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第四章 新天地
第346話 投擲
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「き、緊張してきたスラ……人間、今から行く場所に、人間が沢山居るスラよね?」
ミスリルスライム達の島を出て、俺達は無事に空の旅を終えた。
未だ、雨雲の切れない重い空……。
多少の不安は残しつつも、数日間かけ行き同様、帰り道も走って開拓村のすぐ近くまで来ていた。
「大丈夫だって、皆いい奴らばかりだから。それより今後は本当に人間ばかりだぞ? いい加減その呼び方、変えたほうが良いだろ」
「そうスラね……。それじゃぁ、主なんてどうスラかね?」
「ん~、むず痒いけどいいんじゃないか? 差別化も出来てるし」
それにしても、いつもなら「センスが無いカナ!」なんてミコが割って入ってくるのに……。
何やら、マジックバックから顔を出し、進行方向をじっと見ている──。
「どうしたミコ、難しい顔をして。一応言っておくけど、お前は今更、呼び方を変えなくてもいいからな?」
「違うかな! カナデ、村の方……誰かが、魔物と戦ってるシ」
「──なに! 村が魔物に襲われているのか!?」
走りながらも目を凝らすと、うっすらと見え始めた開拓村。
その柵の前で、門番と思われる男数人が魔物と交戦していた。
人間側が三人……ハイエナの様な魔物が五匹か?
村人も随分錬度が上がったものだ。
数の不利にも、何とか対応できている。
あれは、よく見るとシバ君達か──って、背後にも六匹の魔物が!? 不味いな、あの雰囲気……気付いていなさそうだ!!
「大声を上げて飛びかかられでもしたらまずい……かといって、このまま走っても間に合いそうにないな……。こんな時、手頃な投擲武器でもあれば──そうだ!!」
今の俺には、居るじゃないか。
石より固く、投げるに適した頼りがいのある友達が──!
「ちょっと、なんでこのタイミングで僕を掴むスラか……止めるスラ!?」
「どうせ念話で読んで分かってるだろ? 良いところを見せるチャンスだ!」
緊急事態の為、心は痛むものの「ミスリン──君に決めた!!」と、シバ君達の背後に潜む魔物に向け、投擲したのだ!
「主の、アホス~~~~ラアァ~~……!?」
右手から放たれたミスリンは、空気をぶち抜き一直線に魔物に向かった。
それはさながら、大砲の砲弾の様に──。
「うむ、やはりミスリンはよく飛ぶな…………お、当たった」
実際に聞こえた訳ではないが、鈍い音が聞こえた気がする。
どうやら魔物は、伏せたまま起き上がれないみたいだ。
しかしその中、勇猛に立ち向かったミスリンだけが起き上がる。
「お、ミスリンがこっちに向かって走ってきたぞ?」
さすがミスリルスライム、硬さも然る事ながら、帰ってくる早さもピカ一だ。
「──主はバカスラか! マジで怖かったスラよ! 少しチビったスラ!!」
あ、やっぱり怒ってる?
「悪い悪い。でもミスリンのお陰で、仲間も無事みたいだ。ほら、もうじき片付きそうだぞ? それに飛んでるお前は、ひときわキラキラ輝いてた!」
「──それはチビったからスラよ!!」
誉めたのに台無しだ。
それに食い気味だし、余程怖かったんだろうな──正直すまん!
「カナデさん、カナデさんじゃないですか!? ご無事で何よりです!!」
お? 向こうも無事に片が付いた様だ。
こちらに気付いたシバ君が、わき目も振らず俺の元へと一直線に走って来る。
「あぁ、ただいま。皆も無事みたいで何よりだよ」
シバ君が手を握り、尻尾をバタつかせる。
なんて言えばいいのだろうか? 主人を待ってた犬のようだな……なんて言えるわけもない。
ただ、自分の居場所に帰って来たんだな。そんな事を、ヒシヒシと感じたのだった。
ミスリルスライム達の島を出て、俺達は無事に空の旅を終えた。
未だ、雨雲の切れない重い空……。
多少の不安は残しつつも、数日間かけ行き同様、帰り道も走って開拓村のすぐ近くまで来ていた。
「大丈夫だって、皆いい奴らばかりだから。それより今後は本当に人間ばかりだぞ? いい加減その呼び方、変えたほうが良いだろ」
「そうスラね……。それじゃぁ、主なんてどうスラかね?」
「ん~、むず痒いけどいいんじゃないか? 差別化も出来てるし」
それにしても、いつもなら「センスが無いカナ!」なんてミコが割って入ってくるのに……。
何やら、マジックバックから顔を出し、進行方向をじっと見ている──。
「どうしたミコ、難しい顔をして。一応言っておくけど、お前は今更、呼び方を変えなくてもいいからな?」
「違うかな! カナデ、村の方……誰かが、魔物と戦ってるシ」
「──なに! 村が魔物に襲われているのか!?」
走りながらも目を凝らすと、うっすらと見え始めた開拓村。
その柵の前で、門番と思われる男数人が魔物と交戦していた。
人間側が三人……ハイエナの様な魔物が五匹か?
村人も随分錬度が上がったものだ。
数の不利にも、何とか対応できている。
あれは、よく見るとシバ君達か──って、背後にも六匹の魔物が!? 不味いな、あの雰囲気……気付いていなさそうだ!!
「大声を上げて飛びかかられでもしたらまずい……かといって、このまま走っても間に合いそうにないな……。こんな時、手頃な投擲武器でもあれば──そうだ!!」
今の俺には、居るじゃないか。
石より固く、投げるに適した頼りがいのある友達が──!
「ちょっと、なんでこのタイミングで僕を掴むスラか……止めるスラ!?」
「どうせ念話で読んで分かってるだろ? 良いところを見せるチャンスだ!」
緊急事態の為、心は痛むものの「ミスリン──君に決めた!!」と、シバ君達の背後に潜む魔物に向け、投擲したのだ!
「主の、アホス~~~~ラアァ~~……!?」
右手から放たれたミスリンは、空気をぶち抜き一直線に魔物に向かった。
それはさながら、大砲の砲弾の様に──。
「うむ、やはりミスリンはよく飛ぶな…………お、当たった」
実際に聞こえた訳ではないが、鈍い音が聞こえた気がする。
どうやら魔物は、伏せたまま起き上がれないみたいだ。
しかしその中、勇猛に立ち向かったミスリンだけが起き上がる。
「お、ミスリンがこっちに向かって走ってきたぞ?」
さすがミスリルスライム、硬さも然る事ながら、帰ってくる早さもピカ一だ。
「──主はバカスラか! マジで怖かったスラよ! 少しチビったスラ!!」
あ、やっぱり怒ってる?
「悪い悪い。でもミスリンのお陰で、仲間も無事みたいだ。ほら、もうじき片付きそうだぞ? それに飛んでるお前は、ひときわキラキラ輝いてた!」
「──それはチビったからスラよ!!」
誉めたのに台無しだ。
それに食い気味だし、余程怖かったんだろうな──正直すまん!
「カナデさん、カナデさんじゃないですか!? ご無事で何よりです!!」
お? 向こうも無事に片が付いた様だ。
こちらに気付いたシバ君が、わき目も振らず俺の元へと一直線に走って来る。
「あぁ、ただいま。皆も無事みたいで何よりだよ」
シバ君が手を握り、尻尾をバタつかせる。
なんて言えばいいのだろうか? 主人を待ってた犬のようだな……なんて言えるわけもない。
ただ、自分の居場所に帰って来たんだな。そんな事を、ヒシヒシと感じたのだった。
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