1 / 72
序章
第1話 怠惰な悪役王子に転生した件
しおりを挟む
「そういえばアデル、盗賊の死体はどうした?」
「死体は私の魔法で全て燃やしました」
「流石はアデル、お主はどこでも活躍をしておるな」
「はい父上、私は兄とは違い、父上のご期待に必ずや応えてみせます!」
「うむ、それに比べてロランはいつまで寝ておるんじゃ!」
誰かの怒鳴り声と同時に俺は目を覚ますと、豪華な部屋の中にいた。
周りを見渡すと王の間のような場所で、俺の他に貴族のような服を着た偉い奴らが横一列に並んでいる。
「あれ? 俺なんでこんなところにいんの?」
「聞いておるかロラン! お主は弟に比べて出来損ないじゃのう!」
白髭を生やした爺さんが俺に色々言ってくるが、状況が全く掴めない俺はその場で固まることしか出来ない。
そもそもここどこなんだ、どうみたってゲームに出てくる王の間みたいだ。
(ん? ゲーム? そういえばこの風景、RPGで似たようなのが……)
記憶を探ってみると自分がよくやっていたRPGが頭に過った。
そして今までの事を思い返すと今の状況に察しがつく。
このシーンは現代で流行った大人気ゲーム、『剣と魔法のファンタジー』だ。
先ほど国王らしき人は俺に向かってロランと呼んだ。
つまり俺はロラン・レット・ハーキムに転生したって事か。
「全く、ロラン! お主は儂の期待をことごとく裏切りおって、恥ずかしいとは思わんのか!」
(ロランに転生……やばい、これはひょっとしてフラグイベントかも)
ロラン・レット・ハーキム。
ハーキム王国の第一王子であり、傲慢で人の話を全く聞かない最低クズの悪役王子だ。
そしてこのゲームの物語は第一王子であるロランが王位継承権を剥奪され、主人公である第二王子のアデルが王位を継承するという物だ。
アデルが王位を継承した後は俺を始末をし、ヒロインといちゃいちゃするという胸糞悪いストーリー。
ヒロインは3人いて、一人目は第三王女のリア、2人目は剣爵のセシル、三人目はS級の冒険者クレハだ。
第三王女のリアは白色の髪に、くりっとした大きい目が特徴で、かなり人気なキャラだった。
だが王位を争っている最中、第二王女アリスの刺客によって殺されるという結末になる。
剣爵のセシルはロングヘアにした黒色の長髪に、眠そうな目をしたクールな感じの女性だ。
過去に王国を救った剣士の名門『剣爵家』の跡取りであり、18歳でハーキム王国の近衛騎士団の隊長を務めている。
三人目のクレハは平民の出であり、剣を腰に携える赤髪の美少女。
セシルと同等のレベルでありながら、主人公アデルの専属メイドという贅沢な構成となっている。
(ヒロインが可愛すぎて、ついついやり込んでたゲームだけど、まさか俺がその悪役になるなんてな)
俺は前世でこのゲームを相当やり込んだ。
だから原作の知識はある程度あるのが救いだ。
知識があることで死滅フラグを回避できる可能性もある。
俺は自分の事について色々と考え始めた。
俺はロランに転生した、つまり俺はこれから第一王子として生きる事になる。
確かここから半年後、ロランはヒロインや主人公と同じ魔法学園に入るんだが、学園内で騒動を何度も起こす。
そんで主人公である第二王子のアデルと差をつけられて、王位継承権を剥奪されるんだよな。
ヒロインからも愛想を尽かされ、最終的には暗殺される。
せっかく転生したんだからもっと人生楽しみたい。
それに俺はまだ死にたくないし、推しといちゃいちゃしたい!
そう、俺の推しというのは第三王女のリアである。
リアは頭も良く、政治も出来る凄い女性だ。
俺はチラッとリアの方を見た。
「ロランお兄様?」
リアは俺に対して優しく微笑む、その笑顔は天使のように可愛い。
どうしたらリアを救うことが出来るだろうか、俺は必死に考える。
推しであるリアを救うにはどうしたら良いか、考えていると良いことを思いついた。
(そうだ! 俺がリアを王位に就かせればリアは死なないし、俺も国外追放されない!)
リアを王位に就かせる。
そうすれば俺は国外追放を免れる事が出来るだろう。
(推しの為に暗躍しよう、あとはリアに良い印象を与える事だな!)
俺はリアに向かって全力で微笑む。
俺の爽やかなスマイルで、リアも俺に惚れてしまうかもしれない。
「ろ、ロランお兄様? どうしたのですか?」
「いや、今日も可愛いなって思って」
「え」
少し引かれているように感じるが気にしない。
俺は推しのリアを救う為なら何でもする。
(よし、まずは魔法の訓練をしよう。今後の為にも必要だし、俺も舐められないよう強くならなきゃな)
ゲームでロランは魔法が使えない無能王子として有名だ。
しかし、ロランはただ鍛錬をしていないだけで、魔術を理解さえ出来れば実は凄い魔力を持っている。
ただ逆に運動神経は壊滅的なので魔法を極めるしかないだろう。
素晴らしい計画な上、面白くなりそうな未来に俺は思わずニヤニヤしてしまうのであった。
―――――――――
《大切なお知らせ!》
お読みいただきありがとうございます!
少しでも面白いと感じてくださったなら、 ぜひ今のうちに「お気に入り」をお願いします!
ご感想もいただけますと、最高のモチベになります!
よろしくお願いします!
「死体は私の魔法で全て燃やしました」
「流石はアデル、お主はどこでも活躍をしておるな」
「はい父上、私は兄とは違い、父上のご期待に必ずや応えてみせます!」
「うむ、それに比べてロランはいつまで寝ておるんじゃ!」
誰かの怒鳴り声と同時に俺は目を覚ますと、豪華な部屋の中にいた。
周りを見渡すと王の間のような場所で、俺の他に貴族のような服を着た偉い奴らが横一列に並んでいる。
「あれ? 俺なんでこんなところにいんの?」
「聞いておるかロラン! お主は弟に比べて出来損ないじゃのう!」
白髭を生やした爺さんが俺に色々言ってくるが、状況が全く掴めない俺はその場で固まることしか出来ない。
そもそもここどこなんだ、どうみたってゲームに出てくる王の間みたいだ。
(ん? ゲーム? そういえばこの風景、RPGで似たようなのが……)
記憶を探ってみると自分がよくやっていたRPGが頭に過った。
そして今までの事を思い返すと今の状況に察しがつく。
このシーンは現代で流行った大人気ゲーム、『剣と魔法のファンタジー』だ。
先ほど国王らしき人は俺に向かってロランと呼んだ。
つまり俺はロラン・レット・ハーキムに転生したって事か。
「全く、ロラン! お主は儂の期待をことごとく裏切りおって、恥ずかしいとは思わんのか!」
(ロランに転生……やばい、これはひょっとしてフラグイベントかも)
ロラン・レット・ハーキム。
ハーキム王国の第一王子であり、傲慢で人の話を全く聞かない最低クズの悪役王子だ。
そしてこのゲームの物語は第一王子であるロランが王位継承権を剥奪され、主人公である第二王子のアデルが王位を継承するという物だ。
アデルが王位を継承した後は俺を始末をし、ヒロインといちゃいちゃするという胸糞悪いストーリー。
ヒロインは3人いて、一人目は第三王女のリア、2人目は剣爵のセシル、三人目はS級の冒険者クレハだ。
第三王女のリアは白色の髪に、くりっとした大きい目が特徴で、かなり人気なキャラだった。
だが王位を争っている最中、第二王女アリスの刺客によって殺されるという結末になる。
剣爵のセシルはロングヘアにした黒色の長髪に、眠そうな目をしたクールな感じの女性だ。
過去に王国を救った剣士の名門『剣爵家』の跡取りであり、18歳でハーキム王国の近衛騎士団の隊長を務めている。
三人目のクレハは平民の出であり、剣を腰に携える赤髪の美少女。
セシルと同等のレベルでありながら、主人公アデルの専属メイドという贅沢な構成となっている。
(ヒロインが可愛すぎて、ついついやり込んでたゲームだけど、まさか俺がその悪役になるなんてな)
俺は前世でこのゲームを相当やり込んだ。
だから原作の知識はある程度あるのが救いだ。
知識があることで死滅フラグを回避できる可能性もある。
俺は自分の事について色々と考え始めた。
俺はロランに転生した、つまり俺はこれから第一王子として生きる事になる。
確かここから半年後、ロランはヒロインや主人公と同じ魔法学園に入るんだが、学園内で騒動を何度も起こす。
そんで主人公である第二王子のアデルと差をつけられて、王位継承権を剥奪されるんだよな。
ヒロインからも愛想を尽かされ、最終的には暗殺される。
せっかく転生したんだからもっと人生楽しみたい。
それに俺はまだ死にたくないし、推しといちゃいちゃしたい!
そう、俺の推しというのは第三王女のリアである。
リアは頭も良く、政治も出来る凄い女性だ。
俺はチラッとリアの方を見た。
「ロランお兄様?」
リアは俺に対して優しく微笑む、その笑顔は天使のように可愛い。
どうしたらリアを救うことが出来るだろうか、俺は必死に考える。
推しであるリアを救うにはどうしたら良いか、考えていると良いことを思いついた。
(そうだ! 俺がリアを王位に就かせればリアは死なないし、俺も国外追放されない!)
リアを王位に就かせる。
そうすれば俺は国外追放を免れる事が出来るだろう。
(推しの為に暗躍しよう、あとはリアに良い印象を与える事だな!)
俺はリアに向かって全力で微笑む。
俺の爽やかなスマイルで、リアも俺に惚れてしまうかもしれない。
「ろ、ロランお兄様? どうしたのですか?」
「いや、今日も可愛いなって思って」
「え」
少し引かれているように感じるが気にしない。
俺は推しのリアを救う為なら何でもする。
(よし、まずは魔法の訓練をしよう。今後の為にも必要だし、俺も舐められないよう強くならなきゃな)
ゲームでロランは魔法が使えない無能王子として有名だ。
しかし、ロランはただ鍛錬をしていないだけで、魔術を理解さえ出来れば実は凄い魔力を持っている。
ただ逆に運動神経は壊滅的なので魔法を極めるしかないだろう。
素晴らしい計画な上、面白くなりそうな未来に俺は思わずニヤニヤしてしまうのであった。
―――――――――
《大切なお知らせ!》
お読みいただきありがとうございます!
少しでも面白いと感じてくださったなら、 ぜひ今のうちに「お気に入り」をお願いします!
ご感想もいただけますと、最高のモチベになります!
よろしくお願いします!
860
お気に入りに追加
1,568
あなたにおすすめの小説
男がほとんどいない世界に転生したんですけど…………どうすればいいですか?
かえるの歌🐸
恋愛
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。
主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。
ここでの男女比は狂っている。
そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に恋を楽しんだり、学校生活を楽しんでいく。
この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この作品はカクヨムや小説家になろうで連載している物の改訂版です。
投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。
必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。
1話約3000文字以上くらいで書いています。
誤字脱字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
エロゲーの悪役に転生した俺、なぜか正ヒロインに溺愛されてしまった件。そのヒロインがヤンデレストーカー化したんだが⁉
菊池 快晴
ファンタジー
入学式当日、学園の表札を見た瞬間、前世の記憶を取り戻した藤堂充《とうどうみつる》。
自分が好きだったゲームの中に転生していたことに気づくが、それも自身は超がつくほどの悪役だった。
さらに主人公とヒロインが初めて出会うイベントも無自覚に壊してしまう。
その後、破滅を回避しようと奮闘するが、その結果、ヒロインから溺愛されてしまうことに。
更にはモブ、先生、妹、校長先生!?
ヤンデレ正ヒロインストーカー、不良ヤンキーギャル、限界女子オタク、個性あるキャラクターが登場。
これは悪役としてゲーム世界に転生した俺が、前世の知識と経験を生かして破滅の運命を回避し、幸せな青春を送る為に奮闘する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる