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第1部:第1章 幼年期
第一話:誕生 (士)
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ここはヒュール王国。
人であれば亜人、人間問わず差別のない世界的にも非常に稀有な国である。
その中の一つ、メイル領。
世間では防具の街と呼ばれている。
ここに平暦1659年、守と鏡華の間に男児が生まれた。
その男児は士と名付けられ、士は戦士の様に弱い者にも偏りなく手を差し伸べることができる様になって欲しいという願いを込めて付けられた。
場所は変わりメイル領から東に100キロ離れたクリア領。
王国内で最も整っている街と呼ばれている。
同年、ここに晴一と灯の間に男児が生まれた。
その男児は繋人(けいと)と名付けられ、種族による偏見でなく自分で大事な人達と繋がれる人になって欲しいという優しい願いを込めて付けられた。
そして再び場所は変わり、メイル。
家は少し裕福な商人で、士が生まれてから暫くは父も家にいたが、士が3歳になると父は「そろそろ復帰しても良いかもしれんな。」と言っていたそうなのだが…。
その半年後。
「良し。士、今日から訓練するぞ!」
「何の訓練をするの?」
「大切なモノを守る為の訓練さ。」
「良くわからないけど…分かった!」
と、士が訓練を開始した2日後、メイル領近くの奇跡の森で衰弱した金色のワイバーンが発見された。
それを聞いた冒険者達はワイバーンの素材欲しさからワイバーン討伐に向かって行ったが、ワイバーンはとても強く、冒険者達は血だらけでメイルの街に戻ってきた。
しかし、衰弱しているとはいえ、ワイバーンをそのまま放置しておくことはできないと領主から騎士団に討伐隊を編成し、討伐するよう命が下された。
その騎士団の討伐隊の隊長は父、守の後輩で現在、隊長代理を務める女性が隊長として率いて奇跡の森へ向かった。
のだが…その討伐隊は向かった先でワイバーンを討伐する前に調査をした。
すると…そのワイバーンはメスで妊娠していることが判明した。
その事を父の後輩の女性は領主に報告。
報告を聞いた領主は街中から不要になった布類をかき集め、ワイバーンの身体の一部を隠せる程の大きな布を製作し、飛行魔法を使うことのできる魔導士数人がメスのワイバーンに作った布を被せ、その後もワイバーンの様子を頻繁に見に行き、何か足りない物があれば補充したりと、手伝ったそうだ。
その甲斐あって2ヶ月後、雌のワイバーンは無事、卵を産み、自分達の故郷へと飛び去って行ったそうだ。
その夜。
「いいなあ~。僕、まだわいばーん見たこと無いから見てみたいな。」
「そうだな…ワイバーンはとても珍しいモンスターだからな。運が良ければ見れるんじゃないか?」
「…分かった!じゃあ、わいばーんに会う為にも訓練がんばる!」
「そうか…頑張れ!」
「でも…。そうねえ~士、貴方だったらワイバーンよりももっと珍しいモンスターにも会えるかもしれないわよ?」
「…え!何?そのわいばーんよりも珍しいモンスターってなに?」
「それはお楽しみに取っておきなさい。」
「分かった!そうする!」
こうして…新しい楽しみを胸に抱いてより訓練に励むようになった。
人であれば亜人、人間問わず差別のない世界的にも非常に稀有な国である。
その中の一つ、メイル領。
世間では防具の街と呼ばれている。
ここに平暦1659年、守と鏡華の間に男児が生まれた。
その男児は士と名付けられ、士は戦士の様に弱い者にも偏りなく手を差し伸べることができる様になって欲しいという願いを込めて付けられた。
場所は変わりメイル領から東に100キロ離れたクリア領。
王国内で最も整っている街と呼ばれている。
同年、ここに晴一と灯の間に男児が生まれた。
その男児は繋人(けいと)と名付けられ、種族による偏見でなく自分で大事な人達と繋がれる人になって欲しいという優しい願いを込めて付けられた。
そして再び場所は変わり、メイル。
家は少し裕福な商人で、士が生まれてから暫くは父も家にいたが、士が3歳になると父は「そろそろ復帰しても良いかもしれんな。」と言っていたそうなのだが…。
その半年後。
「良し。士、今日から訓練するぞ!」
「何の訓練をするの?」
「大切なモノを守る為の訓練さ。」
「良くわからないけど…分かった!」
と、士が訓練を開始した2日後、メイル領近くの奇跡の森で衰弱した金色のワイバーンが発見された。
それを聞いた冒険者達はワイバーンの素材欲しさからワイバーン討伐に向かって行ったが、ワイバーンはとても強く、冒険者達は血だらけでメイルの街に戻ってきた。
しかし、衰弱しているとはいえ、ワイバーンをそのまま放置しておくことはできないと領主から騎士団に討伐隊を編成し、討伐するよう命が下された。
その騎士団の討伐隊の隊長は父、守の後輩で現在、隊長代理を務める女性が隊長として率いて奇跡の森へ向かった。
のだが…その討伐隊は向かった先でワイバーンを討伐する前に調査をした。
すると…そのワイバーンはメスで妊娠していることが判明した。
その事を父の後輩の女性は領主に報告。
報告を聞いた領主は街中から不要になった布類をかき集め、ワイバーンの身体の一部を隠せる程の大きな布を製作し、飛行魔法を使うことのできる魔導士数人がメスのワイバーンに作った布を被せ、その後もワイバーンの様子を頻繁に見に行き、何か足りない物があれば補充したりと、手伝ったそうだ。
その甲斐あって2ヶ月後、雌のワイバーンは無事、卵を産み、自分達の故郷へと飛び去って行ったそうだ。
その夜。
「いいなあ~。僕、まだわいばーん見たこと無いから見てみたいな。」
「そうだな…ワイバーンはとても珍しいモンスターだからな。運が良ければ見れるんじゃないか?」
「…分かった!じゃあ、わいばーんに会う為にも訓練がんばる!」
「そうか…頑張れ!」
「でも…。そうねえ~士、貴方だったらワイバーンよりももっと珍しいモンスターにも会えるかもしれないわよ?」
「…え!何?そのわいばーんよりも珍しいモンスターってなに?」
「それはお楽しみに取っておきなさい。」
「分かった!そうする!」
こうして…新しい楽しみを胸に抱いてより訓練に励むようになった。
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