怠惰の大罪を背負ったけど何の因果か同時に娯楽神の加護を授かったおかげで働いたら負けの無敵状態になってゲーム三昧

きゅーびー

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じゃぱにーずかるちゃーいずくーる1

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 日本には特殊撮影技術という手法を用いて作られる映像作品が数多くある。

 時代とともに映像関係の技術も進化し、CGという新たな技術が開発され、最初こそ嘘くさい表現しか出来なかったCG技術も今では本物と見分けがつかない程のクオリティが実現出来るようになり、必要な経費も段々と少なくなって来た事で特撮というものは時代遅れのような風潮が出てきた昨今。

 最近ではCGと特撮の両方を用いて作られている事も増えた特撮系作品、その中でもヒーロー系の作品は今なお人気を博しており根強いファンも多い。

 そんな特撮系作品でも戦隊物のヒーローに憧れた子供達は多いと思う。

 そんな戦隊物のヒーロー達に多いのは変身や変装といったように顔や体を隠して悪と戦う物語であり、これは俳優、女優がヒーロー系作品で必要なアクションシーンをスーツアクターの方々と入れ替わって撮影する事でより良い作品にする事が出来るという利点がある。

 他にも玩具にしやすく、利益を生みやすい等の理由もある。

「遂にあのスーツが活躍する時が来たな……」

 子供の頃に憧れたヒーロー。

 そんな童心時代の憧れと大人になってからの趣味から自分の考えたデザインのヒーロースーツをベルに無理言って作って貰った、そのヒーロースーツが遂に役立つ時が来た。

 研究施設に置いてあるので意気揚々とヒーロースーツを取りに
 行く間、ワクテカが止まらなかった。


 ☆ ☆ ☆


 研究施設の一室に飾ってある全5色のヒーロースーツ。

 赤、青、黄、黒、白の忍者風の如何にもなデザイン。

 我ながら良いデザインだと思う。

 本当なら武器も作りたかったのだが、あんまり無理を言っては申し訳無いので流石に自重した。

「果たして皆はこれを着てくれるのだろうか……」

 俺は少し恥ずかしいが、男だし顔も見えないので割と平気だが、女性となるとちょっと抵抗がありそうなデザインではある。

「とりあえず着てもらえるように頼み込もう!」

 鼻息荒めで早速我が家へと戻る。

 帰り道はテンションが高いせいかいつもよりも早い速度が出ていた気がする。



「ただいま!衣装を持ってきたぞ!とりあえず着てくれ!」

 居間に戻るなり開口一番でコスプレ衣装を手渡していく。

 赤は千尋。

 青はリーダー。

 黄は番長。

 白は純。

 黒は助手ちゃん。

 それぞれに配って反応を窺う。

 配色は俺の勝手なイメージで決めた。

「ふむ、赤い忍者風スーツか……ダサいな」

「前にベル様と作った衣装ですね」

「ふぉー!かっけぇっすね!忍者っすよ!」

「……これはちょっと嫌かなぁ」

「……黒」

 番長の反応は上々。

 千尋と純は嫌そうだ。

 リーダーと助手ちゃんは開発に携わっていたので知っているのであまり忌避観は無さそうだ。

 やはりこういう物は男の方が好きなのだろうか。

「嫌か?」

「「嫌!」」」

「私は別に構いません。着替えますね」

「着替える……」

「最高っす!パネェっす!」

 嫌がる千尋と純の横でリーダーと助手ちゃんはヒーロースーツに着替えてくれるようだ。

「「変身」」


 リーダーと助手ちゃんが服を持ちながら呟くとヒーロースーツが二人を包み込み、一瞬で変身完了した。

「おぉー!やっぱ良いなぁ!これこれ!この感じ!ちょっとダサいこの感じ!最高!いやぁ、作っといて良かったぁ!」

 青と黒のヒーロースーツに身を包んだ二人が最高に恰好良い。

 着脱は念じながらワードを呟くだけで良いし、一瞬で変身出来るのでマジで最高。

 サイズも自動調整機能付きで小さい助手ちゃんでもピッタリフィット。

 最高にクールなヒーロースーツに仕上がっている。

「ピッチピチだな。それにダサい」

「うーん……これはちょっと無理かなぁ」

「なるほど……そうやって着替えるんすね!変身!」

 嫌悪感丸出しの千尋と純を他所に番長が変身した。

「どうっすか!恰好良いっすか?」

「最高!」

 サムズアップを返しながら番長を誉め称える。

 番長にはこのカッコ良さが伝わったようで何よりだ、今度番長には特撮作品を見せてあげよう。

 残りは我が嫁二人。

「何処が気に入らないんだ?」

「ピッチピチ」

「シンプルにダサいかな……ごめんね?」

 千尋的にはピチピチで体のラインが丸わかりな所が嫌で、純的にはシンプルにダサいのが嫌みたいだ。

「仕方ないか……じゃあ赤は俺が着るとして、白は英美里かベルに頼もう……」

 別に二人が着なくても俺とか他の人に着てもらって中国に溢れ出したモンスターを狩れば問題は解決する。

「……他には無いのか?」

「英美里かベルが行ってくれるなら私は別に問題無いかな!」

 千尋に他のスーツが無いか問われたが、残念ながら無い。

「あるのはこの5着だな」

「そうか……仕方が無いか……変身」

 千尋は嫌々ながらも腹を括って変身をしてくれた。

 赤い忍者風のヒーロースーツを着た千尋。

 やはり最高にクールだ。

 女性的でありながらも、力強いのがひしひしと伝わってくる。

 赤はやっぱり千尋に限る。

「愛してるぞ!千尋!最高!世界一!」

「はぁ……案外、着心地は悪くないな」

「千尋ちゃん……もう!私も着るしか無い流れになっちゃってるよ!……変身!」

 千尋が変身した事で、変身する流れが出来てしまったので純がやけくそ気味に変身をした。

 空気が読めるというのはこういう時に不便だな。

「どう!?」

「最高!愛してるぜ!」

 俺は徐にスマホを取り出して、そのまま撮影会を始めた。

 自分がデザインしたヒーロースーツを着てくれた心優しい皆に感謝。






















「次はアーマーを試してくれ!」

「はい、アーマー!」

 リーダーがアーマーと唱えると、ヒーロースーツの各所に散りばめられた小さな装甲が大きくなり鎧の様にリーダーの体を覆った。

 これが魔装形態と名付けた姿であり、戦闘用のモードだ。

「こっちもカッコ良いけど、やっぱりスーツの時の方がヒーローっぽくて良いなぁ」

 魔装形態にしてしまうと甲冑姿になるので、ヒーロー感は薄れてしまうが防御面を考えるとどうしてもこの形の方が良いという結論に至ったので、残念だが仕方が無い事ではある。

「最初からこの姿だったら素直に着ていたのに……!」

「……スーツ状態って必要無いと思う!」

 何やら不満気な人も居るみたいだが、これは俺の趣味で作ってもらった物なので異論は認めない。





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