外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら

文字の大きさ
上 下
58 / 93

第58話 僕は魔物を討伐するぞ!(クルス視点)

しおりを挟む
 「くそ!本当になんなんだ、アイツらは! 僕に何の恨みがあってこんな事をするんだ?  くそ!」
 
 僕は召使いに対して怒りだけが溜まる。
 
 どうして僕はこんな扱いを受けている?
 
 そんな状況に溜まりまくったストレスが爆発する。
 
 結局、この日は怒りが収まらずそのまま眠りにつくのだった……。
 
 次の日……僕は良いことを思いついた。
 
 「そうだ……僕が魔物を討伐すれば良いんだ!」
 
 僕なら魔物の10匹や20匹くらい簡単に倒せる!

 それに僕が強くなればアイツらも舐めた口は利かないはずだ!
 
 よし、じゃあ早速出掛けるか! そう決めると僕は部屋を出て階段を下りる。
 
 ここ最近で発動されたスキル、《剣聖》でモノを言わせてやろう。
 
 そして僕は上手くいけば剣聖の力を使ってアイツらを見返してやる! そんな気持ちで高笑いを浮かべながら父の元に足を運ぶ。
 
 「父上! 僕は今から魔物を討伐してきます!」
 
 僕は自信に満ちた表情で父に言う。

 すると父は何食わぬ顔で答えてくる。
 
 「ふむ、失敗は許さんぞ」
 
 僕は《剣聖》を手に入れた。

 その自信もあるため更に声を張り上げる。
 
 「もちろんです!」
 
 そう言って僕は家を出たのだった。

 家から徒歩三十分ほどの所にある草原に来た僕は早速、魔物を探し始める。
 
 すると早速巨大な蛇の魔物が現れる。
 
 「きたきた! コイツで僕の力を思い知らせてやる!」
 
 そう言って腰に掛けていた剣を抜き、突っ込んでいく。

 そして先手必勝とばかりに《剣聖》を発動する。
 
 本来剣聖のスキルは身体能力の向上、そして剣聖のスキルを持っていると精霊が契約なしで力を貸してくれるらしい。
 
 「まずは身体能力の強化だ!」
 
 そう言って僕はスキルを発動する。

 だが一向に身体能力が向上する気配がない。
 
 なぜだ?なぜ筋力が上がらない?そう考えていると、大蛇は尻尾を振り回してくる。
 
 僕はそれをもろにくらって吹き飛ぶ。
 
 ダメだ!一旦逃げよう!そう考え走り出すが、足がもつれて転んでしまう。

 慌てて体勢を立て直すが、すぐに追い付かれてしまう。
 
 どうして……剣聖は最強のスキルなんじゃ……。

 いや、まだだ!僕には精霊がいるはずだ!そう思い次は精霊を呼び出す。
 
 よし!これなら!?これで魔物は倒せるはず!そう思い剣を思いっきり振ってみるが、何故か蛇は無傷だ。
 
 それどころか僕の周りには精霊が見えない。

 どういうことなんだ!?剣聖は《最強のスキル》なのに……。
 
 僕は何度振っても巨大な蛇には攻撃が通用しないでいた。
 
 すると大蛇の頭が近づいてきたので咄嗟に剣でガードするが、そんな抵抗が通用するわけもなく、牙で剣が折れてしまう。
 
 「ガァァァァァ!!!!」
 
 大蛇が僕を襲おうと口を開き毒を吐き出す。

 吐き出された毒が僕に一直線に向かってくる。
 
 「もう無理だ!!!!」
 
 僕はその場から立ち去る、泣きながら必死で逃げてしまう。
 
 後ろから蛇の声が聞こえてくる。僕は耳を塞ぎ、遠ざかろうと必死だ。

 だが何か音がするような気がしてふと振り返る。

 すると大蛇は途中から僕に呆れたのか追わなくなっていた。
 
 安心した僕は腰が抜け座り込む。
 
 「何なんだよこれ……おかしいだろ……剣聖じゃ倒せないのか!? 」
 
 そう思ってしまうが、とにかくここから早く去って誰かに助けを求めようと足を引きずりながら帰路につくのだった……。
しおりを挟む
ツギクルバナー

あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗
ファンタジー
 無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。  突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。  銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。  聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。  大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

固有スキルが【空欄】の不遇ソーサラー、死後に発覚した最強スキル【転生】で生まれ変わった分だけ強くなる

名無し
ファンタジー
相方を補佐するためにソーサラーになったクアゼル。 冒険者なら誰にでも一つだけあるはずの強力な固有スキルが唯一《空欄》の男だった。 味方に裏切られて死ぬも復活し、最強の固有スキル【転生】を持っていたことを知る。 死ぬたびにダンジョンで亡くなった者として転生し、一つしか持てないはずの固有スキルをどんどん追加しながら、ソーサラーのクアゼルは最強になり、自分を裏切った者達に復讐していく。

処理中です...