1日休んだだけなのに

第３章 ボーリングに行っただけなのに

3-3 二人ともお仕置きです

「入ってもいいですか」

「どうぞ」

　新井がドアをゆっくり開けて、入ってきた。

「加奈子先生、１組の新井優子です。清水先生に言われて来ました」

　加奈子先生は僕たちの二人の前に立ってこう言った。

「二人共、昨日、生徒だけでボーリングに行きましたね」

　僕たち二人は顔を見合わせた。

「いいえ、先生。保護者同伴でした。佐竹くんの両親が来てたはずです」

「新井さん、来てたはずとはどういうことですか？来ていたことを確かめましたか？佐竹君は認めましたよ。生徒だけで行ったと」

　僕たちは言い返せなかった。……そうなんだ。親がどの人なのか確かめもしなかった。もしかすると、いなかったとしてもおかしくない。そう考えると、何も言えなかった。

「二人共お仕置きを受けてもらいます。特に新井さん、あなた一ヶ月前のこともありますから、今日は許しませんよ」

　二人共と聞いて、僕は反射的に新井をかばおうとした。そして取り返しのつかないことを言ってしまったのだ。

「先生、お仕置きは僕が受けます。新井さんの分も僕が……」

「そう、本当にいいのですね。新井さんもいいですか」

　加奈子先生が恐ろしい目つきで僕たち二人を見てきた。

　新井は下を向いたままだった。