人。ふわふわとした赤い髪を風でなびかせながら、リュカが見ていた方へと視線を送った。
「今年は知り合いがいて……」
呼吸を整え、視線を戻しながら言った。
「ふふ、わかってるよ。 ヴァレル=ヴェルマンドだろ? 君の義弟の」
ギーはニヤリと笑って言った。知っているのにわざと聞いてきたのだ。
「うん、でもみんな向こう向いているからどこにいるかわからないんだよね」
「え? 先頭にいるのがそうだろ? 成績順なのはいつものことじゃないか」
面影を頼りに必死に姿を探していた視線が、先頭で待機する人物の方へと戻る。
「え? ヴァレルは首席だったの?」
騎士の名門、ヴェルマンドの嫡男が騎士団に入隊が決まり噂になっていたのは知っていた。だがまさかあの小さくて可愛かったヴァレルが、屈強な男たちが集まる騎士団入団希望者の中で首席だったとは。
「君、ちょっと情報に疎すぎだよ? もっと色々情報収集しないと。 あぁ、ほら、先頭でアルシェさんと話しているじゃん」
指差す方を見れば、見たことのある騎士団員から、何やら指示を受けている2人がいた。
真新しい騎士団の衣装を着た一際目を引く金髪の人物。目にかかるくらいの前髪の奥には濃いブルーの瞳が見えた。初めに視線をやったはずなのに、記憶と違いすぎる体躯によく見ていなかった人物だった。その隣には新しいローブに身を包んだ首席魔法師。
「あれが、ヴァレル?」
言われてみれば顔は面影が残る。だが、あんなにも立派に成長していたのか。
「そうだよ。 名門ヴェルマンド家のご子息。 家柄だけでなく、騎士としての実力まで折り紙付き。 加えてあの見た目。 適齢期の男女は大騒ぎだよ。すでに城内でファンクラブとか出来てるらしいよ。 ていうかさ、君、一応兄貴なんだろ?」
いわれてあたりの野次馬に目をやれば、隣にいる若い男女の集団もその人物を見て、きゃっきゃと浮かれている。
この世界は魔力を持つものと持たないものがいる。その魔法の力で、一定の条件が整えば同性であっても妊娠出産が可能だ。
本来子宮を持っていない男が出産するのだから出生率は高くない。当然ながら男女の婚姻が圧倒的に多いのは間違いないが、それでも本人同士が望めば同性でも結婚も子供を持つことも可能だった。
それもあって、国家創生から続く名門ヴェルマンドの嫡男。入団試験に応募可能な18歳での首席入団となれば、確かに男も女も大騒ぎにもなるだろう。
「僕は名前だけだから…それにもう10年も会っていないし…」
孤児だったリュカは、3歳でヴェルマンド家に引き取られ、養子となった。なかなか子宝に恵まれなかったヴェルマンド当主夫妻だったが、リュカを引き取ってすぐに当主夫人の妊娠が発覚。ヴァレルは無事生まれたが、夫人は産後の肥立ちが悪く、そのまま帰らぬ人となった。乳母や侍女もいたが、血の繋がらない弟がかわいくてかわいくて。リュカは常にヴァレルと一緒に過ごし、兄としてかわいがった。
だがある事故をきっかけに、リュカは養家を追われた。それ以来養家とは疎遠になった。
場所を変え、もっと近くへと移動したが混雑していてよく見えない。
遠目で見たヴァレルは、子供時代の雰囲気は影を潜め、背も伸び、引き締まった体躯へと成長していた。
身にまとった新品の騎士団の制服が、鍛えられた身体によく似合っている。だがそれはリュカにとっては全然知らない人物のように見えた。
長い月日が経過したのを感じ、心の中を冷たい風が吹きぬけたような気持ちになった。
かわいくて守りたい存在だったのは過去のこと。自分にとっては懐かしく思える相手でも、もう相手にとっては過去の記憶なのかもしれない。
現にこの10年、自分を助けようとする人はいなかったじゃないか。
そもそもリュカは、ヴェルマンドを追われたあと、魔法師団に入団するまで、魔法師エロア=エティエンヌの弟子だった。エロアからは、ヴェルマンドとの養子縁組は解消されたと聞かされていた。
それが2年前、魔法師団の入団手続きの際に初めて自分がヴェルマンドの籍に残っていることを知ったのだった。
嬉しかった。書類上であっても、まだヴァレルの義兄なのだ。わずかな繋がりであっても、赤の他人ではない。
そして今年、4つ下のヴァレルが騎士団として入団すると聞きつけたとき、かつてのように仲の良い兄弟は無理でも、すこしでも自分にできることはないだろうかと思った。
だが10年ぶりにヴァレルの姿を見ると、そんな気遣いなど無用であったことがわかる。懐かしさを感じているのは自分だけなのかもしれない。
家柄も、お金も、首席という名誉も、立派な身体もすべて揃っている。
対して自分はなにも持っていない。わずかな思い出にすがっているだけの存在。
入団を聞いてからずっとそわそわしていた自分が急に滑稽に思えきた。期待を胸に、わざわざエロアの目を盗んで見に来たことが虚しくなってきた。
「……仕事に戻るよ」
「あれ? もういいの?」
「うん、一目元気な姿を見れたし、師匠から頼まれた仕事がまだ残ってるんだ。 師匠が叙任式を終えて戻ってくる前に終わらせなきゃ」
弱々しく微笑むと、ギーは呆れたように言った。
「また? エロア師団長には困ったもんだねぇ。 君に仕事、頼みすぎっ!」
「仕方ないんだ。 師匠はほら……親、代わりの人だから…」
「ふーん、親代わりだかなんだかしらないけど、自由時間もなく拘束されて。 それじゃぁ奴隷みたいだよ、リュカ」
ズキンと痛む心には気づかないふりをした。それでもあの屋敷を出て寮にいられるのだからまだマシなのだ。リュカは自分に言い聞かせる。
人混みを離れると、リュカの存在に気づいた周囲の視線を感じた。「おい、お姫様が珍しく外に出てるぞ? 声をかけてみねぇ?」「やめとけって、エロア魔法師団長に目ぇ付けられるぞ」「てか、エロア師団長の愛人って噂、マジなの?」と笑いながら話す騎士団員の声が聞こえた。リュカは魔術師団の制服のフードを被り顔を隠す。
「認識阻害魔法使っちゃえば?」
あまりの下卑た噂話に、ギーがぼそりという。
「王宮の敷地内は原則禁止だから……」
「少しくらい大丈夫だと思うけどな。 それにしても、君も色々大変だねぇ…」
憐れむように背後でため息を付いた。
「はは…違うんだけどな…」
口先だけで笑っては見たものの、顔はひきつっていた。騎士団に入ればヴァレルもリュカの噂を聞くのだろう。そして口では否定しているものの、それは根拠のない噂ではない。
来たときの高揚感を忘れて、心は沈んでいく。
(早く研究室に戻って、終わらせなきゃ…)
リュカは、魔塔でポーションや薬の研究開発をする仕事をしていた。
(無心に仕事をしていれば、こんなモヤモヤもきっと忘れられる。 いつもそうやって自分の心と折り合いをつけてきたじゃないか)
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