39 / 72
1章
第39話 どうしてこうなる!? アデル視点
しおりを挟む
「どうしてこうなるんだ……」
僕は一人そう呟く。
あのロランという男、あいつは一体何者なんだ?
神玉を取り込んだ?
それにあの魔法は一体……。
僕はそんなことを考えていると、横でアリスが口を開く。
「あれは恐らく炎書よ」
「炎書? それってあの有名な魔法書か?」
炎書とは、先人の魔法使い達が残した書物だ。
だがその本は誰も手に入れることが出来ないと言われている。
「元々炎書は『火の賢者』が所持していた魔法書よ。それをあのロランが所有しているんだわ」
アリスは焦ったような、悔しそうな声を上げる。
「くそ、神玉も持っていかれてしまったし……」
神玉は今後魔王との戦いで、重要な武器になるはずだ。
その神玉がロランの手元に渡ってしまったのはかなりマズイ。
そう思っているとアリスはため息混じりに呟く。
「もうこのダンジョンに用はないわ。帰りましょう」
「分かった、それじゃあ転移石を使って帰ろう」
「何を言っているの?」
するとアリスは目を見開いて、驚いている。
僕は今、何かおかしいことを言ってしまっただろうか?
だがその考えはすぐに消え失せる。
アリスの一言によって。
「転移石は貴重なものなのよ? 歩いて帰るに決まっているわ」
まさかと思い僕は耳を疑った。
いや、確かに原作ではアリスは意外と真面目な性格だった気がする。
「ふざけるな! 神玉が取られたんだぞ!? 早く学園に戻って対策を立てなければ……」
僕はそう言って、転移石を取り出そうとするが、アリスに腕を捕まれてしまう。
そして彼女は冷たい目をして僕に告げる。
「それともここで、死にたいの?」
僕は思わずたじろぐ。
当然だ、僕は今魔力も体力も消耗しきっている。
「しっかり案内しなさいよ」
「わ、分かった」
ここで言い争っていても仕方がないと思い、僕は渋々了承するのだった……。
僕は一人そう呟く。
あのロランという男、あいつは一体何者なんだ?
神玉を取り込んだ?
それにあの魔法は一体……。
僕はそんなことを考えていると、横でアリスが口を開く。
「あれは恐らく炎書よ」
「炎書? それってあの有名な魔法書か?」
炎書とは、先人の魔法使い達が残した書物だ。
だがその本は誰も手に入れることが出来ないと言われている。
「元々炎書は『火の賢者』が所持していた魔法書よ。それをあのロランが所有しているんだわ」
アリスは焦ったような、悔しそうな声を上げる。
「くそ、神玉も持っていかれてしまったし……」
神玉は今後魔王との戦いで、重要な武器になるはずだ。
その神玉がロランの手元に渡ってしまったのはかなりマズイ。
そう思っているとアリスはため息混じりに呟く。
「もうこのダンジョンに用はないわ。帰りましょう」
「分かった、それじゃあ転移石を使って帰ろう」
「何を言っているの?」
するとアリスは目を見開いて、驚いている。
僕は今、何かおかしいことを言ってしまっただろうか?
だがその考えはすぐに消え失せる。
アリスの一言によって。
「転移石は貴重なものなのよ? 歩いて帰るに決まっているわ」
まさかと思い僕は耳を疑った。
いや、確かに原作ではアリスは意外と真面目な性格だった気がする。
「ふざけるな! 神玉が取られたんだぞ!? 早く学園に戻って対策を立てなければ……」
僕はそう言って、転移石を取り出そうとするが、アリスに腕を捕まれてしまう。
そして彼女は冷たい目をして僕に告げる。
「それともここで、死にたいの?」
僕は思わずたじろぐ。
当然だ、僕は今魔力も体力も消耗しきっている。
「しっかり案内しなさいよ」
「わ、分かった」
ここで言い争っていても仕方がないと思い、僕は渋々了承するのだった……。
399
お気に入りに追加
1,552
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる