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3.新太のやさしさ
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「ちょっと散らかってて恥ずかしいけど、寒いんでどうぞ」
部屋に入ると新太はすぐにエアコンのスイッチを入れた。
コンビニから駅方面へ徒歩5分程度の場所にある4階建て1LDKのオートロックマンション。
駅近くの築浅。洋室部分が12帖もある。
帰り道でされた自己紹介では、彼はK大に通う学生で、来春から社会人になるらしい。もう既に内定は出ているが、このマンションから通うようか、もう少し会社に近いところに引っ越すか迷っているようだ。
夜、よくバイトのシフトが入っていたので、学生が住むような1Kのアパートを想像してたが、かなり贅沢な部屋に住んでいる。K大生はお金持ちが多いと言うし、新太の実家もそうなのかもしれない。
あんなにバイトする必要あったのかと疑問を口にすると、バイトの方は、先輩から「人手が足りない」と誘われてはじめたものの、ずっと人手不足が解消せず、オーナーに頼まれて続けているだけらしい。新太は見た目だけでなく、性格も好青年のようだ。
散らかっているといった割には、全然散らかっていないシンプルでスッキリとした部屋。
シンクに、出かける前に食べたらしき1食分の食器が入っているのと、カーテンレールに洗濯物が干してあること。あとベッドの上にジャージが脱ぎ捨てられていたことを言っているのだろうか。
ふと彼女のことを思い出す。
家事全般が苦手で、買い物好きで、いつも片付けは聖人の仕事だった。少し神経質な聖人は、時々イライラして注意してしまうのだが、いつもあまり気にする様子がなかった。そんな彼女のおおらかで、明るく天真爛漫なところが好ましく思っていたのだが。
新太は「身体が冷えているだろうから」とすぐにお風呂に湯を張り、聖人を先に入れてくれた。
聖人もさっさとこのサンタの服を脱ぎたかったので、好意に甘えることにした。
温かい湯に浸かって、腫れた目元を温めると、はぁっと思わずため息が出て、今日起きたことを少し冷静に見れるようになってきた。とりあえず、最悪の気分は脱したようだ。
彼女と付き合い始めて2年。『男らしくしなきゃ』と肩肘張って、無理していたのかもしれない。
二人のメッセージは無視したままだが、もうヨリを戻すのも、友達に戻るのも無理だということだけは、はっきりとわかっていた。
「来栖くん、お風呂お先にありがとう。なんか、色々と本当にごめん。でも、君のおかけで少しスッキリしたよ」
コンビニで買ってきた新しいパンツを履き、新太のスエットを借りる。背の高い彼の服は、聖人にはすこしサイズが大きくて手足が余った。
一瞬ぽかんとした新太はすぐにフライパンに目を戻した。
新太の顔が少し赤いのは、部屋が温まってきたからかな、と聖人は思った。
*
「たいしたもの作れなくてすみません。次回はもっと気合い入れるんで」
突然来て、なんの用意もなかったはずなのに、新太は冷蔵庫にあったウィンナーと玉ねぎ、ピーマン、ケチャップを手際よく混ぜて、ナポリタンスパゲッティを作ってくれた。
聖人がコンビニで買った唐揚げやチーズ、スナック菓子も少しずつ皿に盛り付けられていて、ますますお育ちの良さを感じる。
「新太くん、すごいね。料理も上手なんだ。…なんか、色々お世話になってしまってホントごめんね」
「いえ、ホント年末年始実家帰る予定なんで、食材とかなんにもなくて。それに、お酒とか、いっぱい買ってもらっちゃってすみません。あ、とりあず乾杯しましょうか?」
買ってきたビールの缶を開けると、プシュッと軽い音がした。
「こんなかっこ悪い俺を助けてくれた来栖くんに感謝、かな?」
そういって、苦笑いしながら缶を軽く合わせると「聖人さんはかっこ悪くなんか絶対ないです!」と新太が言葉をかぶせてきた。
*
初めの緊張はどこへやら、新太との会話は意外と居心地が良かった。
ナポリタンも美味い。素直に感想を言うと、新太は照れて笑った。かわいい。さぞかしモテるだろうな。
興味のあるお年頃だからなのか、意外と聖人の恋愛話をぐいぐい聞いてくる。
「まぁ、僕がだめなんだよ…」
缶を握りしめながら、ぽろりと本音が飛び出してくる。まだ350ml2缶しか飲んでいなかったが、気持ちが落ち込んでいる時は、酔っていなくても愚痴が出てくる。
「なんで?聖人さんは被害者で、全面的にあの二人が悪いじゃないですか!」
「そうなんだけどさ、色々あるんだよ。彼女が僕に不満を持った気持ちもわかるし」
気づかないふりをして、衝突を避けていたが、彼女とはギクシャクしていた。なにか言いたげな彼女に対し、それを言わせないようにしていたのは聖人だ。
付き合っているだけの時は良かったが、一緒に住み始めたらそれはますます顕著に出てきた。それでも子供でもできれば結婚のきっかけになると思ったのだが。だが、聖人には致命的な欠陥があった。
「じゃぁ許すんですか?」
新太がムッとした。聖人の代わりに怒ってくれているのだろう。良い子だ。
「いや、どんなに謝られても、ヨリ戻すのはムリだけどね。それに僕がいなくなれば二人で付き合うんじゃないかな」
さっききたメッセージのことは伏せておいた。もう聖人の気持ちは決まっていたが、二人と話をしたりメッセージをやりとりする気力は湧かなかった。性格があわなくて別れることと、裏切っていたこととは別の問題だ。
新しい部屋探しやら、引っ越しやら、忙しくなるな、なんて他愛もないことを喋っていた。
「俺の話はもういいよ。来栖くんの話してよ。こんなイケメンなのにクリスマスイブに予定なかったの?君と過ごしたいって言った人たくさんいたでしょ?」
「う~ん、俺、理想の相手が難しいっていうか…告白されて付き合ったことはあるんですけど、なかなか、好きな人とは両思いになるのが難しくて。俺のこと絶対好きになるはずがないようなタイプの人を好きになっちゃうんで…好きな人には告白できないまま、毎回片思いで終わっちゃうんですよ」
(来栖くんを好きになるはずがないタイプ?人妻とか幼女とか?寝取り系?それとも二次元?……はないか。部屋にそれらしきものはないもんな)
「はは、来栖くんみたいな完璧な人でもそんな悩みがあるんだねぇ。なんか親近感かんじちゃうなぁ。…まぁ、君は若いし、これからいろんな出会いもあるよ。僕みたいにあまり慣れてないと、こんなことになるからねぇ…昔は『好きな人と一緒にいたい』と思っていただけのはずだったんだけど、世の中に合わせようとするのは難しいね…」
ふと言いながら昔の恋愛を思い出した。
「好きな人…あの彼女さんですか?そんなに好きだった?」
新太は苦しそうな複雑な表情を浮かべた。
「あぁ、彼女は…そうだな…こんなこと言ったら軽蔑されるかもしれないけど、違うんだ。その…彼女とだったら『普通の家庭』を作れるかと思って…」
「普通の家庭?」
「うん…そんな打算があったから、彼女にも伝わったのかもしれないな。だから彼らに憤る気持ちももちろんあるんだけど、ちょっと自業自得なのかもしれないと思う気持ちもあって…。頑張ってみたけど、僕にはやっぱりはムリなんだろうなぁ」
酔っていた勢いもあって、ぽつりぽつりと昔話をしていく。新太は相槌を打ちながら静かに聞いてくれた。
「彼女の前に長く付き合ってた人がいたんだけど、『子供がほしい』って言われて別れたんだよ。『普通の家庭がほしい』って。僕とじゃ作ってあげられなかったからねぇ」
新太は悲しそうな表情を浮かべた。きっと「子種がない」とかそういう意味に捉えているんだろう。
「それを彼女さんは知ってたの?」
「いや、彼女には言っていないよ。彼女となら大丈夫かと思って隠してたんだ。だから僕にも負い目があってね」
そう、僕はずるいんだ…。ゲイであることを彼女に隠して付き合っていた。
彼女が不安がるのも、浮気してしまうのもしょうがない。
「でも、聖人さんは彼女さんと頑張って向かい合ったわけでしょ?彼女さんが忙しければ、お弁当買っていったり、週末料理作ってあげたり…大体、いい年して『サンタさんにプロポーズされたい』とか、ちょっと夢見がちすぎじゃないですか!?浮気相手もサンタのコスプレとか、ちょっと調子乗ってません?」
新太も酔いが回ってきたのか、口調がだんだんきつくなってきて、聖人の代わりに怒り始める。
よく知らない相手より、眼の前にいる聖人を慰めようと必死なのだろう。人が怒ると逆に冷静になり、ちびちびと缶に口をつけながら聞いていた。
「はは、僕の代わりに怒ってくれてありがとう。でもさ、僕もよくわからないから、女性ってみんなそんな感じなのかと思って。そりゃ来栖くんみたいなイケメンだったら向こうが寄ってくるから合わせなくてもいいだろうけど」
「はぁ!?聖人さん、今までどんな子と付き合ってきたんですか?優しすぎて合わせすぎたから相手の子つけ上がったんじゃないですか?そんな子ばかりじゃないですよ!聖人さんなら絶対もっといい子いますって!!」
「そ、そうかな。女性と付き合うのなんてはじめてでよくわからなくて…そんなもんかと…」
(だから、友達に相談してて、話が筒ぬけ。裏切られたわけだけど)
「え?はじめて?」
「……え?」
酔いが回っていたのかもしれない。新太に指摘されるまで自分の発した失言に気づかなかった。
部屋に入ると新太はすぐにエアコンのスイッチを入れた。
コンビニから駅方面へ徒歩5分程度の場所にある4階建て1LDKのオートロックマンション。
駅近くの築浅。洋室部分が12帖もある。
帰り道でされた自己紹介では、彼はK大に通う学生で、来春から社会人になるらしい。もう既に内定は出ているが、このマンションから通うようか、もう少し会社に近いところに引っ越すか迷っているようだ。
夜、よくバイトのシフトが入っていたので、学生が住むような1Kのアパートを想像してたが、かなり贅沢な部屋に住んでいる。K大生はお金持ちが多いと言うし、新太の実家もそうなのかもしれない。
あんなにバイトする必要あったのかと疑問を口にすると、バイトの方は、先輩から「人手が足りない」と誘われてはじめたものの、ずっと人手不足が解消せず、オーナーに頼まれて続けているだけらしい。新太は見た目だけでなく、性格も好青年のようだ。
散らかっているといった割には、全然散らかっていないシンプルでスッキリとした部屋。
シンクに、出かける前に食べたらしき1食分の食器が入っているのと、カーテンレールに洗濯物が干してあること。あとベッドの上にジャージが脱ぎ捨てられていたことを言っているのだろうか。
ふと彼女のことを思い出す。
家事全般が苦手で、買い物好きで、いつも片付けは聖人の仕事だった。少し神経質な聖人は、時々イライラして注意してしまうのだが、いつもあまり気にする様子がなかった。そんな彼女のおおらかで、明るく天真爛漫なところが好ましく思っていたのだが。
新太は「身体が冷えているだろうから」とすぐにお風呂に湯を張り、聖人を先に入れてくれた。
聖人もさっさとこのサンタの服を脱ぎたかったので、好意に甘えることにした。
温かい湯に浸かって、腫れた目元を温めると、はぁっと思わずため息が出て、今日起きたことを少し冷静に見れるようになってきた。とりあえず、最悪の気分は脱したようだ。
彼女と付き合い始めて2年。『男らしくしなきゃ』と肩肘張って、無理していたのかもしれない。
二人のメッセージは無視したままだが、もうヨリを戻すのも、友達に戻るのも無理だということだけは、はっきりとわかっていた。
「来栖くん、お風呂お先にありがとう。なんか、色々と本当にごめん。でも、君のおかけで少しスッキリしたよ」
コンビニで買ってきた新しいパンツを履き、新太のスエットを借りる。背の高い彼の服は、聖人にはすこしサイズが大きくて手足が余った。
一瞬ぽかんとした新太はすぐにフライパンに目を戻した。
新太の顔が少し赤いのは、部屋が温まってきたからかな、と聖人は思った。
*
「たいしたもの作れなくてすみません。次回はもっと気合い入れるんで」
突然来て、なんの用意もなかったはずなのに、新太は冷蔵庫にあったウィンナーと玉ねぎ、ピーマン、ケチャップを手際よく混ぜて、ナポリタンスパゲッティを作ってくれた。
聖人がコンビニで買った唐揚げやチーズ、スナック菓子も少しずつ皿に盛り付けられていて、ますますお育ちの良さを感じる。
「新太くん、すごいね。料理も上手なんだ。…なんか、色々お世話になってしまってホントごめんね」
「いえ、ホント年末年始実家帰る予定なんで、食材とかなんにもなくて。それに、お酒とか、いっぱい買ってもらっちゃってすみません。あ、とりあず乾杯しましょうか?」
買ってきたビールの缶を開けると、プシュッと軽い音がした。
「こんなかっこ悪い俺を助けてくれた来栖くんに感謝、かな?」
そういって、苦笑いしながら缶を軽く合わせると「聖人さんはかっこ悪くなんか絶対ないです!」と新太が言葉をかぶせてきた。
*
初めの緊張はどこへやら、新太との会話は意外と居心地が良かった。
ナポリタンも美味い。素直に感想を言うと、新太は照れて笑った。かわいい。さぞかしモテるだろうな。
興味のあるお年頃だからなのか、意外と聖人の恋愛話をぐいぐい聞いてくる。
「まぁ、僕がだめなんだよ…」
缶を握りしめながら、ぽろりと本音が飛び出してくる。まだ350ml2缶しか飲んでいなかったが、気持ちが落ち込んでいる時は、酔っていなくても愚痴が出てくる。
「なんで?聖人さんは被害者で、全面的にあの二人が悪いじゃないですか!」
「そうなんだけどさ、色々あるんだよ。彼女が僕に不満を持った気持ちもわかるし」
気づかないふりをして、衝突を避けていたが、彼女とはギクシャクしていた。なにか言いたげな彼女に対し、それを言わせないようにしていたのは聖人だ。
付き合っているだけの時は良かったが、一緒に住み始めたらそれはますます顕著に出てきた。それでも子供でもできれば結婚のきっかけになると思ったのだが。だが、聖人には致命的な欠陥があった。
「じゃぁ許すんですか?」
新太がムッとした。聖人の代わりに怒ってくれているのだろう。良い子だ。
「いや、どんなに謝られても、ヨリ戻すのはムリだけどね。それに僕がいなくなれば二人で付き合うんじゃないかな」
さっききたメッセージのことは伏せておいた。もう聖人の気持ちは決まっていたが、二人と話をしたりメッセージをやりとりする気力は湧かなかった。性格があわなくて別れることと、裏切っていたこととは別の問題だ。
新しい部屋探しやら、引っ越しやら、忙しくなるな、なんて他愛もないことを喋っていた。
「俺の話はもういいよ。来栖くんの話してよ。こんなイケメンなのにクリスマスイブに予定なかったの?君と過ごしたいって言った人たくさんいたでしょ?」
「う~ん、俺、理想の相手が難しいっていうか…告白されて付き合ったことはあるんですけど、なかなか、好きな人とは両思いになるのが難しくて。俺のこと絶対好きになるはずがないようなタイプの人を好きになっちゃうんで…好きな人には告白できないまま、毎回片思いで終わっちゃうんですよ」
(来栖くんを好きになるはずがないタイプ?人妻とか幼女とか?寝取り系?それとも二次元?……はないか。部屋にそれらしきものはないもんな)
「はは、来栖くんみたいな完璧な人でもそんな悩みがあるんだねぇ。なんか親近感かんじちゃうなぁ。…まぁ、君は若いし、これからいろんな出会いもあるよ。僕みたいにあまり慣れてないと、こんなことになるからねぇ…昔は『好きな人と一緒にいたい』と思っていただけのはずだったんだけど、世の中に合わせようとするのは難しいね…」
ふと言いながら昔の恋愛を思い出した。
「好きな人…あの彼女さんですか?そんなに好きだった?」
新太は苦しそうな複雑な表情を浮かべた。
「あぁ、彼女は…そうだな…こんなこと言ったら軽蔑されるかもしれないけど、違うんだ。その…彼女とだったら『普通の家庭』を作れるかと思って…」
「普通の家庭?」
「うん…そんな打算があったから、彼女にも伝わったのかもしれないな。だから彼らに憤る気持ちももちろんあるんだけど、ちょっと自業自得なのかもしれないと思う気持ちもあって…。頑張ってみたけど、僕にはやっぱりはムリなんだろうなぁ」
酔っていた勢いもあって、ぽつりぽつりと昔話をしていく。新太は相槌を打ちながら静かに聞いてくれた。
「彼女の前に長く付き合ってた人がいたんだけど、『子供がほしい』って言われて別れたんだよ。『普通の家庭がほしい』って。僕とじゃ作ってあげられなかったからねぇ」
新太は悲しそうな表情を浮かべた。きっと「子種がない」とかそういう意味に捉えているんだろう。
「それを彼女さんは知ってたの?」
「いや、彼女には言っていないよ。彼女となら大丈夫かと思って隠してたんだ。だから僕にも負い目があってね」
そう、僕はずるいんだ…。ゲイであることを彼女に隠して付き合っていた。
彼女が不安がるのも、浮気してしまうのもしょうがない。
「でも、聖人さんは彼女さんと頑張って向かい合ったわけでしょ?彼女さんが忙しければ、お弁当買っていったり、週末料理作ってあげたり…大体、いい年して『サンタさんにプロポーズされたい』とか、ちょっと夢見がちすぎじゃないですか!?浮気相手もサンタのコスプレとか、ちょっと調子乗ってません?」
新太も酔いが回ってきたのか、口調がだんだんきつくなってきて、聖人の代わりに怒り始める。
よく知らない相手より、眼の前にいる聖人を慰めようと必死なのだろう。人が怒ると逆に冷静になり、ちびちびと缶に口をつけながら聞いていた。
「はは、僕の代わりに怒ってくれてありがとう。でもさ、僕もよくわからないから、女性ってみんなそんな感じなのかと思って。そりゃ来栖くんみたいなイケメンだったら向こうが寄ってくるから合わせなくてもいいだろうけど」
「はぁ!?聖人さん、今までどんな子と付き合ってきたんですか?優しすぎて合わせすぎたから相手の子つけ上がったんじゃないですか?そんな子ばかりじゃないですよ!聖人さんなら絶対もっといい子いますって!!」
「そ、そうかな。女性と付き合うのなんてはじめてでよくわからなくて…そんなもんかと…」
(だから、友達に相談してて、話が筒ぬけ。裏切られたわけだけど)
「え?はじめて?」
「……え?」
酔いが回っていたのかもしれない。新太に指摘されるまで自分の発した失言に気づかなかった。
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