45 / 72
1章
第45話 リアと合流 クレハ視点
しおりを挟む
「ロ、ロラン師匠! どこですか?」
私は今、ロラン師匠を探している。
先ほど『緊急会議に呼ばれた』と言っていたので王城に行っていると思うのだが、時間も経ってるし、もう会議は終わっているはずだ。
なのにロラン師匠が一向に帰ってこない。
(もしかして何かあったんじゃ……)
そんな不安な気持ちが私を襲う。
「だけど私、王城に入れないし……」
流石に私が勝手に城に入ろうとすると、兵士の方に取り押さえられかねない。
いつもロラン師匠とは屋敷で会っているし、城に入る機会なんて滅多にない。
そんなことを考えながら門の近くをウロウロとしていると、聞き覚えのある声が私の耳に入ってきた。
「クレハさん?」
ふと顔を上げて声の主を探してみると、そこにはロラン師匠の妹、リアがいた。
「リア! ロラン師匠がどこにいるか知っていますか?」
私はそう尋ねる。
するとリアは、少し考えるような仕草をしてすぐに口を開いた。
「私もあまり分からないのですが……アルバラン王国に向かったと聞きました」
「アルバラン王国?」
「じ、実は、アルバラン王国は魔王軍に攻められ、陥落寸前なんです」
「え!?」
私は思わず声を漏らす。
アルバラン王国が陥落寸前、それは少なからず衝撃的な情報だった。
「私は今から屋敷に戻ろうと思うんですけど、クレハさんも来ませんか? 情報を共有した方が良いと思うんです」
確かにリアの言う通りだ。
私もアルバラン王国に行ってロラン師匠と一緒に戦いたい。
だが、今の情報の量だとアルバラン王国に行っても足でまといになってしまうだろう。
「はい、私も一緒に行きます」
私がそう言うと、リアは微笑んで頷く。
そうして私達は情報を共有すべく、屋敷に向かうのだった。
私は今、ロラン師匠を探している。
先ほど『緊急会議に呼ばれた』と言っていたので王城に行っていると思うのだが、時間も経ってるし、もう会議は終わっているはずだ。
なのにロラン師匠が一向に帰ってこない。
(もしかして何かあったんじゃ……)
そんな不安な気持ちが私を襲う。
「だけど私、王城に入れないし……」
流石に私が勝手に城に入ろうとすると、兵士の方に取り押さえられかねない。
いつもロラン師匠とは屋敷で会っているし、城に入る機会なんて滅多にない。
そんなことを考えながら門の近くをウロウロとしていると、聞き覚えのある声が私の耳に入ってきた。
「クレハさん?」
ふと顔を上げて声の主を探してみると、そこにはロラン師匠の妹、リアがいた。
「リア! ロラン師匠がどこにいるか知っていますか?」
私はそう尋ねる。
するとリアは、少し考えるような仕草をしてすぐに口を開いた。
「私もあまり分からないのですが……アルバラン王国に向かったと聞きました」
「アルバラン王国?」
「じ、実は、アルバラン王国は魔王軍に攻められ、陥落寸前なんです」
「え!?」
私は思わず声を漏らす。
アルバラン王国が陥落寸前、それは少なからず衝撃的な情報だった。
「私は今から屋敷に戻ろうと思うんですけど、クレハさんも来ませんか? 情報を共有した方が良いと思うんです」
確かにリアの言う通りだ。
私もアルバラン王国に行ってロラン師匠と一緒に戦いたい。
だが、今の情報の量だとアルバラン王国に行っても足でまといになってしまうだろう。
「はい、私も一緒に行きます」
私がそう言うと、リアは微笑んで頷く。
そうして私達は情報を共有すべく、屋敷に向かうのだった。
321
お気に入りに追加
1,558
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる