284 / 469
第三章 リベラティオへの旅路
第271話 リベラティオの王女
しおりを挟む
先を歩くトゥナに、俺とルームもは黙って後ろ着いて行く。
階段を上り奥へ進み、更に上りは奥へと進む。──それにしても、広すぎる……。こんなところに住むって、どんな気持ちなんだろうな?
ただ正直な感想、外見から想像してたよりは、内部は豪勢なものではなかった。
グローリアの城を追い出されたときには、肖像画やら壺やら甲冑やら、通りにはお高そうな品が並んでいたが、ココはそう言うものがまったくない。
──代わりと言ってはなんだけど……。
「これは……ツッコミを入れるべきなのか?」
確かに肖像画は無い、肖像画はないのだが、壁のいたるところには、似顔絵が貼ってあるのだ。
ご丁寧に、書いた人らしき名前を乗せて。
それは決して、上手いとは言えない。むしろある意味での画伯と呼ばれる方々が描いたような……。芸術って難しいな──んっ?
「こ……これは!」
驚きのあまり、つい足が止まってしまった
とんでもないものを見つけてしまった……。
クレヨンの様なもので描かれた男……だと思われる一枚の似顔絵。
その下にはなんと【フォルトゥナ 作】と明記されていたのだった。
俺が立ち止まった事に気づくトゥナが振り返ると、その顔は次第に赤く染まっていく……しまいには、トマトやリンゴ匹敵する程に赤くなったのだ。
「い、いやぁ……中々に趣がある絵だな?」
俺は悟った。ここに飾られている絵は、芸術家のそれではない。
この城に、縁があるものが描いた絵だと言うことに。
見てしまった手前、何とかフォローをしたのだが。──こ、こらルーム、笑い声が漏れてる、漏れてるから!
「二人ともお願い……これは、見なかったことにして……」
残念ながら、効果は無かったようだ。
目を潤ませながら、トゥナは深々と頭を下げる。
その姿を見て、茶化すことなどできるはずもなく「「は、はい……」」っと、ルームと共に返事をすることしか出来なかった。
城内でお姫様に頭を下げられる、そんな貴重な経験をした俺達は更に奥へと進む。
道中、もう二度程彼女の名前を見る事となったが、無事? 目的地に着いたようだ。
「こ、ここが玉座の間よ……」
ただ歩いてきただけだが、トゥナは顔が疲れきっていた。
彼女が家出する理由、今ならほんの少し理解できそうだ。
そこには門番もいなく、目の前の扉は多少大きくはあるものの、普通の木造の物だ。
またもや豪華な見た目とは程遠い……ただ、それだけことなのに何となくだが親しみを感じてしまう。
事実は知らないから想像でしかないが、この国では無理な徴税を行っていない、国民に優しい国じゃないか? そんな風に感じた。
「じゃぁ、開けるわね?」
「あ、あぁ……すっげぇ緊張してきた! 今さらだけど、俺が会っても良いものなのか?」
「あら、カナデ君怖じ気づいたのかしら? 大丈夫よ、私も居るから」
扉は木材が擦れる甲高い音を上げ、ゆっくりと開かれた。
緊張で、心臓が口から飛び出してしまいそうだ。
中には金色の縁で囲まれた赤い絨毯が、扉から真っ直ぐと引かれていた。
しばらく先には一段段差がありその高いところには、二つの玉座が並んでいたのだ。
「──ようこそいらっしゃいませ。勇者の御孫様と、そのお連れの方」
声をかけてきた主は、正面に向かって左側の玉座に腰を掛けている方だ。そこには、とても美しく気品のある女性がいた。
「お久しぶりです御座います。リベラティオ・フォルトゥナ、ただいま戻りました」
彼女が女王? 辺りを見ると、トゥナもルームもひれ伏している。
慌てて俺も、彼女達の真似をして膝をつくのだった。──こ、こんな感じでいいのだろうか?
「皆様楽にしてください。フォルトゥナ、城を勝手に出るのは些か感心できませんが、結果を見れば文句は言えませんね。この度の件、大変ご苦労様でした」
彼女の言葉を聞き、トゥナは立ち上がる。俺もルームもそれをならい、立ち上がった。
「ありがとうございます。それと……大変心配をおかけしました、深く、深くお詫び申し上げます」
「私より、フォルテアに謝罪の言葉をのべなさい。貴女の事を誰より心配していたのは、彼女なのですから……」
「お母様が……? はい、分かりました」
トゥナに優しく微笑みかける彼女を見て俺は確信をした。間違いない──彼女は心優しき、支配者である……っと。
階段を上り奥へ進み、更に上りは奥へと進む。──それにしても、広すぎる……。こんなところに住むって、どんな気持ちなんだろうな?
ただ正直な感想、外見から想像してたよりは、内部は豪勢なものではなかった。
グローリアの城を追い出されたときには、肖像画やら壺やら甲冑やら、通りにはお高そうな品が並んでいたが、ココはそう言うものがまったくない。
──代わりと言ってはなんだけど……。
「これは……ツッコミを入れるべきなのか?」
確かに肖像画は無い、肖像画はないのだが、壁のいたるところには、似顔絵が貼ってあるのだ。
ご丁寧に、書いた人らしき名前を乗せて。
それは決して、上手いとは言えない。むしろある意味での画伯と呼ばれる方々が描いたような……。芸術って難しいな──んっ?
「こ……これは!」
驚きのあまり、つい足が止まってしまった
とんでもないものを見つけてしまった……。
クレヨンの様なもので描かれた男……だと思われる一枚の似顔絵。
その下にはなんと【フォルトゥナ 作】と明記されていたのだった。
俺が立ち止まった事に気づくトゥナが振り返ると、その顔は次第に赤く染まっていく……しまいには、トマトやリンゴ匹敵する程に赤くなったのだ。
「い、いやぁ……中々に趣がある絵だな?」
俺は悟った。ここに飾られている絵は、芸術家のそれではない。
この城に、縁があるものが描いた絵だと言うことに。
見てしまった手前、何とかフォローをしたのだが。──こ、こらルーム、笑い声が漏れてる、漏れてるから!
「二人ともお願い……これは、見なかったことにして……」
残念ながら、効果は無かったようだ。
目を潤ませながら、トゥナは深々と頭を下げる。
その姿を見て、茶化すことなどできるはずもなく「「は、はい……」」っと、ルームと共に返事をすることしか出来なかった。
城内でお姫様に頭を下げられる、そんな貴重な経験をした俺達は更に奥へと進む。
道中、もう二度程彼女の名前を見る事となったが、無事? 目的地に着いたようだ。
「こ、ここが玉座の間よ……」
ただ歩いてきただけだが、トゥナは顔が疲れきっていた。
彼女が家出する理由、今ならほんの少し理解できそうだ。
そこには門番もいなく、目の前の扉は多少大きくはあるものの、普通の木造の物だ。
またもや豪華な見た目とは程遠い……ただ、それだけことなのに何となくだが親しみを感じてしまう。
事実は知らないから想像でしかないが、この国では無理な徴税を行っていない、国民に優しい国じゃないか? そんな風に感じた。
「じゃぁ、開けるわね?」
「あ、あぁ……すっげぇ緊張してきた! 今さらだけど、俺が会っても良いものなのか?」
「あら、カナデ君怖じ気づいたのかしら? 大丈夫よ、私も居るから」
扉は木材が擦れる甲高い音を上げ、ゆっくりと開かれた。
緊張で、心臓が口から飛び出してしまいそうだ。
中には金色の縁で囲まれた赤い絨毯が、扉から真っ直ぐと引かれていた。
しばらく先には一段段差がありその高いところには、二つの玉座が並んでいたのだ。
「──ようこそいらっしゃいませ。勇者の御孫様と、そのお連れの方」
声をかけてきた主は、正面に向かって左側の玉座に腰を掛けている方だ。そこには、とても美しく気品のある女性がいた。
「お久しぶりです御座います。リベラティオ・フォルトゥナ、ただいま戻りました」
彼女が女王? 辺りを見ると、トゥナもルームもひれ伏している。
慌てて俺も、彼女達の真似をして膝をつくのだった。──こ、こんな感じでいいのだろうか?
「皆様楽にしてください。フォルトゥナ、城を勝手に出るのは些か感心できませんが、結果を見れば文句は言えませんね。この度の件、大変ご苦労様でした」
彼女の言葉を聞き、トゥナは立ち上がる。俺もルームもそれをならい、立ち上がった。
「ありがとうございます。それと……大変心配をおかけしました、深く、深くお詫び申し上げます」
「私より、フォルテアに謝罪の言葉をのべなさい。貴女の事を誰より心配していたのは、彼女なのですから……」
「お母様が……? はい、分かりました」
トゥナに優しく微笑みかける彼女を見て俺は確信をした。間違いない──彼女は心優しき、支配者である……っと。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる