無能な悪役王子に転生した俺、推しの為に暗躍していたら主人公がキレているようです。どうやら主人公も転生者らしい~

そらら

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1章

第23話 魔力Aクラス決まる

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「ここがAクラスか」
 
 魔力測定が終了し、俺達は今Aクラスの教室にいる。

 そして教室は、前世で通っていた学校とは全く違った。
 
 まず広さが違う。
 
 普通の学校の教室よりもかなり広く、机や椅子も高級品なのか、とても座り心地が良さそうだ。
 
「さすが魔法学園、色々とすごいな」
 
 俺は辺りを見渡していると、見覚えのある人物と目が合う。
 
 その人物は近衛騎士団の隊長、セシルだった。

 まあセシルの魔力数は2000ぐらいだし、Aクラスに入って来るのは予想していた。
 
「よし、そろそろ何処かに座るか」
 
「はい、私はロラン師匠の隣がいいです」
 
「私もロランお兄様の隣がいいです」
 
 そう言って俺の両サイドに座ってくる2人。

 俺はそんな2人の頭を撫でながら席に座ると、教室のドアが開き生徒が1人入ってくる。
 
「ははは! ここがAクラスか!」
 
 そう高笑いをしながら入ってきたのは、アデルだった。

 アデルの登場に教室内がざわつく。

   (第二王子のアデル・レット・ハーキム様よ!)
 
 (流石、第二王子だけあって、風格も凄いですわ!)
 
 (だけど魔力数600って噂だけどね)
 
 俺の時は静かだったのに、アデルの登場には騒がしくなる教室。
 
「さてどこに座ろうか……な!?」
 
 そんな事を呟きながらアデルは教室を見渡すと、俺の存在に気づく。
 
「な、何でロランがリア達と座っているんだ!」
 
 アデルはそう言って俺を睨んでくる。

 すると横に座っていたリアが立ち上がり、アデルに言う。
 
「私はロランお兄様と座りたいから座っただけです」
 
「な、何でだ!? そいつは怠惰な無能の王子だぞ!?」
 
「そういう発言はやめて下さい、アデルお兄様」
 
 アデルの言葉に、リアは怒りを露わにする。

 リアがここまで怒るなんて珍しい。

 原作でもほぼ怒らなかったあのリアが、だ。
 
 アデルもリアの迫力に気圧されたのか、たじろぐ。

 クラスの皆もリアが怒っていることに驚いている様子だ。
 
「く、くそ、何で俺が!?」
 
「さっさと、何処かに座ったらどうですか? アデルお兄様」
 
 リアはそう冷たく言い放つ。

 そんなリアに気圧されたのか、アデルは俺から離れて、教室の端の席に座った。
 
 俺はそんな2人のやり取りを見て唖然としていた。
 
 まさか原作であんなに仲が良かった2人が、ここまで険悪な関係になるなんて思いもよらなかったからだ。

 俺は顔を引き攣らせながら周りを見ると、クラスの皆がリアに驚きの眼差しを向けている。

 そして後ろの席に座っているアリスとセレスも、リアを驚いた表情で見ている。

 流石にリアがここまで怒るなんて想定外なんだろう。
 
「すみません、ロランお兄様。勝手なことを言ってしまい」
 
 リアはそう俺に謝る。
 
「いや、いいんだ。俺のために怒ってくれたんだろう? 俺は素直に嬉しいよ」
 
 俺はそう言いながら、リアの頭を再び優しく撫でた。

 するとクラスの皆が俺達を見て話し始める。
 
(驚いたわ、あのリア様でも怒ることなんてあるのね)
 
(そうね、それにあのアデル様にあんな態度を取るだなんて)
 
 どうやら皆は、今のリアを見て驚いているようだ。
 
 教室の隅にいるアデルは俺を睨みつけながら、何かブツブツと呟いている。

「俺の学園生活、大丈夫だろうか?」
 
 俺はため息混じりにそう呟くのだった。
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