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第二章 海上編─オールアウト号─
第117話 実食!!
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「──流石船長様ですね、その事にお気づきになるとは……」
俺には、ティアの言ってる意味も、船長のいっている意味も全く理解できなかった。──それほどに美味しいと言う事なのだとうか?
「なるほどなるほど、これは材料に鳥のササミ……豆乳と卵を使っているのかな?」
「正しくその通りです! そして、カツオも少々……。筋肉に必要とされる、ありとあらゆるたんぱく質を、豊富に含んだ食材を、これでもか! っと言うほど、ふんだんに扱った一品です」
あ、扱っちゃったかぁ……。
それにしても、確かにタンパク質っぽい食材ばかりだ。
脂質も比較的控えめで、地球のボディービルダーにも愛されている食材ばかり。
前に言ってた知識量……あながち間違っては無いみたいだな。
確かに間違ってはないんだけど、方向性が間違っちゃったな?
そんな事を考えていたら、俺は先程の調理風景を思い出した。
「──じゃ、じゃぁ、フランベは! フランベは何のためにやったんですか!?」
「あれですか? 一度やってみたかったに決まってるじゃないですか!」
気持ちは分かるけど、間違いなく断言できる。
その料理には必要ないだろ?
「冗談ですよ。香りがつき、味も美味しくなると聞いたことがありましたので挑戦してみたのです!」
今までの説明と内容で理解した、机上の空論ってやつだ。
初心者に有りがちな話だ……知識はあったとしても、レシピ通りの物を作らずオリジナルに走る事。
アレンジ程度でやめておけばいいものを。
でも何となく彼女の気持ちもわかる。その止められない止まらない気持ち。
可愛らしくウインクをして「液体状にすることで体内吸収も良く、手軽にとれるのが売りなんですよ?」っと話すティアの発言に、頭を抱えため息をついてしまった。
「しかし正直な所、美味しいとは言いがたいな。よく言えば素材の味そのもの……悪く言えば味がない! 粉っぽさも残っているし、香りも正直ひどいものがあるな」
ダメ出しのオンパレードだった。
筋肉に良い、以外の褒め言葉がまったくない。
今思えば、それが褒め言葉なのかも怪しいのだが。
そして、その感想に肩を落とすティアとトゥナ。
「ところで一応確認するけど、味は何でつけたんだ?」
「味付け……ですか? 素材の味を最大限に発揮できるようにですね」
俺の質問に顔を背け、明らかにばつが悪そうにするティア。──まさかな?
「普段から作ったことない品なら……勿論、味見ぐらいしたよな?」
「「…………」」
沈黙が物語る。──こいつら、絶対に味見していないだろ?
俺は無言でトゥナとティアの厨房に向かい、スプーンを取りに行った。
そしてプロテインを掬い上げ、彼女達の目の前に差し出した。
「ほら、これで味見できるだろ?」
二人は顔を向き合い、頷き合う。その後、深刻そうな面持ちで俺に向かって声をかけてきた。
「カナデ君、一つ相談があるの……」
「な、なんだよ?」
「あのですね、カナデ様。少々言い出しにくいのですが、味付けを忘れました。一掴み、一掴みでいいのです! 塩を入れさせては頂けないでしょうか?」
俺は、彼女達のまさかのお願いに、あきれ果てため息をついてしまった。
「──どうぞ、好きにしてくれ」
文字通り、敵に塩を送る事になろうとは……。
そんなやり取りをする中も「うむ、不味い! もう一杯!」と、何かが癖になってしまったのであろう船長の姿があった。
薄々気づき始めていたが、もうコレは料理の対決ではなくなっているのでは?
「それでは次は、こちらのたこ焼きとやらを頂こうか?」
プロテインをテーブルに置き片手にフォークを持つ船長が、五つあるたこ焼きの中から一つ刺し、口へと運んでいく。
──ん、おかしいぞ?
この時、俺は気づいてしまった。
本来ここには七つのたこ焼きが無いといけなかった事実に……。
そして、無くなった理由も何となくだが察しがついている。
動機もそろっているんだ、たぶんカバンを開けば証拠もすぐに見つかる。──しかし、まだその手段が分かっていないのだ。
これだけの観客の視線の中、それをばれないように犯行に及んだ方法が……。──もう少 しだけ、犯人を泳がせてみようか?
熱々……っとはもう言えないたこ焼きを、一口で頬張る船長。
目を閉じ、静かに味を堪能するように噛みしめている。そして──ゆっくりと飲み込んだ。
「な、なんなんだこれは……」
たこ焼きを食べた船長は、驚きとも取れる表情で、フォークを床に落としてしまったのだった。
俺には、ティアの言ってる意味も、船長のいっている意味も全く理解できなかった。──それほどに美味しいと言う事なのだとうか?
「なるほどなるほど、これは材料に鳥のササミ……豆乳と卵を使っているのかな?」
「正しくその通りです! そして、カツオも少々……。筋肉に必要とされる、ありとあらゆるたんぱく質を、豊富に含んだ食材を、これでもか! っと言うほど、ふんだんに扱った一品です」
あ、扱っちゃったかぁ……。
それにしても、確かにタンパク質っぽい食材ばかりだ。
脂質も比較的控えめで、地球のボディービルダーにも愛されている食材ばかり。
前に言ってた知識量……あながち間違っては無いみたいだな。
確かに間違ってはないんだけど、方向性が間違っちゃったな?
そんな事を考えていたら、俺は先程の調理風景を思い出した。
「──じゃ、じゃぁ、フランベは! フランベは何のためにやったんですか!?」
「あれですか? 一度やってみたかったに決まってるじゃないですか!」
気持ちは分かるけど、間違いなく断言できる。
その料理には必要ないだろ?
「冗談ですよ。香りがつき、味も美味しくなると聞いたことがありましたので挑戦してみたのです!」
今までの説明と内容で理解した、机上の空論ってやつだ。
初心者に有りがちな話だ……知識はあったとしても、レシピ通りの物を作らずオリジナルに走る事。
アレンジ程度でやめておけばいいものを。
でも何となく彼女の気持ちもわかる。その止められない止まらない気持ち。
可愛らしくウインクをして「液体状にすることで体内吸収も良く、手軽にとれるのが売りなんですよ?」っと話すティアの発言に、頭を抱えため息をついてしまった。
「しかし正直な所、美味しいとは言いがたいな。よく言えば素材の味そのもの……悪く言えば味がない! 粉っぽさも残っているし、香りも正直ひどいものがあるな」
ダメ出しのオンパレードだった。
筋肉に良い、以外の褒め言葉がまったくない。
今思えば、それが褒め言葉なのかも怪しいのだが。
そして、その感想に肩を落とすティアとトゥナ。
「ところで一応確認するけど、味は何でつけたんだ?」
「味付け……ですか? 素材の味を最大限に発揮できるようにですね」
俺の質問に顔を背け、明らかにばつが悪そうにするティア。──まさかな?
「普段から作ったことない品なら……勿論、味見ぐらいしたよな?」
「「…………」」
沈黙が物語る。──こいつら、絶対に味見していないだろ?
俺は無言でトゥナとティアの厨房に向かい、スプーンを取りに行った。
そしてプロテインを掬い上げ、彼女達の目の前に差し出した。
「ほら、これで味見できるだろ?」
二人は顔を向き合い、頷き合う。その後、深刻そうな面持ちで俺に向かって声をかけてきた。
「カナデ君、一つ相談があるの……」
「な、なんだよ?」
「あのですね、カナデ様。少々言い出しにくいのですが、味付けを忘れました。一掴み、一掴みでいいのです! 塩を入れさせては頂けないでしょうか?」
俺は、彼女達のまさかのお願いに、あきれ果てため息をついてしまった。
「──どうぞ、好きにしてくれ」
文字通り、敵に塩を送る事になろうとは……。
そんなやり取りをする中も「うむ、不味い! もう一杯!」と、何かが癖になってしまったのであろう船長の姿があった。
薄々気づき始めていたが、もうコレは料理の対決ではなくなっているのでは?
「それでは次は、こちらのたこ焼きとやらを頂こうか?」
プロテインをテーブルに置き片手にフォークを持つ船長が、五つあるたこ焼きの中から一つ刺し、口へと運んでいく。
──ん、おかしいぞ?
この時、俺は気づいてしまった。
本来ここには七つのたこ焼きが無いといけなかった事実に……。
そして、無くなった理由も何となくだが察しがついている。
動機もそろっているんだ、たぶんカバンを開けば証拠もすぐに見つかる。──しかし、まだその手段が分かっていないのだ。
これだけの観客の視線の中、それをばれないように犯行に及んだ方法が……。──もう少 しだけ、犯人を泳がせてみようか?
熱々……っとはもう言えないたこ焼きを、一口で頬張る船長。
目を閉じ、静かに味を堪能するように噛みしめている。そして──ゆっくりと飲み込んだ。
「な、なんなんだこれは……」
たこ焼きを食べた船長は、驚きとも取れる表情で、フォークを床に落としてしまったのだった。
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