1日休んだだけなのに

第1章 保健室に呼ばれただけなのに

1-1 呼び出し

　風邪で学校を休んだ次の日、僕は保健室に呼ばれた。

　保健室に入ると、保健室の先生(加奈子先生)と理科の沙知代サチヨ先生が待っていた。

「２年２組の中川君ね。昨日身体測定休んだでしょう？　測るから裸になって」

　僕はその時体操服を着ていないことに気づいた。

　僕たちの学校では、体操服の短パン一枚で身体測定を受けることが、きまりになっていた。

　体操ズボンを忘れたらパンツ一枚にさせられる。……なんてことを聞いたことがあったが、中学2年生の男子に、パンツ一枚になれなんて言わないだろう思い、とりあえず上半身だけ裸になって、靴下を脱いだ。

「中川君速くしなさい。ズボン脱がないと体重が測れませんよ」

「えっ？ズボンもですか？　ぼく、体操服着てないんですよ。それにズボン脱いだらパンツ一枚になっちゃうじゃないですか。そんな幼稚園児みたいな格好できませんよ」

「何言ってるの。そんなの履いてたら、正確な体重が測れないでしょう。早く脱ぎなさい」

　なんとか回避しようととぼけてみせたが、ここは脱ぐしかなさそうだった。

「だれも見てないから、恥ずかしいことなんてないでしょう。」

「そんなあ、いいでしょズボンくらい」

　僕は強制的に脱がされる恥ずかしさでボッキしてしまい、余計に脱げなくなっていた。