21 / 60
21話 虎林軍団
しおりを挟む
21話 虎林軍団
1942年3月21日 日本防衛会議。
「政府として対処すべき件ではありますが事前に
知らせ置くべきと思案いたしました、案件とは対ソ
問題であります。樺太軍団が対ソ戦を行っております
が満ソ国境地帯は緊張感在るも平穏であります。
ソ連政府は表面上、樺太の状況、すなわち戦闘状態
を黙殺、我が政府から戦争を宣言する利点は皆無。
ドイツは宣言などせずとも戦闘開始は知る所・・・
我が政府は極小規模の戦闘と表明し世界平和宣言を
出す策を総理として取りたいと考えます」
外務大臣「世界平和宣言、直ぐに出すつもりで…」
「樺太軍団が大戦闘となる寸前が適す時期というもの」
「宣言の後で・・・大戦闘・・・総理の考えは判らん」
「ハバロフスクで勝ちを得ても単なる戦場の勝利。
ウラジオストクには数十倍の戦闘力と海軍が健在・・
集積してる兵器と物資は想像以上に膨大であろう・・
ソ連が活用する前に封じる策を立て、実行が肝心である」
「ウラジオか… あれを封じるのは旅順より難しい」
陸軍大臣と海軍大臣を見た後
「軍の問題に戦越と思う、が許して欲しい・・・提案は
樺太軍団のソ連に勝利は軍団の有効性が高い証明、なら
ば満州国内の某所、たとえば虎林に同様の軍団を組織
する事で戦力の有用性が増える、と想うのである。
正直に言おう・・・シベリアに攻め込む形態の軍団を
配備して事態の変化に備えておく。肝心な用意と想う」
・・・ ・・・ 陸軍大臣は瞑目・・・
「どのような編成となるのだ?」
「試案、歩兵旅団6、遊撃砲兵中隊2、対戦車旅団1」
「部隊の種別が少ないのでは?」
「簡易な編成で無ければ早急の実現は困難であろう」
「早急とは?」
「・・・1942年3月30日・・・」
「「「… … … 」」」
「それは…無理と言わぬが… … 」
「臨時に、虎林軍団 と呼ぶが実現を希望する」
珍しく東条が深々と礼をした。
22日 大本営陸軍参謀本部は混乱する程忙しい・・・
面倒な関東軍に部隊転換命令、問い合わせの嵐が来た。
東北地方で再び大規模な徴集が始まった。前回同様に
困窮する農家の娘達が大勢集められた。
軍が喜ぶような兵士候補はすでにシナ戦線で戦闘中。
いくら不景気でも農業生産を落とすのは愚策。
軍団団長人事も東条の強い希望が実現した。
虎林軍団総司令官、栗林忠道陸軍中将。
満州国虎林に兵力が増強されて行く・・・
1942年3月21日 日本防衛会議。
「政府として対処すべき件ではありますが事前に
知らせ置くべきと思案いたしました、案件とは対ソ
問題であります。樺太軍団が対ソ戦を行っております
が満ソ国境地帯は緊張感在るも平穏であります。
ソ連政府は表面上、樺太の状況、すなわち戦闘状態
を黙殺、我が政府から戦争を宣言する利点は皆無。
ドイツは宣言などせずとも戦闘開始は知る所・・・
我が政府は極小規模の戦闘と表明し世界平和宣言を
出す策を総理として取りたいと考えます」
外務大臣「世界平和宣言、直ぐに出すつもりで…」
「樺太軍団が大戦闘となる寸前が適す時期というもの」
「宣言の後で・・・大戦闘・・・総理の考えは判らん」
「ハバロフスクで勝ちを得ても単なる戦場の勝利。
ウラジオストクには数十倍の戦闘力と海軍が健在・・
集積してる兵器と物資は想像以上に膨大であろう・・
ソ連が活用する前に封じる策を立て、実行が肝心である」
「ウラジオか… あれを封じるのは旅順より難しい」
陸軍大臣と海軍大臣を見た後
「軍の問題に戦越と思う、が許して欲しい・・・提案は
樺太軍団のソ連に勝利は軍団の有効性が高い証明、なら
ば満州国内の某所、たとえば虎林に同様の軍団を組織
する事で戦力の有用性が増える、と想うのである。
正直に言おう・・・シベリアに攻め込む形態の軍団を
配備して事態の変化に備えておく。肝心な用意と想う」
・・・ ・・・ 陸軍大臣は瞑目・・・
「どのような編成となるのだ?」
「試案、歩兵旅団6、遊撃砲兵中隊2、対戦車旅団1」
「部隊の種別が少ないのでは?」
「簡易な編成で無ければ早急の実現は困難であろう」
「早急とは?」
「・・・1942年3月30日・・・」
「「「… … … 」」」
「それは…無理と言わぬが… … 」
「臨時に、虎林軍団 と呼ぶが実現を希望する」
珍しく東条が深々と礼をした。
22日 大本営陸軍参謀本部は混乱する程忙しい・・・
面倒な関東軍に部隊転換命令、問い合わせの嵐が来た。
東北地方で再び大規模な徴集が始まった。前回同様に
困窮する農家の娘達が大勢集められた。
軍が喜ぶような兵士候補はすでにシナ戦線で戦闘中。
いくら不景気でも農業生産を落とすのは愚策。
軍団団長人事も東条の強い希望が実現した。
虎林軍団総司令官、栗林忠道陸軍中将。
満州国虎林に兵力が増強されて行く・・・
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
3024年宇宙のスズキ
神谷モロ
SF
俺の名はイチロー・スズキ。
もちろんベースボールとは無関係な一般人だ。
21世紀に生きていた普通の日本人。
ひょんな事故から冷凍睡眠されていたが1000年後の未来に蘇った現代の浦島太郎である。
今は福祉事業団体フリーボートの社員で、福祉船アマテラスの船長だ。
※この作品はカクヨムでも掲載しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる