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序章
第16話 アリス視点
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「その情報、本当なの?」
「はい、間違いありません」
ここは王城にある執務室。
そこで魔法鏡を使い、私は一人の兵士と会話をしていた。
私は第二王女、アリス・レット・ハーキム。
歳は17歳、髪色は紫でロングヘア、顔立ちが整っており、王女として最高の教育を受けて育った。
そんな私はある悩みを抱えている。
それは、王位争いである。
この国では王族同士で支持率を取り合い、最後に一番支持率が多かった者だけが王位を継承できるという制度がある。
そして私はその王位争いに参加をしている。
何故なら私はこの王国を魔法大国にしたいと思っているからだ。
私が王になれば、魔法でこの国を発展させ、より良い国を作ることができるだろう。
そしていつかは禁断の魔法書を使用し、この大陸を支配したいと考えている。
正直言って、表向きは王国をより良い国にするために励んでいるため、多くの人に好かれていると思う。
だが私は禁断の魔法書を使いたいという野望がある。
それは決して許されざる行為であり、周囲の人間には決して知られてはいけない事だ。
だが王位に就けるのであれば、禁断の魔法書を使い他国を支配する事が出来る。
だから私は王位を狙っているのだ。
事は順調に進み、私の支持率はどんどん集まってきている。
しかしそんな中、突然兵士からある情報が入った。
「仮面の男? 誰だか知らないけど、気にしすぎじゃないかしら?」
「そ、それが、セレスさんと互角に戦っていたんです」
「セレスと? それは本当なの?」
私がそう言うと、兵士は頷きながら口を開く。
「はい、実際にこの目で確認しました」
私は少し考える。
セレスは王国でもトップクラスの剣士だ。
そのセレスと互角に戦うなんて、只者ではない事は分かる。
「その仮面の男はどうやって戦っていたの?」
「魔法です、あり得ない魔法を使っていて……」
魔法、それは貴族や王族の間でしか習得が出来ないと言われており、魔法を使える人間はかなりのエリートだと言われている。
だがセレスと互角に戦える程の魔術師はいるのだろうか?
「ただの貴族……ではないわね」
クレハと戦える程の魔法、おそらく普通の貴族では習得出来ないだろう。
ということは王族か、貴族の中でも上位の人間。
だがそんな人間がいるなんて聞いたこともないわ。
「情報提供、感謝するわ」
私は兵士にそう告げて魔法鏡をしまう。
そして椅子に深く座り、考え事をする。
(仮面の男……一体誰なのかしら)
今後脅威になるなら始末しなければいけないわね。
「まあ、私の敵ではないけど」
私はそう言い残し、執務室を出るのであった。
「はい、間違いありません」
ここは王城にある執務室。
そこで魔法鏡を使い、私は一人の兵士と会話をしていた。
私は第二王女、アリス・レット・ハーキム。
歳は17歳、髪色は紫でロングヘア、顔立ちが整っており、王女として最高の教育を受けて育った。
そんな私はある悩みを抱えている。
それは、王位争いである。
この国では王族同士で支持率を取り合い、最後に一番支持率が多かった者だけが王位を継承できるという制度がある。
そして私はその王位争いに参加をしている。
何故なら私はこの王国を魔法大国にしたいと思っているからだ。
私が王になれば、魔法でこの国を発展させ、より良い国を作ることができるだろう。
そしていつかは禁断の魔法書を使用し、この大陸を支配したいと考えている。
正直言って、表向きは王国をより良い国にするために励んでいるため、多くの人に好かれていると思う。
だが私は禁断の魔法書を使いたいという野望がある。
それは決して許されざる行為であり、周囲の人間には決して知られてはいけない事だ。
だが王位に就けるのであれば、禁断の魔法書を使い他国を支配する事が出来る。
だから私は王位を狙っているのだ。
事は順調に進み、私の支持率はどんどん集まってきている。
しかしそんな中、突然兵士からある情報が入った。
「仮面の男? 誰だか知らないけど、気にしすぎじゃないかしら?」
「そ、それが、セレスさんと互角に戦っていたんです」
「セレスと? それは本当なの?」
私がそう言うと、兵士は頷きながら口を開く。
「はい、実際にこの目で確認しました」
私は少し考える。
セレスは王国でもトップクラスの剣士だ。
そのセレスと互角に戦うなんて、只者ではない事は分かる。
「その仮面の男はどうやって戦っていたの?」
「魔法です、あり得ない魔法を使っていて……」
魔法、それは貴族や王族の間でしか習得が出来ないと言われており、魔法を使える人間はかなりのエリートだと言われている。
だがセレスと互角に戦える程の魔術師はいるのだろうか?
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だがそんな人間がいるなんて聞いたこともないわ。
「情報提供、感謝するわ」
私は兵士にそう告げて魔法鏡をしまう。
そして椅子に深く座り、考え事をする。
(仮面の男……一体誰なのかしら)
今後脅威になるなら始末しなければいけないわね。
「まあ、私の敵ではないけど」
私はそう言い残し、執務室を出るのであった。
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