33 / 35
2章
第33話 城塞都市
しおりを挟む
「タツキ、ここから公爵領までは約3日はかかるわ」
「結構遠いんだな、まあ公爵となると結構な領土を持ってるもんな」
なんでも公爵領はかなり自然豊かで魔物の生息数も多いらしく、よく魔物討伐の依頼も出るという。
公爵領を治めている領主は優秀な人で住民のことを考えるとても良い人だそうだ。
俺はしばらくソフィアと喋っているとリーザが食事を運んでくる。
運ばれた食事は高級食材ばかりだったのでどれから食べるか迷ってしまう。
最初はスープや魚料理、サラダにパンなどシンプルなものから手をつけていた。
俺がとりあえずトマト系のスープを飲んだりしているとソフィアが口を開く。
「凄い食欲ね……お腹空いてたの?」
「ああ、戦闘なんかをしてると空腹でな」
俺はそう言いながらパンをスープにつけて食べる。
うん!やっぱりこの組み合わせは美味しすぎるな!
そして数十分が経ち、朝食を済ませてから俺たちは屋敷を出て馬車に乗り込むと出発をする。
3日も馬車旅とか暇すぎるな……まあ景色を見るのも悪くないけど流石に飽きてくるぞ?
そんなことを思っているうちに馬車が進みだす。
今日は天気が良くて結構いい気分だな。
俺とソフィアは会話を交わしたり窓から景色を見たりしているとようやく最初の街が見えてくる。
かなり遠目から見てもいくつか町が見えるような……。
そんなに公爵領からは遠いのか?
俺が不思議に思っているとその訳をソフィアが説明してくれる。
なんでも公爵領に行くのにはでも2つの街を経由しないと辿り着けないらしい。
2つの街もかなり離れており、それなりの時間が掛かるらしいのだ。
俺が考え事をしながら景色を見ていると最初の目的地が見えてくる。
「なあ、あそこって一つ目の街か? ってなんだあれ!?」
目の前に広がるのは城塞都市だ。
巨大な壁があり、人や馬車などが沢山行き来している。
正方形のような形をしてて上から見ると完璧な壁だ。
俺がそんなことを考えているとリーザが口を開く。
どうやらこの城塞都市には商人や旅人が必ず立ち寄るのでかなり栄えているらしい。
そして商人はこの街で商売をすることが一種のステータスになっているという。
俺は馬車の中でその話を聞いていると城門にたどり着く。
すると門番が俺らを見ると慌てて駆け寄ってくる。
リーザが兵士に何かを伝えると兵士たちは慌ただしくなり馬車の中に乗っているソフィアに対して跪く。
そして兵士たちは顔あげないまま口を開く。
「ソフィア殿下! ここ『豪隆』に来てくださり誠に感謝いたします。今城門を開けますので少々お待ちください!」
兵士がそう言うと門がゆっくりと開いていく。
ここって『豪隆』って言うんだ、しかもなんか賑わってるっぽいな。
俺は馬車から顔を覗かせて周りを見ると大勢の人が行き来していて街の中はとても賑やかだ。
それに城中ではレストランや飲み屋のようなものも建っていて賑わっている。
それから再び扉が閉まると俺は座席に座りながら呟いた。
「こんなでかい城塞都市があったのか……? 信じられねえな」
「ここだけじゃないですよタツ、王国全土にこのような城塞都市があります」
え……?まじかよ、こんな凄いもん王国全土にあるってすげえな。
てかサラッとリーザ俺の事タツって呼びになってなかった?気のせいかな……?
まあそれよりめちゃくちゃ広そうだな……あとでレストランとか見てみたいんだけどソフィアに言ってみようかな。
そう思った矢先に兵士が口を開いた。
「ソフィア殿下! こちらに城主が来ております!」
「分かったわ、私たちを連れて行って頂戴」
なに……?城主ってことはこの街を統治している奴だよな……つまりお偉いさんってことだ。
てかなんで城主と会うんだ、公爵と会うんじゃなかったのか!?
そんな俺の心配など気にも止めないようにソフィアは言葉を返す。
「公爵領まで行くのに二つの城塞都市があるって言ったでしょ? それなら都市の城主も私の勢力に入ってもらえたらなーってね」
「ま、まじですか」
なるほどね……まあとりあえず偉い人たちと会うわけか、最低限のマナーは本で読んだから問題は無いだろうけど緊張してきたぞ。
俺は表情を固めて少しばかり馬車の中で待たされること10分ほどすると門を潜り抜けていき大きな屋敷の前で馬車が止まる。
ソフィアが降りるとリーザも降りたので俺も急いで後に続く。
「結構遠いんだな、まあ公爵となると結構な領土を持ってるもんな」
なんでも公爵領はかなり自然豊かで魔物の生息数も多いらしく、よく魔物討伐の依頼も出るという。
公爵領を治めている領主は優秀な人で住民のことを考えるとても良い人だそうだ。
俺はしばらくソフィアと喋っているとリーザが食事を運んでくる。
運ばれた食事は高級食材ばかりだったのでどれから食べるか迷ってしまう。
最初はスープや魚料理、サラダにパンなどシンプルなものから手をつけていた。
俺がとりあえずトマト系のスープを飲んだりしているとソフィアが口を開く。
「凄い食欲ね……お腹空いてたの?」
「ああ、戦闘なんかをしてると空腹でな」
俺はそう言いながらパンをスープにつけて食べる。
うん!やっぱりこの組み合わせは美味しすぎるな!
そして数十分が経ち、朝食を済ませてから俺たちは屋敷を出て馬車に乗り込むと出発をする。
3日も馬車旅とか暇すぎるな……まあ景色を見るのも悪くないけど流石に飽きてくるぞ?
そんなことを思っているうちに馬車が進みだす。
今日は天気が良くて結構いい気分だな。
俺とソフィアは会話を交わしたり窓から景色を見たりしているとようやく最初の街が見えてくる。
かなり遠目から見てもいくつか町が見えるような……。
そんなに公爵領からは遠いのか?
俺が不思議に思っているとその訳をソフィアが説明してくれる。
なんでも公爵領に行くのにはでも2つの街を経由しないと辿り着けないらしい。
2つの街もかなり離れており、それなりの時間が掛かるらしいのだ。
俺が考え事をしながら景色を見ていると最初の目的地が見えてくる。
「なあ、あそこって一つ目の街か? ってなんだあれ!?」
目の前に広がるのは城塞都市だ。
巨大な壁があり、人や馬車などが沢山行き来している。
正方形のような形をしてて上から見ると完璧な壁だ。
俺がそんなことを考えているとリーザが口を開く。
どうやらこの城塞都市には商人や旅人が必ず立ち寄るのでかなり栄えているらしい。
そして商人はこの街で商売をすることが一種のステータスになっているという。
俺は馬車の中でその話を聞いていると城門にたどり着く。
すると門番が俺らを見ると慌てて駆け寄ってくる。
リーザが兵士に何かを伝えると兵士たちは慌ただしくなり馬車の中に乗っているソフィアに対して跪く。
そして兵士たちは顔あげないまま口を開く。
「ソフィア殿下! ここ『豪隆』に来てくださり誠に感謝いたします。今城門を開けますので少々お待ちください!」
兵士がそう言うと門がゆっくりと開いていく。
ここって『豪隆』って言うんだ、しかもなんか賑わってるっぽいな。
俺は馬車から顔を覗かせて周りを見ると大勢の人が行き来していて街の中はとても賑やかだ。
それに城中ではレストランや飲み屋のようなものも建っていて賑わっている。
それから再び扉が閉まると俺は座席に座りながら呟いた。
「こんなでかい城塞都市があったのか……? 信じられねえな」
「ここだけじゃないですよタツ、王国全土にこのような城塞都市があります」
え……?まじかよ、こんな凄いもん王国全土にあるってすげえな。
てかサラッとリーザ俺の事タツって呼びになってなかった?気のせいかな……?
まあそれよりめちゃくちゃ広そうだな……あとでレストランとか見てみたいんだけどソフィアに言ってみようかな。
そう思った矢先に兵士が口を開いた。
「ソフィア殿下! こちらに城主が来ております!」
「分かったわ、私たちを連れて行って頂戴」
なに……?城主ってことはこの街を統治している奴だよな……つまりお偉いさんってことだ。
てかなんで城主と会うんだ、公爵と会うんじゃなかったのか!?
そんな俺の心配など気にも止めないようにソフィアは言葉を返す。
「公爵領まで行くのに二つの城塞都市があるって言ったでしょ? それなら都市の城主も私の勢力に入ってもらえたらなーってね」
「ま、まじですか」
なるほどね……まあとりあえず偉い人たちと会うわけか、最低限のマナーは本で読んだから問題は無いだろうけど緊張してきたぞ。
俺は表情を固めて少しばかり馬車の中で待たされること10分ほどすると門を潜り抜けていき大きな屋敷の前で馬車が止まる。
ソフィアが降りるとリーザも降りたので俺も急いで後に続く。
12
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる