怠惰の大罪を背負ったけど何の因果か同時に娯楽神の加護を授かったおかげで働いたら負けの無敵状態になってゲーム三昧

きゅーびー

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始まりは突然に10

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 <怠惰の業>のデメリット効果が思っていたよりも面倒な為その対策として色々考えるが良い考えが浮かばず、ベルに言われた通りにG-SHOPを開き昨日まで表示されて居なかったスキルとSPが増えているのを発見しベルに質問する。
「ベル、スキルが表示された理由とか知ってる?」
『はい、マスター取得可能条件を満たしたからです』
「つまり……取得できないスキルは一生表示されないってこと?」
『はい、マスターその通りです』
「そういう仕様か……」
 納得して数回首肯して再びベルに質問する。
「じゃあ、このSPが増えていた理由とかわかる?残SP5000あるんだけど」
『はい、マスター5000のうち2000はレベルアップの恩恵で間違いないのですが、残りは<怠惰の謳歌>の効果で得られたとしか分かりません』
「レベルアップの恩恵?」
『はい、マスター……レベルが上昇すると恩恵が得られます、肉体の強化や精神力の強化そしてSPの取得、SPは1レベルアップにつき1000ポイントが得られます』
「だから2000はレベルアップ恩恵ってことか、ちなみに肉体の強化とかって、どの程度強化されるの?」
『はい、マスター強化の程度は個人によって全くことなりますのでなんとも言えませんから、自分自身で判断するほかありませんし、コンディションや状況次第で変動しますので正確なものは不明です』
「なるほど、それでステータス画面はこんなにも情報量が少ないのか……」
 ベルの話を聞いて、ステータス画面の情報量の少なさに納得しつつも、アニメやゲームのように細かく表示されないステータスに心のどこかで落胆していた。
「そういえば、ステータス画面って他の人に見えるの?」
『いいえ、マスター見えません』
「良かった、<怠惰>スキルは他人にはバレたく無いしね」
『ですが、<鑑定>されれば他者にもステータスは見られてしまいます』
「駄目じゃん!鑑定対策もいずれはしないとな……」
 新しく対策すべき事が増えて面倒だが、現状どうしようもないので思考を取得可能になったスキルに切り替える。
「まぁとりあえずは取得可能になったスキルについて考えるか……」
 改めてG-SHOPに新しく表示されたスキルを眺める。

 G-SHOP
 スキル 
・ダンジョン用アバター作成 消費1000SP 
・アバター操作 消費1000SP

 「アバター関連のスキルが二つ……ベルはこのスキルについて何か知ってる?」
「いいえ、マスター申し訳ありませんが把握しておりません」
「そっか……まぁとりあえず取ってみるか」
 ベルからの情報も他に増えたスキルも無く消費SPもそこまで多くはないので、とりあえず取得することに決め、取得したいスキルを意識する。
「ダンジョン用アバター作成とアバター操作を取得……おぉ!スキルが増えてる!」
 自身のステータス画面にダンジョン用アバター作成とアバター操作が増えているのを確認出来て嬉しくなり気分も高揚する。

 児玉 拓美 LV3

 スキル 怠惰/ダンジョン用アバター作成/アバター操作 
          
 加護 娯楽神の加護

 G-SHOP

「さっそくアバターを作成しよう!」
 気分が高揚したままに何も考えずにアバターを作成すると視界に文字が浮かび上がる。
「アバターを作成しますか?勿論イエス!」
 イエスと言った瞬間目の前に裸の自分が現れた。
「ネイキッドかよ!……まぁそうか……そうだよな、うん」
『ご立派ですマスター』
「……アバター操作」
 高揚していた気分も落ち着き、今度はアバター操作を使用する。
「なるほど……視点は一人称、ただ自分の視覚とアバターの視覚は切り替える感じで意識しないと頭がごちゃごちゃするな……操作は自分の体を動かすのと変わらない感じだな、凄いなこれ!……自分が動きながらアバターも動かせるけど……難し過ぎるだろ……脳味噌2つ要るぞこれ!……解除!」
 作成したアバターを操作してみるが、自分とアバターを同時に動かすのは至難の技だと思い諦め、アバターの操作に集中し、軽く動作確認を行ってスキルを解除する。
「これはヤバイな!面白過ぎる!自分がもう一人居てそれを操作出来る!まるでアニメやゲームのVRゲームみたいだ!まさか自分が生きている間にこんな事が体験出来るなんて……最高かよ!」
『良かったですねマスター、マスター私もアバターが欲しいです……』
「そうか!これでもう一体アバターを作れば……あれ?出来ないな?」
 ベルの為にアバターをもう一体作ろうとするが、ダンジョン用アバター作成スキルは何の反応も返さない。
「ベルすまない、無理みたいだ……一体しか作成できないってことか?」
『はい、マスター私の為にありがとうございます、残念でしたが肉体を得る為の良いヒントを頂きましたので私もDPを使って同じような事が出来ないか考えてみます』
「うん!ベルの判断でDPは好きにして良いから色々試してみればいいよ!ベルが肉体を得られれば俺も嬉しいしね」
『はい、マスター』
 いつか、ベルと一緒に何処かに出かけたり出来るといいなと思いながら、アバターについて再度考える。
「アバターって維持するのに何か必要なことがあるのかな?飯とか飲み物とか必要だったら面倒だけど……後はアイテムボックスに収納できるのか試すか」
 維持に必要なコストやアイテムボックスに収納出来るのか試してみることにした。
「アイテムボックス!」
 アバターの隣に黒い靄が現れ、その中にアバターを入れようと試みるとすんなりと収納することが出来た。
「収納可能で良かった!後は維持コストだけど……とりあえず何か食べられるか試すか……」
 アイテムボックスからアバターとお菓子を取り出してアバターを操作してお菓子を一口食べてみる。
「んん?食べられるみたいだけど……味のフィードバックはしないのか……ちょっと残念だな」
 アバターで物を食べる事は出来たが、味覚は感じないと分かり少し残念な気持ちになるが、結局維持コストが必要なのか不必要なのかは不明なままだった。
『そういえばマスター、<怠惰の業>対策はどうするのですか?』
 ベルに言われ当初の目的を思い出す。
「あぁそれなぁ……ダンジョンから出なければアバターで何とかなると思うんだけど……ダンジョン外が問題なんだよな……」
『アバターで何とかなるとは?何かお考えが?』
「考えはあるよ、アバター操作が娯楽判定になりさえすれば良いだけだからね、ダンジョン内では作業を全てアバターで行えば<アバター操作=娯楽=怠惰>になるはずだからね!これで駄目ならまた他の対策を考えるよ……まずは検証しないとね!」
『それならばアバター操作を行……いえ、何事も検証は大事ですよね!』
 ベルが何か言い淀むが今の俺は一刻も早く家に帰り検証がしたくてうずうずしており<アバター操作=娯楽=怠惰>の式が成り立てばダンジョン内でのデメリットは全て解決すると確信めいた予感がしていた。

「良し!一旦家に帰って料理でもして検証するよ!」
 ベルに別れを告げ意気揚々と俺は検証をする為に一度家に帰る事にした。







『あんなに楽しそうなマスターに水を差すわけにはいきませんよね……』
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