2A×2P

ダイキ

文字の大きさ
上 下
3 / 5
第1部:第1章 幼年期

第一話:誕生 (士)

しおりを挟む
ここはヒュール王国。
人であれば亜人、人間問わず差別のない世界的にも非常に稀有な国である。
 その中の一つ、メイル領。
世間では防具の街と呼ばれている。
ここに平暦1659年、守と鏡華の間に男児が生まれた。
その男児は士と名付けられ、士は戦士の様に弱い者にも偏りなく手を差し伸べることができる様になって欲しいという願いを込めて付けられた。

場所は変わりメイル領から東に100キロ離れたクリア領。
 王国内で最も整っている街と呼ばれている。
同年、ここに晴一と灯の間に男児が生まれた。
その男児は繋人(けいと)と名付けられ、種族による偏見でなく自分で大事な人達と繋がれる人になって欲しいという優しい願いを込めて付けられた。
 
そして再び場所は変わり、メイル。
家は少し裕福な商人で、士が生まれてから暫くは父も家にいたが、士が3歳になると父は「そろそろ復帰しても良いかもしれんな。」と言っていたそうなのだが…。
 その半年後。
「良し。士、今日から訓練するぞ!」
 「何の訓練をするの?」
「大切なモノを守る為の訓練さ。」
 「良くわからないけど…分かった!」
と、士が訓練を開始した2日後、メイル領近くの奇跡の森で衰弱した金色のワイバーンが発見された。
 それを聞いた冒険者達はワイバーンの素材欲しさからワイバーン討伐に向かって行ったが、ワイバーンはとても強く、冒険者達は血だらけでメイルの街に戻ってきた。
 しかし、衰弱しているとはいえ、ワイバーンをそのまま放置しておくことはできないと領主から騎士団に討伐隊を編成し、討伐するよう命が下された。
 その騎士団の討伐隊の隊長は父、守の後輩で現在、隊長代理を務める女性が隊長として率いて奇跡の森へ向かった。
 のだが…その討伐隊は向かった先でワイバーンを討伐する前に調査をした。
 すると…そのワイバーンはメスで妊娠していることが判明した。
 その事を父の後輩の女性は領主に報告。
報告を聞いた領主は街中から不要になった布類をかき集め、ワイバーンの身体の一部を隠せる程の大きな布を製作し、飛行魔法を使うことのできる魔導士数人がメスのワイバーンに作った布を被せ、その後もワイバーンの様子を頻繁に見に行き、何か足りない物があれば補充したりと、手伝ったそうだ。
 その甲斐あって2ヶ月後、雌のワイバーンは無事、卵を産み、自分達の故郷へと飛び去って行ったそうだ。
 その夜。
「いいなあ~。僕、まだわいばーん見たこと無いから見てみたいな。」
「そうだな…ワイバーンはとても珍しいモンスターだからな。運が良ければ見れるんじゃないか?」
「…分かった!じゃあ、わいばーんに会う為にも訓練がんばる!」
「そうか…頑張れ!」
 「でも…。そうねえ~士、貴方だったらワイバーンよりももっと珍しいモンスターにも会えるかもしれないわよ?」
「…え!何?そのわいばーんよりも珍しいモンスターってなに?」
「それはお楽しみに取っておきなさい。」
 「分かった!そうする!」
こうして…新しい楽しみを胸に抱いてより訓練に励むようになった。


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性転換マッサージ

廣瀬純一
SF
性転換マッサージに通う人々の話

性転換タイムマシーン

廣瀬純一
SF
バグで性転換してしまうタイムマシーンの話

性転換ウイルス

廣瀬純一
SF
感染すると性転換するウイルスの話

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

バスト105cm巨乳チアガール”妙子” 地獄の学園生活

アダルト小説家 迎夕紀
青春
 バスト105cmの美少女、妙子はチアリーディング部に所属する女の子。  彼女の通う聖マリエンヌ女学院では女の子達に売春を強要することで多額の利益を得ていた。  ダイエットのために部活でシゴかれ、いやらしい衣装を着てコンパニオンをさせられ、そしてボロボロの身体に鞭打って下半身接待もさせられる妙子の地獄の学園生活。  ---  主人公の女の子  名前:妙子  職業:女子学生  身長:163cm  体重:56kg  パスト:105cm  ウェスト:60cm  ヒップ:95cm  ---  ----  *こちらは表現を抑えた少ない話数の一般公開版です。大幅に加筆し、より過激な表現を含む全編32話(プロローグ1話、本編31話)を読みたい方は以下のURLをご参照下さい。  https://note.com/adult_mukaiyuki/m/m05341b80803d  ---

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

美女になる洗顔フォーム

廣瀬純一
SF
洗顔すると美女になる洗顔フォームの話

処理中です...