怠惰の大罪を背負ったけど何の因果か同時に娯楽神の加護を授かったおかげで働いたら負けの無敵状態になってゲーム三昧

きゅーびー

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夢を追うもの笑うもの25

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 情報取集にも飽きてきて、ゲームでも起動しようかと据え置き機の電源を入れた。

「そういえばシリーズ物の新作出ても買ってないの多いよなぁ……」

 ゲームは好きだが、何でもかんでも買える訳では無いので意外とシリーズ物のタイトルは途中で買うのを辞めている作品も多い。

「……偶にはメジャータイトルの新作でも買おうかなぁ」

『拓美君!起きてるかい?愛しの純様が今日の報告をしてやろうではないかぁ!くふふ!』

『起きてるよ、偉く上機嫌だな……酒でも飲んでるのか?』

『ちょっとしか飲んでないよー!ホントだよー!』

『まこちゃん、お疲れ様。純は結構飲んでるが……あまり気にしないでくれ』

 合宿中は旅館に泊まっているので多少は酒を飲むのは分かるが
、あまりハメを外し過ぎて問題を起こさないかが心配だ。

『飲むのは良いけど、あんまりはしゃぎ過ぎないようにな……そっちにはお偉いさんも来てるんだろ?』

『大丈夫だよー!千尋ちゃんが居るからねぇ!』

『まぁ私は飲む気は無いから良いが、純は一応冒険者協会のトップだからな……付き合いで飲まねばならない事もある。多少は多目に見てやってくれ』

『それもそうだな……それで、どうだった?合宿初日は』

『楽しかったよー!ウチのニュービー達が対抗意識メラメラ燃やしてて面白かった!くふふふふ!』

『特に藤堂がな……まぁ冒険者協会側で唯一の男だからな、少し気を張り過ぎているのやもしれんが今後が楽しみではあるな!』

 現状冒険者協会に所属しているダンジョン攻略組で唯一の男である藤堂には女性メンバーを守るという意思が芽生えているのかもしれない。

 それはとても良い事だと思うし、成長していく為の糧になるだろう。

『PCHの加護持ちはどうだった?』

『んー……まだ何とも言えないね!レベリングも人数が多いから、あんまり上手く回せてないしスライムとはいえモンスターを倒した経験が無かったからね!でも、ある程普は武器の練習はしてるみたいだったね!』

『獲物は一応統一しているみたいで、全員が模造刀を所持していたぞ。一応銃刀法には引っ掛からないらしいが、あれなら鉄の棒の方が良いと思うがな』

 模造刀とはいえ刀には変わり無い、という事は剣術をある程度習得していなければ真面に使うのは難しいだろう。

『まぁ冒険者協会の新人組は全員木刀だしな……模造刀よりかは扱いも雑で良いし、エルフ作の木刀だから強度も申し分無い』

『だよねー!だからレベリングの間、手の空いてる人は剣術を一馬さんと雅さんに教わってるよ!千尋ちゃんは残念ながら、レベリングのお手伝いしなきゃだから指導出来ないけどね!』

『出来れば私も剣術の指導をしたいが、こればっかりは私と純以外には出来ない事だからな……合宿も終盤に入れば私も指導に参加出来る筈だから、それまでは我慢だな!』

 合宿が終盤に入ると苛酷になる事が決定した瞬間だった。

『加護持ちの人の実力はウチの新人と比べてどうだった?』

『そだねー……やっぱり身体的な強度?スペック?が違うから、ウチの新人よりかは幾分かは強いね!』

 やはり練度が同じ程度であるならば、身体的にスペックが高い方が強いのだろう。

 だが、練度は本人の素質と努力である程度は埋められるので新人組には是非とも頑張ってもらいたい。

『確かにそうだが、日向に関しては加護持ち組の奴らよりも強いぞ!日向には戦闘のセンスがある!このまま戦闘勘を高めていければ、いつか私をも超える存在になるかもしれないぞ!』

『くふふ!確かに日向ちゃんの戦闘センスは高いけど、流石に千尋ちゃん程では無いと思うよ!まぁでも、今後の成長に一番期待出来るのはウチとPCHを合わせても日向ちゃんだろうね!』

 遠藤の評価はかなり高いようだ、だが俺はまだ半信半疑である。

『あの遠藤がなぁ……そういえば、PCHの加護持ちってなんの加護か分かる?』

『あぁ、一応鑑定で調べておいたぞ』

『教えてくれ』

『分かった』

 千尋にPCHの加護持ちの情報を聞きながら、メモに纏めた。


・馬場 秋豊 芸能神の加護
・加藤 大地 地神の加護
・岡本 慎之助 闇神の加護
・坂本 竜馬 光神の加護
・清風 卓也 風神の加護
・火野 鬼太郎 火神の加護


 ここに本来であれば純が居た筈だが、純は俺の勧誘によって怠惰ダンジョン側に来ている。

 そして今では冒険者協会という民間団体を組織する長になっている。

『純の加護が水神の加護で、馬場以外の加護がそれぞれ属性系の神の加護か……なんだか出来すぎな気もする、気にしても仕方ない事なんだろうけどな……』

『くふふふ!私もそう思ったよ!でも、もし仮に何者かの思惑とかがあったとしても今の私達じゃ、どうしようもないからね!あんまり気にしない方が良いかもね!』

『だな!』

『そうそう!それと、もう1つ不思議な事があってね!加護持ち組の年齢が私達含め、ほぼ全員が同世代なんだよ!加藤さんだけ、少し世代が上だったけどね!』

『へぇー……って事は、馬場も同世代なのか。もっと若いと思ってた』

 全てが全て何かしらの作為や思惑があるとは思わないが、何かしらの作為や思惑があるとは思う。

 それが誰のかは分からないし、何の為なのかも分からないが。

『ちなみに加護持ちで一番強かったのは?』

『加藤だな。他の奴らとは明らかにパワーが違う、伸びしろが一番あると私は思ってる』

 以外な回答が返ってきた、てっきり馬場が一番強いと勝手に思っていた。

『加藤か……ちなみに馬場はどうだった?』

『馬場か……あいつには戦闘のセンスが全く無いな。最初のスライム一匹を倒すのにどれだけ時間が掛かったか……度胸も覚悟も何も無いぞ、あいつは』

『そっか……まぁスキルが手に入ればまた変わってくるだろうから、今後に期待だな。馬場にはPCHを牽引していって貰わないといけないし』

『いや、今後は加藤がPCHを引っ張っていくだろう。彼が一番覚悟も度胸もある』

『えー!そうかなぁ?馬場君の方が私的には向いてると思うなぁ!有能だからといって、リーダーが務まる訳じゃないからね!加藤君は少し、独善的過ぎると思う!』

『今後どちらがリーダーの座に収まるかは分からないが、冒険者協会側としては話が分かる人間なら誰でも良いけどな』

 結局は別の組織なのだ、トップの座は誰だろうが問題無い。

 出来る事なら話が通じる相手の方が好ましいというだけの話だ。

























『それとね!千尋ちゃんが海外派遣がどうとかって話が海外では出てるみたいだけど、安相さんは千尋ちゃんの意思に反する事は絶対にしないって約束してくれたよ!千尋ちゃんを全面的に支援する方針らしいから、もしかしたら国連脱退も視野に入れるってさ!』

『それはまた……世界が荒れそうだな』

『私としては助かるがな』

 千尋の為に日本が国連を脱退するというのは流石に行き過ぎではあるが、無茶苦茶を言ってくる国連の言う事にはある程度は強気な態度を見せた方が良いとは思う。

 戦争に負けて以降外交で大人しくし過ぎたせいなのか日本という国を世界は勘違いしているんだろう、日本は温厚なだけで怒らない訳でも、黙っているだけでも無い。

 やると覚悟を決めた時の日本の恐ろしさを世界の国々は忘れてしまったのだろうか、伊達や酔狂で眠れる獅子と言われている国では無いのだ。

『ラストエンペラーと総理次第では、俺達も本気出しても良いかもなぁ……』

『それは、日本が世界と敵対したらの場合だけにしようね!』

『世界と戦える戦力はあれど、振るう機会は無い方が良いからな』

『まぁ平和が一番だよなぁ……』





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