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第四章 新天地
442話 エピローグ
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渾身の抜刀。
届いた刃は、鎮の胸元にある魔石を確かに砕いた。
「な、何だと!」
過去、聖剣を用いたじいちゃんでも壊せなかった鎮の弱点。
宝石の様な魔石は粉々に砕け、地面に落ちた。
そして赤い霧状となり、空へと消えていく。
「俺様が……負けただと? こんな、こんな所で‼」
そして鎮は、糸の切れたマリオネットの様に、突如力無く背後から地面へと倒れ込んだ。
「た、倒したのか?」
俺は近づいて確認をすると、魔石を失った鎮の体は、足元から徐々に灰へと姿を変えていく。
「終わった、何もかも……」
魔王は敗れ、これで世界は救われた。
魔物達の集団による異常行動も収まり、世界は通常を取り戻す。
そのはずだが……。
「くそ、でもこんな終わり方って無いだろ。くそ、くそぉ‼」
俺は膝をつき、地面を殴りつけた。
平和で、いつもと同じ世の中が来って……。ミコ、お前が居なきゃ俺にあたり前の日常が訪れないだろ、笑えないだろ!?
頭の中では、シンシの泣き声がする。
自己嫌悪と胸の痛みが、これが夢じゃない事を物語っていた。
「カナデ……。まだそこに居るか?」
「鎮、まだ生きて!?」
腰まで灰と化している鎮、今さら何かが出来るとは思えないが、俺は無刃を握りしめる。
しかし鎮の表情は先程までとは一変、とても穏やかで、優しい笑顔を向けていたのだ。
「迷惑かけたな、じいさんでも成し遂げられなかった偉業、良く成し遂げてくれた。お前は俺達の誇りだ……」
「……父さん?」
「あぁ。大きくなったな、カナデ」
もしかして、魔石を失い人間らしい意思を取り戻した?
目の前に居るのは、本当の意味で俺の父親で……。
「なんでだよ、今さら父親に戻るなよ!」
目の前で失われつつ命、それは俺が奪ったもの。
悪党のままなら、少しは心も痛まなかったのに。覚悟はしてた、覚悟はしてたけど……なんでこんな立て続けに。
「謝ったところで許されないのは分かっている。何もできないまま、ずっと見てたからな」
なにを今さら、優しい言葉を掛けてくるなよ、どうしたら良いか分からなくなる。
しかし鎮は俺の表情を見て察したのだろう。
「なぁカナデ、すべては心が弱い俺が悪かった、恨むなら俺だけを恨め。その感情は悪につけこまれる」
っと、自身を罵る鎮。
きっと父さんは、自分が全悪になることで恨み辛みをあの世へと持っていこうとしている。そんな気がした。
「あぁ恨むよ。鎮、俺はあんたを恨む。あんたがここで殺され死ぬこと、全部背負う覚悟なんて、とっくに出来てるんだ」
魔王を打ち倒した存在は、どんな形であれ話題にはなるだろう。
それを聞くたび、俺が父を殺した事実を思い出すだろう。それは一種の呪いの様に。
俺の言葉を聞き、鎮はホッとした様子のあと苦笑いを浮かべた。
「本当に大きくなったな、俺なんてとっくに追い抜かれてるよ。成長した息子に会えた、まるで夢のような時間だったな……ゴホゴホ!」
「何一人で納得して話を締めてるんだよ──俺は! 俺は……」
俺はあんたにも生きて欲しかった。
例え大罪人で今後罪を償って行くとしても、それでもあんたに……。
「本当にありがとう、カナデ。父さんこれでやっと、渚さんのところに……行け……」
そして鎮は息を引き取った。
灰化は全身に行き届き、もう生き物としての姿は跡形もない。
『グスン、カナデにいちゃん……?』
これは辛いな、今にも泣きそうだ。
涙を堪えるため上を見上げていると、晴れた空を巨大な影が覆う。
どうやら事の終わりを察し、迎えが来たようだ。
「戻ろうシンシ、ククルカンが来てくれた。それに皆も待っているから……」
心を読めるシンシに、平然を装うには無理があるだろう。
風に乗り空を舞ってく灰は、雲ひとつ無い空に溶け込み姿を消した。
届いた刃は、鎮の胸元にある魔石を確かに砕いた。
「な、何だと!」
過去、聖剣を用いたじいちゃんでも壊せなかった鎮の弱点。
宝石の様な魔石は粉々に砕け、地面に落ちた。
そして赤い霧状となり、空へと消えていく。
「俺様が……負けただと? こんな、こんな所で‼」
そして鎮は、糸の切れたマリオネットの様に、突如力無く背後から地面へと倒れ込んだ。
「た、倒したのか?」
俺は近づいて確認をすると、魔石を失った鎮の体は、足元から徐々に灰へと姿を変えていく。
「終わった、何もかも……」
魔王は敗れ、これで世界は救われた。
魔物達の集団による異常行動も収まり、世界は通常を取り戻す。
そのはずだが……。
「くそ、でもこんな終わり方って無いだろ。くそ、くそぉ‼」
俺は膝をつき、地面を殴りつけた。
平和で、いつもと同じ世の中が来って……。ミコ、お前が居なきゃ俺にあたり前の日常が訪れないだろ、笑えないだろ!?
頭の中では、シンシの泣き声がする。
自己嫌悪と胸の痛みが、これが夢じゃない事を物語っていた。
「カナデ……。まだそこに居るか?」
「鎮、まだ生きて!?」
腰まで灰と化している鎮、今さら何かが出来るとは思えないが、俺は無刃を握りしめる。
しかし鎮の表情は先程までとは一変、とても穏やかで、優しい笑顔を向けていたのだ。
「迷惑かけたな、じいさんでも成し遂げられなかった偉業、良く成し遂げてくれた。お前は俺達の誇りだ……」
「……父さん?」
「あぁ。大きくなったな、カナデ」
もしかして、魔石を失い人間らしい意思を取り戻した?
目の前に居るのは、本当の意味で俺の父親で……。
「なんでだよ、今さら父親に戻るなよ!」
目の前で失われつつ命、それは俺が奪ったもの。
悪党のままなら、少しは心も痛まなかったのに。覚悟はしてた、覚悟はしてたけど……なんでこんな立て続けに。
「謝ったところで許されないのは分かっている。何もできないまま、ずっと見てたからな」
なにを今さら、優しい言葉を掛けてくるなよ、どうしたら良いか分からなくなる。
しかし鎮は俺の表情を見て察したのだろう。
「なぁカナデ、すべては心が弱い俺が悪かった、恨むなら俺だけを恨め。その感情は悪につけこまれる」
っと、自身を罵る鎮。
きっと父さんは、自分が全悪になることで恨み辛みをあの世へと持っていこうとしている。そんな気がした。
「あぁ恨むよ。鎮、俺はあんたを恨む。あんたがここで殺され死ぬこと、全部背負う覚悟なんて、とっくに出来てるんだ」
魔王を打ち倒した存在は、どんな形であれ話題にはなるだろう。
それを聞くたび、俺が父を殺した事実を思い出すだろう。それは一種の呪いの様に。
俺の言葉を聞き、鎮はホッとした様子のあと苦笑いを浮かべた。
「本当に大きくなったな、俺なんてとっくに追い抜かれてるよ。成長した息子に会えた、まるで夢のような時間だったな……ゴホゴホ!」
「何一人で納得して話を締めてるんだよ──俺は! 俺は……」
俺はあんたにも生きて欲しかった。
例え大罪人で今後罪を償って行くとしても、それでもあんたに……。
「本当にありがとう、カナデ。父さんこれでやっと、渚さんのところに……行け……」
そして鎮は息を引き取った。
灰化は全身に行き届き、もう生き物としての姿は跡形もない。
『グスン、カナデにいちゃん……?』
これは辛いな、今にも泣きそうだ。
涙を堪えるため上を見上げていると、晴れた空を巨大な影が覆う。
どうやら事の終わりを察し、迎えが来たようだ。
「戻ろうシンシ、ククルカンが来てくれた。それに皆も待っているから……」
心を読めるシンシに、平然を装うには無理があるだろう。
風に乗り空を舞ってく灰は、雲ひとつ無い空に溶け込み姿を消した。
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