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じゃぱにーずかるちゃーいずくーる9
しおりを挟む攻略したダンジョンの事やら蒼白君の事やら面倒事をベルに丸投げしてから俺達はコアルームを後にした。
ダンジョンの出口に向かう途中で番長と助手ちゃんと合流してからダンジョンを脱出し、ダンジョン周辺と街の中に残党が居ないか確認してから今後の方針を話し合った。
結論としては流石に人手が足りないので、応援を呼ぶという事になった。
俺達5人が各自別れて怠惰ダンジョンと暴食ダンジョンから派遣される人員と共に5部隊で中国の都市部を中心に開放していく事になった。
それに伴ってスーツを着ている5人と魔装装備の俺は一時的に部隊長の役を務める事になった。
俺の部隊は龍人4名と俺の計5人の何でも熟せる万能な武者部隊。
千尋は獣人4名を加えた計5名の近接特化の赤色部隊。
純は翼人4名を加えた計5名の飛行特化の白色部隊。
リーダーはエルフルズ5名の魔法特化の青色部隊。
番長は鬼人娘衆5名の隠密特化の黒色部隊。
助手ちゃんはドワーフのみで構成された工兵特化の黄色部隊。
助手ちゃんと番長のスーツは部隊の特性上隠密特化である鬼人娘衆に黒いスーツをつかってもらいたかったので交換してもらった。俺の単なる拘りと我儘に付き合ってくれて本当に感謝している。
俺が率いる武者部隊は全員鎧着用だが、各部隊員にはそれぞれ各部隊の色の衣装を着て貰っている。
武者部隊以外の部隊員は只の布装備なのがちょっと可哀そうだが、実力的には申し分ないので問題は無い。
正直特化した部隊編成よりも混成部隊を組んだ方が効率は良いかもしれないが、混成部隊にすると連携や意思疎通で中々に面倒な事が分かったのでこういう分け方にした。
龍人と翼人は結構面倒な奴が多いという事が知れて良かったのかもしれない。
☆ ☆ ☆
俺達武者部隊の担当は中国の中心部から渦巻き状に攻略していく事になった。
他の部隊は東西南北に別れている。
「はぁ……」
本当なら混成部隊にしてバランスの良い部隊を5個作る予定だったが、龍人種と翼人種の仲が悪く、結果こういう編成になった。
詳しくは聞いていないが、仲が悪い理由は単純にご近所トラブルらしいので暴食ダンジョンの管理をしているルゼには是非ともこの二種族の関係改善には尽力して貰いたい所ではある。
ダンジョン外のモンスターを間引いてから、新たに見つけたダンジョンを攻略しながら暇つぶしに翼人種と揉めている事について質問していく。
「えっと……ゴンタだっけ?何があってそんなに翼人種と揉めてるんだ?」
龍人種で一番腕の立つゴンタと云う青年に声を掛ける。
「はっ!それはあやつらが街のルールを守らないからであります!」
角と翼と尻尾が特徴的な龍人種の青年は気持ちの良い返事を返してくれた。
「ルールねぇ……例えば?」
彼らが暮らす暴食ダンジョンの街にはいくつか定められたルールが存在するらしいが、俺も詳しくは知らない。
「はっ!主にゴミと騒音に関して翼人種の奴らとは揉めております!奴らは何度注意しても一向に改善しない上に文句を付けてくるのであります!奴らは自由というものをはき違えているのであります!」
「ゴミと騒音問題か……翼人種はどんなルールを破ってるんだ?」
日本でもゴミトラブルや騒音トラブルは日常茶飯事だが、龍人種と翼人種でもそういうトラブルが起きるもんなんだな。
「はっ!奴らは飛べます、そして飛びながら飯を食うのであります。それ自体は特に文句は無いのですが、食べこぼしたものが地上に落ちたり建物の上に落ちたりしても奴らは掃除をしないのであります!街のルールでは自分が汚した分は自分で掃除をするのがルールなのであります!これは当たり前の事ではありますが、奴らは自分達では無いと言い張るのであります!むしろ飛ぶ事が出来る龍人がやった事だと言い張る不届きもの共なのであります!」
「確かにそれは良くないなぁ……騒音は?」
街で自由に暮らすのは良いが、自分達が汚したのであれば
自分達が綺麗にするのは当たり前の事だと俺も思う。
「はっ!奴らは歌を歌うのが好きな者が多く、非常に上手なのは良いのですが合唱するととてもうるさいのであります!一人が歌い出すと他の者も達も歌い出して終いには大合唱が毎日開催されるのであります!うるさくて仕方がないのであります!朝早くから夜遅くまで奴らの歌が聞こえてない時間が無いのであります!歌を歌うのは問題では無いですが、我々が寝ている時間ぐらいは歌うのを辞めて欲しいのであります!街のルールでも騒音はなるべく立てないというのがあるのであります!」
「あー……そういう騒音か……まぁ朝とか夜だけでも勘弁してもらいたいよなぁ」
「はっ!流石は怠惰の長であります!我々の気持ちが分かって貰えて嬉しいであります!他の種族の方々はあまり気にならないと言うのでありますが……共感して貰えて何よりであります!」
「ルゼには言ったのか?」
「……一応相談はしたのでありますが、何も解決策は見出せていないようで放置されているであります」
「なるほどなぁ……一応俺からもベルとルゼに伝えておくよ。もしかしたら俺が言えば少しは改善されるかもしれないし」
「感謝であります!」
その後もゴンタや他の龍人とお喋りをしながらダンジョンを攻略していく。
蒼白君のような奴が居ないダンジョンはとてもスムーズに攻略が出来てとても楽だ。
やはり頭の良い奴が一人居るだけでダンジョンの攻略難易度はかなり異なってくるみたいだ。
街に出てきているモンスターの数も少ないのでかなりの速度でダンジョン攻略が出来ている。
他の部隊はどんな感じか後で聞いてみよう。
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