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第四章 新天地
第293話 各国の思惑
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「村を作る場所が……聖剣誕生の地?」
──冗談だろ?
そんな重要な土地を、なんで見ず知らずの俺に託し、自分達が忌み嫌ってる混血の村を作ることを了承したんだ……。
いくら俺が勇者の孫だと言っても、可笑しすぎないか?
「うん。正直なところ、各国があそこを手放したことには私も驚いているんだ。まあ、陛下の意向であの領土が渡された以上、他国にも体裁というものがあるんだろうね」
同等の価値って……普通に考えれば、歴史的にも重要な価値があるはずなのに。
「えっと、でも言わずとも大切な土地ですよね? 裏があるとしか……」
ソインさんは腕を組み、何やら考える素振りを見せた。
「……グローリアに怪しい動きがある、と聞いている。これは憶測になるんだけど、その監理も任せようとしてるんじゃないかな。勇者の孫である君に、ね。何故かうちとエルフの国からの信用は厚いんだろう?」
裏、ありありじゃないか!?
トゥナの親父さんもキサラギさんも、本当に食えない人達だ……。
「兄さんやられたな? 考えても見たら、停戦中の戦争が再開したら、真っ先に飛び火する場所やしな」
そういう意味でも、何処かに肩入れしないようにあの場所って事か……。
「ま、まぁ、あの場合どちらにしても選択肢はなかったよ。それに、新しい村は端から守って行くつもりだったし……」
正直強がりだけど、嘘は言ってない。
混血の人達は、今まで皆辛い思いばかりしてきた筈だ……いい加減、幸せになっても良いだろ?
それがトゥナやティアの悲願でもあるわけだし。
「君たちはすべての国に属し、すべての国に属さないことになる。今後の村の動きは監視されるだろう。まあ、そういう意味では、勇者の孫も聖剣誕生の地、その両方が同時に監視できるようになるのだから、都合がいいのかも知れないね」
監視──そうか!
考え過ぎかもしてないけど、だから厄介者扱いしていた混血達の村を、わざわざその場所に。
一ヶ所に居てくれれば、三ヵ国とも監視がしやすいからな……。
「くれぐれも変な気は起こさないこと。……まあ、君にそんな心配は無用だろうけどね」
その気はないにしろ、謀反なんて起こそうものなら袋叩きに合うわけか……。
「なんか……一気に不安になって来ました」
「各国にも色んな思惑はあると思う。けどまあ、変に気負うようなこともないさ」
って今さらだけど、これってバッチリ外交問題に巻き込まれてるじゃないか……。
まぁ、争い事を一役買ってくれ……っとかじゃないから良いけどさ。
「そうですよカナデさん。逆に言えば、何処の国に肩入れしなければ、他の二国が守ってくれるってことですよ」
なるほど、そうだよな。
シバ君の言う通り悪いことばかりではない筈だ。
やっと手にいれた定住できる土地、楽しまないと損だよな?
「色々悩むと胃が痛くなるからな……前向きに考えようか。じゃ、食事の続きでも……」
「──兄さん……それに関してはもう手遅れや」
……嘘、だろ?
話に夢中で完全に目を離していた……そう言うまでもない。
ミコにより──鍋は占拠されていたのだ!!
「ミ、ミコ!? 大盛りとは言ったけど、鍋ごと平らげるなよ!!」
結局のところ、俺はミコから食事を守る事は出来なかった……。
その後俺は、ルーム達から監督責任を問われ、食事作りの担当者におかわりを頂くため、頭を下げに行ったのだった。
──冗談だろ?
そんな重要な土地を、なんで見ず知らずの俺に託し、自分達が忌み嫌ってる混血の村を作ることを了承したんだ……。
いくら俺が勇者の孫だと言っても、可笑しすぎないか?
「うん。正直なところ、各国があそこを手放したことには私も驚いているんだ。まあ、陛下の意向であの領土が渡された以上、他国にも体裁というものがあるんだろうね」
同等の価値って……普通に考えれば、歴史的にも重要な価値があるはずなのに。
「えっと、でも言わずとも大切な土地ですよね? 裏があるとしか……」
ソインさんは腕を組み、何やら考える素振りを見せた。
「……グローリアに怪しい動きがある、と聞いている。これは憶測になるんだけど、その監理も任せようとしてるんじゃないかな。勇者の孫である君に、ね。何故かうちとエルフの国からの信用は厚いんだろう?」
裏、ありありじゃないか!?
トゥナの親父さんもキサラギさんも、本当に食えない人達だ……。
「兄さんやられたな? 考えても見たら、停戦中の戦争が再開したら、真っ先に飛び火する場所やしな」
そういう意味でも、何処かに肩入れしないようにあの場所って事か……。
「ま、まぁ、あの場合どちらにしても選択肢はなかったよ。それに、新しい村は端から守って行くつもりだったし……」
正直強がりだけど、嘘は言ってない。
混血の人達は、今まで皆辛い思いばかりしてきた筈だ……いい加減、幸せになっても良いだろ?
それがトゥナやティアの悲願でもあるわけだし。
「君たちはすべての国に属し、すべての国に属さないことになる。今後の村の動きは監視されるだろう。まあ、そういう意味では、勇者の孫も聖剣誕生の地、その両方が同時に監視できるようになるのだから、都合がいいのかも知れないね」
監視──そうか!
考え過ぎかもしてないけど、だから厄介者扱いしていた混血達の村を、わざわざその場所に。
一ヶ所に居てくれれば、三ヵ国とも監視がしやすいからな……。
「くれぐれも変な気は起こさないこと。……まあ、君にそんな心配は無用だろうけどね」
その気はないにしろ、謀反なんて起こそうものなら袋叩きに合うわけか……。
「なんか……一気に不安になって来ました」
「各国にも色んな思惑はあると思う。けどまあ、変に気負うようなこともないさ」
って今さらだけど、これってバッチリ外交問題に巻き込まれてるじゃないか……。
まぁ、争い事を一役買ってくれ……っとかじゃないから良いけどさ。
「そうですよカナデさん。逆に言えば、何処の国に肩入れしなければ、他の二国が守ってくれるってことですよ」
なるほど、そうだよな。
シバ君の言う通り悪いことばかりではない筈だ。
やっと手にいれた定住できる土地、楽しまないと損だよな?
「色々悩むと胃が痛くなるからな……前向きに考えようか。じゃ、食事の続きでも……」
「──兄さん……それに関してはもう手遅れや」
……嘘、だろ?
話に夢中で完全に目を離していた……そう言うまでもない。
ミコにより──鍋は占拠されていたのだ!!
「ミ、ミコ!? 大盛りとは言ったけど、鍋ごと平らげるなよ!!」
結局のところ、俺はミコから食事を守る事は出来なかった……。
その後俺は、ルーム達から監督責任を問われ、食事作りの担当者におかわりを頂くため、頭を下げに行ったのだった。
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