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1章
第66話 魔王と対戦
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「あそこか......」
俺は馬に乗り、左軍の前線まで急ぐ。
魔王が来たことで魔物の侵攻スピードが明らかに上がっているため、早く行かないと手遅れになってしまう。
俺は馬を走らせながら左軍を見る。
左軍の前線は半壊しており、もういつ崩れても不思議じゃない。
そう思っていると近くにいた隊長が俺に気付き、慌ててこちらに馬を寄せる。
「カ、カーメン殿!? なぜこちらに!?」
「エトラが負傷し、指揮系統が混乱しているため俺が来た。銀髪の男はどこにいる?」
「は、はい! 今奴は……」
「儂ならここにいるぞ?」
突然、上から声がかかる。
俺は上を見てみると、そこにはワープで移動してきたのか、銀髪の男が空中に立っていた。
俺はその男の顔を見た瞬間、怒りが沸々と湧いてくるのを感じる。
「誰だお前は……」
「儂はこの魔王軍を率いた魔王、デールだ」
デールと名乗った男は、俺に向かってそう呟く。
容姿は銀髪の髪に赤い目、そして歳はかなりとっているように見える。
俺はこいつを見たのは始めてだが、体からは冷や汗が流れているのを感じる。
間違いない……こいつが本物の魔王だ。
「お前が……エトラを負傷させたのか?」
俺はデールにそう質問をする。
するとデールは下品に、そして痛快に笑った。
「ああ、あの雑魚女か。あ奴は小細工が過ぎたな、結局儂に傷をつけることすら敵わずあのざまだ」
デールはエトラを小馬鹿にするように見下ろしながらそう言う。
そしてデールはゆっくりと地面に足をつき、こちらを睨むように口を開く。
「ところで、お主は『火の賢者』で間違いないな?」
魔王は指をさしそう聞いてくる。
「いや、残念ながら俺は『火の賢者』ではないぞ」
俺がそう言うと、デールはまた下品に笑う。
そしてゆっくりと口を開いた。
「とぼけるでないぞ。その膨大な魔力量、そして最上級魔法である炎魔法、間違いなく火の賢者であろうが」
「なんなんだお前は、一体何が目的でこんな……」
「目的か、これでも見るか?」
そう言うと、デールは片手を前に出す。
すると突然本が出現した。
俺はそれを見た瞬間、驚愕する。
「ま、魔法書?」
「そうだ、これは魔法書だ。じゃがただの魔法書ではない」
デールは指をパチンと鳴らす。
すると、俺と魔王の前に六つの魔法書が現れた。
「これらの魔法書に見覚えはないか?」
「ま、まさか」
「ああ、お主が持っているであろう、『炎書』と同じ類いの魔法書だ」
俺が持っている魔法書、それは炎書のことだろう。
だが今俺の手元には炎書がない。
何故なら炎書は元々トン爺が所持していた物であり、俺はトン爺にただ最上級魔法を教えてもらっただけ。
別に炎書を持っているわけではない。
「お前は魔法書を集めているのか?」
俺は魔王にそう質問をする。
すると、デールは下品に笑った。
「集める? は、違うぞ。集めるのではない、『奪ったんだ』」
魔王はそう言ってニヤリと笑う。
「魔法書を奪う? それは一体……」
「最上級魔法が記された魔法書というのはかなりのレア物だ。こういったレア物は各国に一つあるかないかだ」
魔王はそう呟くと、笑みを浮かべながらこちらを見つめる。
「つまりお前は国を滅ぼして魔法書を奪ってるって事か」
俺は魔王に向かってそう言う。
すると、魔王はまた笑い始めた。
その笑い声に、俺は少し恐怖を感じる。
「ふはははは! その通りだ! そしてアルバラン王国には『水書』があると聞いてのう。その水書を奪うために軍を出したのだが、どうやら『炎書』も見つかったようだな」
こいつは魔法書を奪うために軍を出したのか。
やっと魔王軍の目的が分かったぞ。
「そうか、じゃあデール、俺はお前を倒す!」
「出来るものならやってみろ」
俺達は同時に地を蹴り、お互いに距離を縮める。
《最上級魔法 炎竜憑依》
俺は炎竜を憑依させ、魔力を増大させる。
本来は上級魔法を使って相手の隙を作りたいが、相手は魔王、最初から本気で行くしかない。
「カーメン殿!!! 我らも加勢を!」
「お前たちは手を出すな!」
俺の近くにいた兵士、いや、左軍全体が俺に加勢しようとするのを止める。
俺と魔王が戦っている間、左軍と魔王軍は睨み合いが続く。
何故ならお互い総大将が戦っているためだ。
「行くぞ魔王!!! 《最上級魔法 火槍!!!》」
俺は片手を上にあげ、炎槍を生成し、魔王に向かって投げる。
火槍はとてつもない火力であり、周りの空気は焼けるように熱い。
「ふむ、ならこの魔法ならどうかな?」
魔王は空中に浮かんでいる六つの魔法書の中から、黄色の魔法書に触れる。
《最上級魔法 雷竜》
すると雷の竜が火槍に向かって突進していき、俺の火槍を喰ってしまう。
「ちっ、《最上級魔法 炎星》」
俺はすぐさま火星を生成し、それを雷竜に向かって放つ。
そして雷竜は火星を喰らって消滅した。
「こいつは驚いた、流石は炎の魔法だな」
魔王はそう言って手を叩く。
「余裕ぶってるのも今のうちだぞ!」
俺はそう言い魔王の方に駆け出そうとすると、目の前に大きな魔法陣が現れる。
《最上級魔法 へデラ》
その瞬間地面から大量の黒い蔓が生え、俺のことを拘束しようとする。
《最上級魔法 獄炎》
俺は拘束しようとする蔓を燃やすため、獄炎を使う。
獄炎は蔓を燃やし続け、魔王の放った蔓は全て消滅した。
「魔法の相性ぐらい考えて撃って欲しいものだな」
俺はそう呟いて魔王の方に目を向けるが、魔王はまだ余裕な表情をしている。
まだ裏がありそうだな、いつ魔王が攻撃方法を変えるか分からない。
それならもっとテンポをあげて、早く魔王を追い詰めるしかない。
俺はそう思いながら、全速力で地面を駆ける。
《最上級魔法 黒炎》
俺は両手を前にだし、魔王に向かって大量の黒炎の球体を放つ。
「ふっ、こんなもの避けてしまえば……」
「残念ながらそうはいかないな」
俺がそう言うと、俺が放った黒炎の球体が分裂し、魔王に全方向から襲い掛かる。
「な、分裂だと!?」
魔王は流石に避けることはできないと判断したのか、魔力壁を張ったようだ。
そして全方向から来る黒炎の球体を防ぐ。
だが完全には防げないようで、体のあちこちから出血している。
「な、なんという魔力じゃ」
俺は馬に乗り、左軍の前線まで急ぐ。
魔王が来たことで魔物の侵攻スピードが明らかに上がっているため、早く行かないと手遅れになってしまう。
俺は馬を走らせながら左軍を見る。
左軍の前線は半壊しており、もういつ崩れても不思議じゃない。
そう思っていると近くにいた隊長が俺に気付き、慌ててこちらに馬を寄せる。
「カ、カーメン殿!? なぜこちらに!?」
「エトラが負傷し、指揮系統が混乱しているため俺が来た。銀髪の男はどこにいる?」
「は、はい! 今奴は……」
「儂ならここにいるぞ?」
突然、上から声がかかる。
俺は上を見てみると、そこにはワープで移動してきたのか、銀髪の男が空中に立っていた。
俺はその男の顔を見た瞬間、怒りが沸々と湧いてくるのを感じる。
「誰だお前は……」
「儂はこの魔王軍を率いた魔王、デールだ」
デールと名乗った男は、俺に向かってそう呟く。
容姿は銀髪の髪に赤い目、そして歳はかなりとっているように見える。
俺はこいつを見たのは始めてだが、体からは冷や汗が流れているのを感じる。
間違いない……こいつが本物の魔王だ。
「お前が……エトラを負傷させたのか?」
俺はデールにそう質問をする。
するとデールは下品に、そして痛快に笑った。
「ああ、あの雑魚女か。あ奴は小細工が過ぎたな、結局儂に傷をつけることすら敵わずあのざまだ」
デールはエトラを小馬鹿にするように見下ろしながらそう言う。
そしてデールはゆっくりと地面に足をつき、こちらを睨むように口を開く。
「ところで、お主は『火の賢者』で間違いないな?」
魔王は指をさしそう聞いてくる。
「いや、残念ながら俺は『火の賢者』ではないぞ」
俺がそう言うと、デールはまた下品に笑う。
そしてゆっくりと口を開いた。
「とぼけるでないぞ。その膨大な魔力量、そして最上級魔法である炎魔法、間違いなく火の賢者であろうが」
「なんなんだお前は、一体何が目的でこんな……」
「目的か、これでも見るか?」
そう言うと、デールは片手を前に出す。
すると突然本が出現した。
俺はそれを見た瞬間、驚愕する。
「ま、魔法書?」
「そうだ、これは魔法書だ。じゃがただの魔法書ではない」
デールは指をパチンと鳴らす。
すると、俺と魔王の前に六つの魔法書が現れた。
「これらの魔法書に見覚えはないか?」
「ま、まさか」
「ああ、お主が持っているであろう、『炎書』と同じ類いの魔法書だ」
俺が持っている魔法書、それは炎書のことだろう。
だが今俺の手元には炎書がない。
何故なら炎書は元々トン爺が所持していた物であり、俺はトン爺にただ最上級魔法を教えてもらっただけ。
別に炎書を持っているわけではない。
「お前は魔法書を集めているのか?」
俺は魔王にそう質問をする。
すると、デールは下品に笑った。
「集める? は、違うぞ。集めるのではない、『奪ったんだ』」
魔王はそう言ってニヤリと笑う。
「魔法書を奪う? それは一体……」
「最上級魔法が記された魔法書というのはかなりのレア物だ。こういったレア物は各国に一つあるかないかだ」
魔王はそう呟くと、笑みを浮かべながらこちらを見つめる。
「つまりお前は国を滅ぼして魔法書を奪ってるって事か」
俺は魔王に向かってそう言う。
すると、魔王はまた笑い始めた。
その笑い声に、俺は少し恐怖を感じる。
「ふはははは! その通りだ! そしてアルバラン王国には『水書』があると聞いてのう。その水書を奪うために軍を出したのだが、どうやら『炎書』も見つかったようだな」
こいつは魔法書を奪うために軍を出したのか。
やっと魔王軍の目的が分かったぞ。
「そうか、じゃあデール、俺はお前を倒す!」
「出来るものならやってみろ」
俺達は同時に地を蹴り、お互いに距離を縮める。
《最上級魔法 炎竜憑依》
俺は炎竜を憑依させ、魔力を増大させる。
本来は上級魔法を使って相手の隙を作りたいが、相手は魔王、最初から本気で行くしかない。
「カーメン殿!!! 我らも加勢を!」
「お前たちは手を出すな!」
俺の近くにいた兵士、いや、左軍全体が俺に加勢しようとするのを止める。
俺と魔王が戦っている間、左軍と魔王軍は睨み合いが続く。
何故ならお互い総大将が戦っているためだ。
「行くぞ魔王!!! 《最上級魔法 火槍!!!》」
俺は片手を上にあげ、炎槍を生成し、魔王に向かって投げる。
火槍はとてつもない火力であり、周りの空気は焼けるように熱い。
「ふむ、ならこの魔法ならどうかな?」
魔王は空中に浮かんでいる六つの魔法書の中から、黄色の魔法書に触れる。
《最上級魔法 雷竜》
すると雷の竜が火槍に向かって突進していき、俺の火槍を喰ってしまう。
「ちっ、《最上級魔法 炎星》」
俺はすぐさま火星を生成し、それを雷竜に向かって放つ。
そして雷竜は火星を喰らって消滅した。
「こいつは驚いた、流石は炎の魔法だな」
魔王はそう言って手を叩く。
「余裕ぶってるのも今のうちだぞ!」
俺はそう言い魔王の方に駆け出そうとすると、目の前に大きな魔法陣が現れる。
《最上級魔法 へデラ》
その瞬間地面から大量の黒い蔓が生え、俺のことを拘束しようとする。
《最上級魔法 獄炎》
俺は拘束しようとする蔓を燃やすため、獄炎を使う。
獄炎は蔓を燃やし続け、魔王の放った蔓は全て消滅した。
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俺はそう呟いて魔王の方に目を向けるが、魔王はまだ余裕な表情をしている。
まだ裏がありそうだな、いつ魔王が攻撃方法を変えるか分からない。
それならもっとテンポをあげて、早く魔王を追い詰めるしかない。
俺はそう思いながら、全速力で地面を駆ける。
《最上級魔法 黒炎》
俺は両手を前にだし、魔王に向かって大量の黒炎の球体を放つ。
「ふっ、こんなもの避けてしまえば……」
「残念ながらそうはいかないな」
俺がそう言うと、俺が放った黒炎の球体が分裂し、魔王に全方向から襲い掛かる。
「な、分裂だと!?」
魔王は流石に避けることはできないと判断したのか、魔力壁を張ったようだ。
そして全方向から来る黒炎の球体を防ぐ。
だが完全には防げないようで、体のあちこちから出血している。
「な、なんという魔力じゃ」
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