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第四章 新天地

第300話 作業割り振り

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「それじゃ皆、手はず通りに頼むよ」

 水は容器に大量に、食料はそのまま直接大量にマジックバックに詰め込んで来たため、無人島生活のような食料から探す……なんて手順を踏まなくて良いのは助かる。

 事前の打ち合わせ通り、大工経験のある者に測量、丁張りをかけてもらう。

 一部の木材加工経験者には、建築予定箇所で邪魔になる木々の伐採。
 勿論伐採後の木々も有効利用していくつもりだ。
 ちなみに、俺はこちらのグループに参加している。

 そして何より、食料がある以上一番の優先は身の安全。
 該当しない者は、簡易的な防御柵の制作を行ってもらう。

「それではソインさん、残り二班の護衛お願いします」

「ああ、そちらも十分に気をつけるように」

 伐採班は俺を含めて二名とミコ。
 かなり少ない人数の割り振りだが、無銘があればさほど手間にはならないはず。

 風化した建物を中心に、北は廃墟の鍛冶場、その奥は紅葉が綺麗な山。
 南はリベラティオで、東には海へと続くだだっ広い平野。

 そして建物の西側には、池があり、その奥に森と川が通っている、目的地はその森。

 そして、歩いて程なくして──。

「村長、この木も伐ってもらっていいですか?」

 今回の目標は、川へと続く道の障害物となる木々の伐採。
 川から水が引ければ、そのまま飲み水には出来なくとも生活で使う水や、農業には活かせるはずだからな。

「分かった……ダズさん、離れてくれ──」

 今回、ペアで仕事をする仲間である、ダズさんに離れるよう声を掛けた。
 それにしても、いつしか村長が定着してる……。
 俺に与えられた領地なわけだし、断るのもおかしいよな。

「なるべく根本、この角度でお願いします」

「分かった、任せろ!」

 彼が伐採を行う木の指定をし、俺がそれを指示に従い伐るだけの作業。

 こちらの都合で伐り倒すが、致し方ない……確り有効利用するから、許してくれよ。

 無銘に触れ、目標を見定める──そこだ!!

「──よっと、倒れるぞー!」

 瞬く間の一閃……目標とした木が重さでズレ、大きな音を立て倒れていく。

 相変わらずの切れ味だ、ミコが居着いてくれてるから、自己修復もある、痛まない!!
 まさかこんな使われ方をするとは、じいちゃんも想像してなかっただろうな……。

 地球では竹を斬らせてもらったことはあるが、まさか俺も大木を伐る日が来るとは思っても見なかった。

「いやー流石村長! 凄く便利ですね!?」

「便利って……まぁいいや、次々指示をくれ、どんどん倒してくから」

 その後も、一本、二本と次々に斬っていく。
 彼の指示通り斬ると山に向かい、面白いほど倒れていく。

「よし、ダズさん次!」

 斬った木材はしばらくこのまま放置し、葉枯らし乾燥と言う手法で乾燥を行う。
 木の種類にもよるが、このまま三ヶ月近く寝かせて、木の水分が抜けるのを待つらしい。

「ダズさん──次!!」

 その後も、製材後に自然乾燥を行う。
 木材は乾燥工程を怠ると、割れや変形、強度にも影響するからな……。

 実際使えるのは、一年……いや、もっと先かもしれないな。

「まだまだ!」

 僕が一番、無銘をうまく使え……ってこの台詞は不味いか?
 理由ががある為、思う存分無銘が振るえる──こんな嬉しいことは……って止めとこ。

「──あの……村長?」

「どうした、問題か? それとも魔物か!?」

「い、いえ、少し伐採のペースが早くないですか?」

 ダズさんに言われ我に帰ると、昼前なのに目の前には川が見えていた……。
 距離にすると、二、三キロメール程あると思うのだが……。

「数日間のノルマ、終わってしまいましたね?」

 こ、これは流石に人間場馴れしすぎだろ?
 そうだ無銘、無銘が斬れすぎるから……。

「カナデ、今更だけどやっぱりヤバイやつカナ!!」

 俺はミコの言葉を否定する事が出来ず、その場に膝をついた。

 村に戻り、驚きと絶賛の嵐だったのは言うまでもない……。
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