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1章
第50話 リアと作戦会議 クレハ視点
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「まさか、こんな状況になっているなんて……」
私は今、リアと屋敷で情報整理をしている。
アルバアン王国は現在魔王軍により次々と城塞都市が襲われているという。
それに領土の半分は、魔王軍に支配されてしまったとか。
「リア、他国はどうなの?」
私がそう聞くと、リアは一瞬驚きの表情をしたものの、困ったように小さく笑みを浮かべる。
「他国は静観しています。アルバラン王国が陥落すれば、他国にとってはありがたいですからね」
確かにリアの言う通りだ。
アルバラン王国が陥落してしまえば、ハーキムを守る『盾』は存在しない。
「なんとかしてアルバラン王国に向かいたいけど……」
「この地図を見てください、クレハさん」
リアはそう言って、地図を出す。
地図を見るとアルバラン王国の周辺が表されている。
この地図を見る限り、アルバラン王国に行くには城塞都市の近くを通る必要がある。
するとリアは、地図の右端の方を指差す。
「この城塞都市《胡威》が現在、魔王軍と戦場となっている場所です。まだ新しい情報が入ってきてないので、正確にはわかりませんが……」
「ねえリア、この城塞都市の名前って何?」
私は《胡威》を超えた先にある城塞都市を指差して尋ねる。
「この城塞都市は《華陽》という場所です」
リアはそう言うと、華陽の場所を詳しく説明してくれる。
華陽は王都を守る最終防衛線のようなものであり、この城塞都市が陥落したら王都まですぐに到達され、王都は魔王軍に占領されてしまう。
「だけど《華陽》はあまり戦力が整っていない上に、武将もいないんです」
「てことは《胡威》が戦場になるのね」
するとリアは首を縦に振る。
どうやらこの《胡威》という城塞都市は戦場に向いた城壁であり、多くの兵士を抱えているようだ。
だが、もしこの《胡威》が陥落したら《華陽》が魔王軍と戦うことになる。
それはほぼ負けが確定しているような戦いだ。
「それじゃあ私たちは《胡威》に向かえば良いのね」
「はい、一応アデルお兄様が1万の軍を連れているみたいですけど」
「1万の軍!?」
1万もの大軍を率いていることにも驚いたが、それよりなぜ総大将にアデル王子がなっているのかが、まず疑問だ。
「なぜロランお兄様が総大将にならなかったのかは分かりませんが……」
確かにロラン師匠なら、総大将になってもおかしくない実力を持っている。
だが、ロラン師匠はアデル王子に指揮権を譲ったようだ。
「今ロランお兄様はアルバラン王国にいるはずです。だからいずれ私たちと合流できるでしょう」
リアはそう呟く。
もしかして冒険者としてアルバラン王国にいるのか……いずれにしてもロラン師匠がアルバラン王国にいれば心強い。
「そういえばセレスはどうしているの?」
私は前から疑問だったことを、リアに尋ねてみる。
「セレスさんは疲労で少し休んでいます。おそらく明日には回復すると思いますよ」
明日……という事は、ちょうど私の剣も完成するだろう。
「分かりました、では明日、アルバラン王国に向かいましょう」
私がそう言うとリアが頷く。
そうして私たちは明日の出発に備えて、アルバラン王国への作戦を立てるのであった。
私は今、リアと屋敷で情報整理をしている。
アルバアン王国は現在魔王軍により次々と城塞都市が襲われているという。
それに領土の半分は、魔王軍に支配されてしまったとか。
「リア、他国はどうなの?」
私がそう聞くと、リアは一瞬驚きの表情をしたものの、困ったように小さく笑みを浮かべる。
「他国は静観しています。アルバラン王国が陥落すれば、他国にとってはありがたいですからね」
確かにリアの言う通りだ。
アルバラン王国が陥落してしまえば、ハーキムを守る『盾』は存在しない。
「なんとかしてアルバラン王国に向かいたいけど……」
「この地図を見てください、クレハさん」
リアはそう言って、地図を出す。
地図を見るとアルバラン王国の周辺が表されている。
この地図を見る限り、アルバラン王国に行くには城塞都市の近くを通る必要がある。
するとリアは、地図の右端の方を指差す。
「この城塞都市《胡威》が現在、魔王軍と戦場となっている場所です。まだ新しい情報が入ってきてないので、正確にはわかりませんが……」
「ねえリア、この城塞都市の名前って何?」
私は《胡威》を超えた先にある城塞都市を指差して尋ねる。
「この城塞都市は《華陽》という場所です」
リアはそう言うと、華陽の場所を詳しく説明してくれる。
華陽は王都を守る最終防衛線のようなものであり、この城塞都市が陥落したら王都まですぐに到達され、王都は魔王軍に占領されてしまう。
「だけど《華陽》はあまり戦力が整っていない上に、武将もいないんです」
「てことは《胡威》が戦場になるのね」
するとリアは首を縦に振る。
どうやらこの《胡威》という城塞都市は戦場に向いた城壁であり、多くの兵士を抱えているようだ。
だが、もしこの《胡威》が陥落したら《華陽》が魔王軍と戦うことになる。
それはほぼ負けが確定しているような戦いだ。
「それじゃあ私たちは《胡威》に向かえば良いのね」
「はい、一応アデルお兄様が1万の軍を連れているみたいですけど」
「1万の軍!?」
1万もの大軍を率いていることにも驚いたが、それよりなぜ総大将にアデル王子がなっているのかが、まず疑問だ。
「なぜロランお兄様が総大将にならなかったのかは分かりませんが……」
確かにロラン師匠なら、総大将になってもおかしくない実力を持っている。
だが、ロラン師匠はアデル王子に指揮権を譲ったようだ。
「今ロランお兄様はアルバラン王国にいるはずです。だからいずれ私たちと合流できるでしょう」
リアはそう呟く。
もしかして冒険者としてアルバラン王国にいるのか……いずれにしてもロラン師匠がアルバラン王国にいれば心強い。
「そういえばセレスはどうしているの?」
私は前から疑問だったことを、リアに尋ねてみる。
「セレスさんは疲労で少し休んでいます。おそらく明日には回復すると思いますよ」
明日……という事は、ちょうど私の剣も完成するだろう。
「分かりました、では明日、アルバラン王国に向かいましょう」
私がそう言うとリアが頷く。
そうして私たちは明日の出発に備えて、アルバラン王国への作戦を立てるのであった。
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