30 / 60
30話 日本軍停止
しおりを挟む
30話 日本軍停止
1942年6月29日。
警告砲撃をしながら、ゆっくり快進撃を続けて
いた大日本帝国陸軍部隊が遂に停止。カザン。
タタール自治ソビエト社会主義共和国の首都。
モスクワまで800キロ、日本国民大騒ぎ。
鉄道で追従してきた旅団6個が30日合流した。
日本軍の旅団8個が5キロの時点でカザン降伏。
大日本政府発表。
「政府に野心は無い、平和回復を望む」
大本営発表。
「補給困難の恐れ在り戦闘非拡大を下命した」
信州工業地域。
防衛装備研究部で開発された平原用の車輪式
対戦車自走弾の大量生産が開始され保管量は
20万発。現在の生産は日産4000発。
ライン倍増に建設中、目標数値は日産10000。
重車両工場の一つが建設機械製造目的と決定、
工兵隊むけの試験生産開始、これを可能とし
たのはハバロフスクから移送してきた大型
工作機械4台とその他工作機械30台の加工力。
直江津に大規模な石炭火力発電所を建設中、
総発電力40万kw高圧送電線も建設中。
ラムジェット戦闘機開発も終盤。
エンジン燃料系統部品の問題解決が残るのみ。
工作精度・・・高精度工作機械が無ければ無理。
海軍陸軍は頑迷、工作機械を装備部に渡さない。
防衛装備研究部。
研究生産体制整備の一環として直江津ー長野間
に新鉄道線建設の調査を開始、軌道幅1520広軌。
シベリア鉄道列車の活用による重量物輸送目的。
対空誘導弾の研究開始。
誘導自走弾の技術を高め射程距離3000目視誘導。
頭部に固定した双眼望遠鏡による目視をしつつ
有線誘導で敵機直前で爆発し散弾を浴びせる。
将来は電磁気応用の近接信管開発も考慮。
樺太と虎林で訓練される大勢の少女達は次々と
徴集されてくる仲間と訓練を重ねた。
同時に進められる勉強に難儀しながら・・・
日本防衛会議の決議。「戦場に向かわせる
と同時に学業を諦めた者達に知識を与え生存者
の社会での生活に資する点を特に留意する事」
「まるで学生兵士だね!」笑い会う~
日本防衛会議。
事態の急速な進展に全員が考えをまとめ切れ
ないでいた。
「これほど広い占領地の警備など出来んぞ」
「石油や資源が在ると言っても1000キロ以上
運ぶ手段は無い、道路さえ無いのに・・・」
「1000キロの道路を数十作り終えて採掘か!」
「馬鹿らしい!それを作れる国力が在れば
米英にも勝てるぞ」
「しかも・・・必ず銃で妨害する者が出る!」
「ソ連軍は大量の戦車で反撃して来るだろう
ドイツが少しでも引いたら日本は大陸から
追い出されてしまう・・・」
「・・・東条さん、あんたはどう考える?」
「カザンを確保。増援兵力を全てカザンに送り
軍事上の大拠点を早期に構築する。
我が国のウラジオストク、それこそがカザンだ。
ドイツが勝利すれば現在の占領地は日本領に
出来るだろう。ドイツとの共同戦が考えだ」
「・・・」
「・・・ ・・・」
「それが・・出来るか?」
「やらねば成らんカザンを失えば日本は負ける」
日本防衛会議。
1942年6月30日 大本営にカザン拠点化を指示。
ドイツ南方軍は押し返された。
中央軍と北方軍に抽出された戦力でウラジオ軍
と自称する援軍を得たソ連軍には抵抗しながら
の後退しか方法が無い・・・
ヒトラーが構想していた油田占領作戦、ブラウ
は実行されなかった。
作戦に用いる戦力は南方軍への増援に向けられ
た事により数百キロ後退したが前線は停まった。
ヒトラーは怒ったが東方より進撃してくる日本
との友好関係構築による軍事作戦に期待し少し
は怒りが収まった・・・
スターリンも激怒していたがウラジオ軍を正式
に認める事にした・・・冷静に考えれば北方軍
と中央軍の戦力を南方に引きつけモスクワ周囲
のドイツ戦力は減少したのだ・・・ウラジオ軍
司令官としてユマーシェフ中将を大将に任命。
功績を認めウラジオ親衛軍の呼称を許した。
スターリンは戦車生産が勝敗を分けると認識し
大量生産を厳命していた・・・はたしてドイツ
に勝てるのか?
東条は久しぶりに信州の青空を見ていた。
ここまでは記憶で対処してきたが・・・この先
がどうなるかは判らない。たぶん何とか成る!
防衛装備研究部の見学を続けた・・・
1942年6月29日。
警告砲撃をしながら、ゆっくり快進撃を続けて
いた大日本帝国陸軍部隊が遂に停止。カザン。
タタール自治ソビエト社会主義共和国の首都。
モスクワまで800キロ、日本国民大騒ぎ。
鉄道で追従してきた旅団6個が30日合流した。
日本軍の旅団8個が5キロの時点でカザン降伏。
大日本政府発表。
「政府に野心は無い、平和回復を望む」
大本営発表。
「補給困難の恐れ在り戦闘非拡大を下命した」
信州工業地域。
防衛装備研究部で開発された平原用の車輪式
対戦車自走弾の大量生産が開始され保管量は
20万発。現在の生産は日産4000発。
ライン倍増に建設中、目標数値は日産10000。
重車両工場の一つが建設機械製造目的と決定、
工兵隊むけの試験生産開始、これを可能とし
たのはハバロフスクから移送してきた大型
工作機械4台とその他工作機械30台の加工力。
直江津に大規模な石炭火力発電所を建設中、
総発電力40万kw高圧送電線も建設中。
ラムジェット戦闘機開発も終盤。
エンジン燃料系統部品の問題解決が残るのみ。
工作精度・・・高精度工作機械が無ければ無理。
海軍陸軍は頑迷、工作機械を装備部に渡さない。
防衛装備研究部。
研究生産体制整備の一環として直江津ー長野間
に新鉄道線建設の調査を開始、軌道幅1520広軌。
シベリア鉄道列車の活用による重量物輸送目的。
対空誘導弾の研究開始。
誘導自走弾の技術を高め射程距離3000目視誘導。
頭部に固定した双眼望遠鏡による目視をしつつ
有線誘導で敵機直前で爆発し散弾を浴びせる。
将来は電磁気応用の近接信管開発も考慮。
樺太と虎林で訓練される大勢の少女達は次々と
徴集されてくる仲間と訓練を重ねた。
同時に進められる勉強に難儀しながら・・・
日本防衛会議の決議。「戦場に向かわせる
と同時に学業を諦めた者達に知識を与え生存者
の社会での生活に資する点を特に留意する事」
「まるで学生兵士だね!」笑い会う~
日本防衛会議。
事態の急速な進展に全員が考えをまとめ切れ
ないでいた。
「これほど広い占領地の警備など出来んぞ」
「石油や資源が在ると言っても1000キロ以上
運ぶ手段は無い、道路さえ無いのに・・・」
「1000キロの道路を数十作り終えて採掘か!」
「馬鹿らしい!それを作れる国力が在れば
米英にも勝てるぞ」
「しかも・・・必ず銃で妨害する者が出る!」
「ソ連軍は大量の戦車で反撃して来るだろう
ドイツが少しでも引いたら日本は大陸から
追い出されてしまう・・・」
「・・・東条さん、あんたはどう考える?」
「カザンを確保。増援兵力を全てカザンに送り
軍事上の大拠点を早期に構築する。
我が国のウラジオストク、それこそがカザンだ。
ドイツが勝利すれば現在の占領地は日本領に
出来るだろう。ドイツとの共同戦が考えだ」
「・・・」
「・・・ ・・・」
「それが・・出来るか?」
「やらねば成らんカザンを失えば日本は負ける」
日本防衛会議。
1942年6月30日 大本営にカザン拠点化を指示。
ドイツ南方軍は押し返された。
中央軍と北方軍に抽出された戦力でウラジオ軍
と自称する援軍を得たソ連軍には抵抗しながら
の後退しか方法が無い・・・
ヒトラーが構想していた油田占領作戦、ブラウ
は実行されなかった。
作戦に用いる戦力は南方軍への増援に向けられ
た事により数百キロ後退したが前線は停まった。
ヒトラーは怒ったが東方より進撃してくる日本
との友好関係構築による軍事作戦に期待し少し
は怒りが収まった・・・
スターリンも激怒していたがウラジオ軍を正式
に認める事にした・・・冷静に考えれば北方軍
と中央軍の戦力を南方に引きつけモスクワ周囲
のドイツ戦力は減少したのだ・・・ウラジオ軍
司令官としてユマーシェフ中将を大将に任命。
功績を認めウラジオ親衛軍の呼称を許した。
スターリンは戦車生産が勝敗を分けると認識し
大量生産を厳命していた・・・はたしてドイツ
に勝てるのか?
東条は久しぶりに信州の青空を見ていた。
ここまでは記憶で対処してきたが・・・この先
がどうなるかは判らない。たぶん何とか成る!
防衛装備研究部の見学を続けた・・・
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。

大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
蒼海の碧血録
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年六月、ミッドウェー海戦において日本海軍は赤城、加賀、蒼龍を失うという大敗を喫した。
そして、その二ヶ月後の八月、アメリカ軍海兵隊が南太平洋ガダルカナル島へと上陸し、日米の新たな死闘の幕が切って落とされた。
熾烈なるガダルカナル攻防戦に、ついに日本海軍はある決断を下す。
戦艦大和。
日本海軍最強の戦艦が今、ガダルカナルへと向けて出撃する。
だが、対するアメリカ海軍もまたガダルカナルの日本軍飛行場を破壊すべく、最新鋭戦艦を出撃させていた。
ここに、ついに日米最強戦艦同士による砲撃戦の火蓋が切られることとなる。
(本作は「小説家になろう」様にて連載中の「蒼海決戦」シリーズを加筆修正したものです。予め、ご承知おき下さい。)
※表紙画像は、筆者が呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)にて撮影したものです。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)

永艦の戦い
みたろ
歴史・時代
時に1936年。日本はロンドン海軍軍縮条約の失効を2年後を控え、対英米海軍が建造するであろう新型戦艦に対抗するために50cm砲の戦艦と45cm砲のW超巨大戦艦を作ろうとした。その設計を担当した話である。
(フィクションです。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる