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1章
第41話 緊急会議
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「何でこのタイミングで緊急会議が行われるんだ......」
俺は今、王の間に向かって走っている。
先ほど王都の鍛冶屋にいたんだが、突然ポケットに入っていた魔法鏡の音が鳴ってな。
俺たち王族は陛下から連絡先として魔法鏡を渡されている。
その魔法鏡が鳴るってことは、大抵何らかの事件が発生した時だ。
「ロラン殿下、お急ぎください!」
全く、今はゆったりとしたい気分だったというのに。
そう思いながら俺は足を走らせる。
そして扉の前までたどり着き、勢いよく扉を開ける。
扉を開けると既に顔覚えのあるメンバーが揃っていた。
集められたのは王族のリア、アリス、アデルだ。
王族が全員集合という時点で、結構ヤバイ状況だと分かる。
「ロラン、突然の招集、すまないな」
そう言って、父上は俺に謝る。
だが俺はその事について特に何も言うことはない。
それよりも今は緊急会議の理由の方が気になるのだ。
すると俺のそんな考えを読み取ったのか、陛下が口を開く。
「我が王国、ハーキムは、今未曾有の危機に直面している」
そして陛下が続けて口を開く。
その口から発せられたのは、衝撃的な一言であった。
「我が同盟国、アルバラン王国が魔王軍により攻撃を受けた」
俺はその言葉の意味を一瞬頭が真っ白になる。
アルバラン王国は、この王国と現在同盟関係にある国であり、敵国からハーキム王国を守る盾としてよ重要な役割を果たしてくれている。
そのアルバラン王国が危機に陥っているなんて、とてもじゃないが信じられないことだ。
だが俺が驚愕している間にも、話はどんどん進んでいく。
「アルバラン王国は数日で領土を半分近く魔王軍によって奪われており、陥落するのも時間の問題だ」
陛下がそう告げる。
俺はこの話を聞いても、まだ信じられないでいた。
アルバラン王国は、今までどんな敵にも屈することがなかった。
そんな国が、たったの数日で……。
その事を考えると、俺は恐怖を覚える。
原作でも、こんなに早い段階で魔王軍に攻められてはいなかった。
「そこでだ、アルバラン王国から援軍の要請が届いている」
「援軍……!?」
「ああ、それでお前たちの中から1人、アルバラン王国まで援軍を率いて欲しいのだ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は思わず絶句する。
「で、ですが陛下、軍を率いるなら将軍クラスの者に……」
横で話を聞いていたリア達も俺の考えに賛同する。
すると陛下は頷いて口を開く。
「お前の言い分はもっともだ。だが、運が悪いことにその将軍達が皆、遠征、そして国境の警備に駆り出されているのだ」
その言葉を聞くと俺は再び呆然とする。
そして絶望はどんどんと色濃くなって行き、胃を絞め付けた。
「で、ではセレスはどうでしょうか?」
「セレスはダンジョン攻略の影響で疲労が溜まっているらしくてな、今は部屋で休んでおる」
陛下はそう告げる。
確かにダンジョン攻略後だ、疲労が溜まるのも無理はないだろう。
「父上……僕に行かせてください……!」
するとアデルが先手をうつように、陛下に頼み込む。
すると横にいたアリスが、アデルに突っかかる。
「貴方が行って一体何が出来るの? 私が行った方が良いに決まっているわ」
「な、何!? 剣も振れないお前が行って何になる? それに僕は魔法も使える、僕ならアルバラン王国を救えるかもしれない」
「アデルは中途半端な魔法しか使えないでしょう? なら、私が行くのが1番よ」
そんな2人の言い争いに陛下がため息混じりに口を開く。
「リアはどちらが良いと思う?」
「私は……ロランお兄様が良いと思います」
俺は今、王の間に向かって走っている。
先ほど王都の鍛冶屋にいたんだが、突然ポケットに入っていた魔法鏡の音が鳴ってな。
俺たち王族は陛下から連絡先として魔法鏡を渡されている。
その魔法鏡が鳴るってことは、大抵何らかの事件が発生した時だ。
「ロラン殿下、お急ぎください!」
全く、今はゆったりとしたい気分だったというのに。
そう思いながら俺は足を走らせる。
そして扉の前までたどり着き、勢いよく扉を開ける。
扉を開けると既に顔覚えのあるメンバーが揃っていた。
集められたのは王族のリア、アリス、アデルだ。
王族が全員集合という時点で、結構ヤバイ状況だと分かる。
「ロラン、突然の招集、すまないな」
そう言って、父上は俺に謝る。
だが俺はその事について特に何も言うことはない。
それよりも今は緊急会議の理由の方が気になるのだ。
すると俺のそんな考えを読み取ったのか、陛下が口を開く。
「我が王国、ハーキムは、今未曾有の危機に直面している」
そして陛下が続けて口を開く。
その口から発せられたのは、衝撃的な一言であった。
「我が同盟国、アルバラン王国が魔王軍により攻撃を受けた」
俺はその言葉の意味を一瞬頭が真っ白になる。
アルバラン王国は、この王国と現在同盟関係にある国であり、敵国からハーキム王国を守る盾としてよ重要な役割を果たしてくれている。
そのアルバラン王国が危機に陥っているなんて、とてもじゃないが信じられないことだ。
だが俺が驚愕している間にも、話はどんどん進んでいく。
「アルバラン王国は数日で領土を半分近く魔王軍によって奪われており、陥落するのも時間の問題だ」
陛下がそう告げる。
俺はこの話を聞いても、まだ信じられないでいた。
アルバラン王国は、今までどんな敵にも屈することがなかった。
そんな国が、たったの数日で……。
その事を考えると、俺は恐怖を覚える。
原作でも、こんなに早い段階で魔王軍に攻められてはいなかった。
「そこでだ、アルバラン王国から援軍の要請が届いている」
「援軍……!?」
「ああ、それでお前たちの中から1人、アルバラン王国まで援軍を率いて欲しいのだ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は思わず絶句する。
「で、ですが陛下、軍を率いるなら将軍クラスの者に……」
横で話を聞いていたリア達も俺の考えに賛同する。
すると陛下は頷いて口を開く。
「お前の言い分はもっともだ。だが、運が悪いことにその将軍達が皆、遠征、そして国境の警備に駆り出されているのだ」
その言葉を聞くと俺は再び呆然とする。
そして絶望はどんどんと色濃くなって行き、胃を絞め付けた。
「で、ではセレスはどうでしょうか?」
「セレスはダンジョン攻略の影響で疲労が溜まっているらしくてな、今は部屋で休んでおる」
陛下はそう告げる。
確かにダンジョン攻略後だ、疲労が溜まるのも無理はないだろう。
「父上……僕に行かせてください……!」
するとアデルが先手をうつように、陛下に頼み込む。
すると横にいたアリスが、アデルに突っかかる。
「貴方が行って一体何が出来るの? 私が行った方が良いに決まっているわ」
「な、何!? 剣も振れないお前が行って何になる? それに僕は魔法も使える、僕ならアルバラン王国を救えるかもしれない」
「アデルは中途半端な魔法しか使えないでしょう? なら、私が行くのが1番よ」
そんな2人の言い争いに陛下がため息混じりに口を開く。
「リアはどちらが良いと思う?」
「私は……ロランお兄様が良いと思います」
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