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09.疑念
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スヴァルトからシーエルへの手紙③
約束の日になってもお前たちが来ないので、心配している。
もし、俺の事を忘れようとするのであれば、その方がいい。
ただ、連絡が来ないのは何か良くない事に巻き込まれている可能性があるのではないかと考えている。
この手紙を読んだら、一言でいい。
返事が欲しい。
*
ノックの音がして、返事をすると勇者リューナが扉から顔を出した。
今日はいつも一緒の茶色い猫は居ないようだ。
普段はフリルが多めのドレスを着ているが、今日は花柄の白いワンピースだった。
似合ってるのが凄いな、とヴァシスはいつも思う。
ベッドに座っているヴァシスのすぐ隣に腰掛けて手を握る。
『調子はどうだ?』
「ええ、まぁ...」
『なんだ、元気ないな...ん?目どうした?』
「え...?」
『治ったのか?』
ヴァシスは他の事に気を取られすぎていて、自分の右目の視力が回復している事に気が付かなかった。
右目に少し触れて、べルムの顔を思い出す。
「...ああ...アレか」
『?』
ヴァシスは黙り込んでしまった。
確かに治療するとか言っていたが、その他の行為の印象が強すぎて忘れていた。
というか、そういえば回復するのが目的だったのか...そうか、アレはオマケ...オマケか...。
『具合が悪いのか?』
「いえ...昨日の昼過ぎにベルムが...幼児化から目覚めて...」
『ああ...なんか...元に戻ったって聞いたな、それで回復を?』
「それで...良かったと思って...嬉しかったので...ハグして...試したい回復魔法があるからって言われて...射精させられて...キスされて...また射精させられて...」
『...お...ぅ...』
リューナが変な声を出して相槌を打つ。
「よく分からないうちに回復してたみたいで...気を失って...そのまま寝たみたいで...目が覚めたら...シーツとか下着は魔法で全部綺麗にされてましたけど本人消えてて...」
『.....そこでなんで消えてるんだ...あの野郎...』
「何なんでしょう...何だと思います?」
ヴァシスは無表情で淡々と話しているが、内心かなり動揺していたし、少し怒ってもいた。
流された自分に腹が立つ。
べルムの気持ちがよく分からない。
いや、そもそもあれはただの治療で。
俺が過剰に反応してしまっただけ。
生理現象だから仕方ない。
だけど昨日から俺はおかしい。
べルムの事をずっと考えている自分が気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い。
なんであんな事をしたんだろう。
死んで行った仲間を想う。
あいつは仲間の仇、魔王の息子で、俺は勇者なのに。
『大丈夫か?』
「はい...」
リューナはまるで子どもにするようにヴァシスの頭を撫でた。
ヴァシスの方が背が高いので、大人が子どもに撫でられているような構図になる。
『今日は人間保護ゾーンに一緒に散歩でも行こうかと思ってたが日を改めた方が良さそうだな…無理をするな...ほら、べルムに比べたら微々たる魔力だが足に治癒魔法を流すから横になって。今日は休め』
ヴァシスは申し訳なさそうに小さく頷き、ベッドに横になる。
『ヴァシス...べルムが少し変な動きをしているとの情報が入っている。どうやら呪術を使える魔族を集めるようだ。あいつは良い奴だと思いたいが、今回の事もあるし...一度少し、奴と距離を置いた方がいい。』
治癒魔法をかけながら、リューナは真剣な眼差しでヴァシスを見つめる。
ヴァシスは、「分かりました」と頷いた。
もう、治療は断ろう。
どうせ治らない。
*
べルムはいつも夜寝る前に治療に来る。
その日の夜は、来なかった。
来たらもう治療はしなくていいと断ろうと思っていたので、丁度良い。
だが、来なかった事にヴァシスは少しショックを受けた。
その感情に気がついて、自分が嫌になる。
一体何を期待していたのだろう。
もう疲れる。
その夜ヴァシスは、目を閉じていたものの眠りにつく事は無かった。
*
翌朝、カルルテが訪ねてきた。
「あのバカが幼児退行したんですって!?全くもう、いつまでたってもお子ちゃまなのね~」
どうやって治したの?と聞かれたので、正直に「かーさま」と「ぼうや」はもう居ないと言った、と伝えた。
「へぇ~そうなのね、ああなった事は今まで数回あるんだけど、大体私が話し相手になって数日経つと元に戻ってる場合が多かったの。今回は凄く早く治ったみたいだったから...何か特別な方法があったのかなと思って」
「特に...思い当たることは...」
「あなたのお母様かもしれないんでしょ?」
「...でも、似てるだけで赤の他人かも知れない」
「うーん、何か確定要素があると良いのだけれども...お母様と兄弟は亡くなっても...お父様や親戚とかいないかしら?」
育ての親から虐待されて、村人からは疎まれて育ったヴァシスは旅の仲間以外の事を考えた事が無かった。
そんなものは最初から自分には無いと思っていたからだ。
父親や...親戚...
居たとしてどうなんだろう。
虹色の髪の勇者は、魔王討伐の勇者代表に選ばれた時から人間の世界にはかなり名の知られる存在となった。
色々な国、町を転々として魔王城までやって来たが、各国の国民のほぼ全員が、ヴァシスの事を知ってるようだった。
それでも家族と名乗る人は現れなかった。
育ての親はかなり自慢げに言いふらしていたようだったし、育ててやった恩を返すべきだとか、年老いた私たちに支援するべきだとか言ってきたが、全て無視していた。
「...今更父親やその他の親族に会った所で...どう接したらいいか分からないし…親が必要な年齢でもない」
「まーそうよね、でも...私も親を捨ててきた身だから言えたもんじゃ無いけど...もしかしたら向こうも今更どの面下げて、とか思ってて出てこれないだけかもしれないわよ!」
「.........」
机の上の白いクマのぬいぐるを見つめる。
所々に虹色が入ったアメジストの瞳が、太陽を吸い込みキラキラと輝いていた。
誰が、どんな思いであれを作ったのだろう。
足に刺繍してある2つの名前。
あのどちらかが、ヴァシスの本当の名前なのだろうか。
「あの文字は...どこの国の物なのか分かるか?」
「あ!そうそうあの文、今は使っている人が居ないようなのだけど...凄く古い文字みたいでね、南の国の一部にだけ1000年前に使われてた記録があるのだけど...」
ヴァシスは驚いて、言葉の続きを待つ。
「書いてあるのは名前みたい...イアスと、アイリスと書いてあるのよ」
ヴァシスは目を閉じる。
イアス...聞き覚えがある音だった。
何となく、それが自分の本当の名前だと感じた。
*
「いやぁ~申し訳ない!車椅子や松葉杖を使うのも不可能なぐらいの階段が多い城でしてね、我慢してください」
若葉色の高貴な服を身にまとった見知らぬ茶髪の青年が、ニコニコしながら戸惑うヴァシスをヒョイとベッドから持ち上げた。
背や体格はヴァシスとほぼ変わらないが、軽々と持ち上げられたので腕力があるようだ。
どうやらお姫様抱っこ状態で進む気だ。
あまりにも恥ずかしいので抗議するとリューナ様から謝られる。
『すまないな、方法がこれしか無くて...』
「...いえ」
リューナ様から謝られてはそれ以上何も言えない。
カルルテは、後ろでクスクスと笑っていた。
「さあ、人間保護ゾーンにお連れしますよ!様々な国の人間たちが集まっているので...えーと『レチ王国』がお二人のご出身でしたっけ?」
『そうだ』
リューナがヴァシスの背中に触れて返事をする。
茶髪の青年には触れていないのに、彼はリューナの返事が聞こえたのか「分かりました」と答えた。
彼は、あの茶色の猫のように、リューナ様に触れていなくても会話が可能なのか…?
茶色の…猫…
ヴァシスは、茶髪の青年をまじまじと見つめる。
やはり猫と同じ薄緑色の瞳だった。
「お前…あの猫か?」
尋ねると、彼の瞳孔がキュッと糸のように細くなる。
ニコッと笑顔になった。
「ありゃ~バレちゃいましたか~」
『猫の姿だと毛がいっぱい付くから人間の姿になっているんだ』
リューナが説明してくれる。
瞳孔が異様に広がったり細くなったりするのを除けば、人間と言われても分からないぐらい完璧な姿だった。
『この城の獣人は、結構人間と変わらない姿に変化できるらしいぞ。ある程度レベルが高い魔物なら可能だそうだ』
ヴァシスは自分の知らない魔物の情報にゾッとする。
それなら人の姿に変化して、人の中に紛れるのも簡単なのでは?
あらゆる情報収集や、情報操作、ある程度人間の中で地位を獲得してしまえば、内側から乗っ取り、破壊する事も可能だろう。
「でも人間の姿は落ち着かないです~猫の方が動きやすいですにゃ」
『お前…語尾〝にゃ〟に戻ってるぞ…』
その会話を聞いて後ろから付いてきているカルルテが、我慢出来なくなったのか吹き出して大笑いする。
「ちょ!恥ずかしいですにゃ~せっかくカッコよく人間化したのに!ちょっとカルルテ、笑わないで欲しいですにゃ!!!」
顔を真っ赤にしてカルルテの方を向いた途端、茶髪の青年は、猫の姿に戻ってしまった。
ヴァシスは、ぎゃあぎゃあ騒ぐ猫とカルルテを眺めながら、溜息をつき、頬に大量に付いた猫毛を払い落とした。
約束の日になってもお前たちが来ないので、心配している。
もし、俺の事を忘れようとするのであれば、その方がいい。
ただ、連絡が来ないのは何か良くない事に巻き込まれている可能性があるのではないかと考えている。
この手紙を読んだら、一言でいい。
返事が欲しい。
*
ノックの音がして、返事をすると勇者リューナが扉から顔を出した。
今日はいつも一緒の茶色い猫は居ないようだ。
普段はフリルが多めのドレスを着ているが、今日は花柄の白いワンピースだった。
似合ってるのが凄いな、とヴァシスはいつも思う。
ベッドに座っているヴァシスのすぐ隣に腰掛けて手を握る。
『調子はどうだ?』
「ええ、まぁ...」
『なんだ、元気ないな...ん?目どうした?』
「え...?」
『治ったのか?』
ヴァシスは他の事に気を取られすぎていて、自分の右目の視力が回復している事に気が付かなかった。
右目に少し触れて、べルムの顔を思い出す。
「...ああ...アレか」
『?』
ヴァシスは黙り込んでしまった。
確かに治療するとか言っていたが、その他の行為の印象が強すぎて忘れていた。
というか、そういえば回復するのが目的だったのか...そうか、アレはオマケ...オマケか...。
『具合が悪いのか?』
「いえ...昨日の昼過ぎにベルムが...幼児化から目覚めて...」
『ああ...なんか...元に戻ったって聞いたな、それで回復を?』
「それで...良かったと思って...嬉しかったので...ハグして...試したい回復魔法があるからって言われて...射精させられて...キスされて...また射精させられて...」
『...お...ぅ...』
リューナが変な声を出して相槌を打つ。
「よく分からないうちに回復してたみたいで...気を失って...そのまま寝たみたいで...目が覚めたら...シーツとか下着は魔法で全部綺麗にされてましたけど本人消えてて...」
『.....そこでなんで消えてるんだ...あの野郎...』
「何なんでしょう...何だと思います?」
ヴァシスは無表情で淡々と話しているが、内心かなり動揺していたし、少し怒ってもいた。
流された自分に腹が立つ。
べルムの気持ちがよく分からない。
いや、そもそもあれはただの治療で。
俺が過剰に反応してしまっただけ。
生理現象だから仕方ない。
だけど昨日から俺はおかしい。
べルムの事をずっと考えている自分が気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い。
なんであんな事をしたんだろう。
死んで行った仲間を想う。
あいつは仲間の仇、魔王の息子で、俺は勇者なのに。
『大丈夫か?』
「はい...」
リューナはまるで子どもにするようにヴァシスの頭を撫でた。
ヴァシスの方が背が高いので、大人が子どもに撫でられているような構図になる。
『今日は人間保護ゾーンに一緒に散歩でも行こうかと思ってたが日を改めた方が良さそうだな…無理をするな...ほら、べルムに比べたら微々たる魔力だが足に治癒魔法を流すから横になって。今日は休め』
ヴァシスは申し訳なさそうに小さく頷き、ベッドに横になる。
『ヴァシス...べルムが少し変な動きをしているとの情報が入っている。どうやら呪術を使える魔族を集めるようだ。あいつは良い奴だと思いたいが、今回の事もあるし...一度少し、奴と距離を置いた方がいい。』
治癒魔法をかけながら、リューナは真剣な眼差しでヴァシスを見つめる。
ヴァシスは、「分かりました」と頷いた。
もう、治療は断ろう。
どうせ治らない。
*
べルムはいつも夜寝る前に治療に来る。
その日の夜は、来なかった。
来たらもう治療はしなくていいと断ろうと思っていたので、丁度良い。
だが、来なかった事にヴァシスは少しショックを受けた。
その感情に気がついて、自分が嫌になる。
一体何を期待していたのだろう。
もう疲れる。
その夜ヴァシスは、目を閉じていたものの眠りにつく事は無かった。
*
翌朝、カルルテが訪ねてきた。
「あのバカが幼児退行したんですって!?全くもう、いつまでたってもお子ちゃまなのね~」
どうやって治したの?と聞かれたので、正直に「かーさま」と「ぼうや」はもう居ないと言った、と伝えた。
「へぇ~そうなのね、ああなった事は今まで数回あるんだけど、大体私が話し相手になって数日経つと元に戻ってる場合が多かったの。今回は凄く早く治ったみたいだったから...何か特別な方法があったのかなと思って」
「特に...思い当たることは...」
「あなたのお母様かもしれないんでしょ?」
「...でも、似てるだけで赤の他人かも知れない」
「うーん、何か確定要素があると良いのだけれども...お母様と兄弟は亡くなっても...お父様や親戚とかいないかしら?」
育ての親から虐待されて、村人からは疎まれて育ったヴァシスは旅の仲間以外の事を考えた事が無かった。
そんなものは最初から自分には無いと思っていたからだ。
父親や...親戚...
居たとしてどうなんだろう。
虹色の髪の勇者は、魔王討伐の勇者代表に選ばれた時から人間の世界にはかなり名の知られる存在となった。
色々な国、町を転々として魔王城までやって来たが、各国の国民のほぼ全員が、ヴァシスの事を知ってるようだった。
それでも家族と名乗る人は現れなかった。
育ての親はかなり自慢げに言いふらしていたようだったし、育ててやった恩を返すべきだとか、年老いた私たちに支援するべきだとか言ってきたが、全て無視していた。
「...今更父親やその他の親族に会った所で...どう接したらいいか分からないし…親が必要な年齢でもない」
「まーそうよね、でも...私も親を捨ててきた身だから言えたもんじゃ無いけど...もしかしたら向こうも今更どの面下げて、とか思ってて出てこれないだけかもしれないわよ!」
「.........」
机の上の白いクマのぬいぐるを見つめる。
所々に虹色が入ったアメジストの瞳が、太陽を吸い込みキラキラと輝いていた。
誰が、どんな思いであれを作ったのだろう。
足に刺繍してある2つの名前。
あのどちらかが、ヴァシスの本当の名前なのだろうか。
「あの文字は...どこの国の物なのか分かるか?」
「あ!そうそうあの文、今は使っている人が居ないようなのだけど...凄く古い文字みたいでね、南の国の一部にだけ1000年前に使われてた記録があるのだけど...」
ヴァシスは驚いて、言葉の続きを待つ。
「書いてあるのは名前みたい...イアスと、アイリスと書いてあるのよ」
ヴァシスは目を閉じる。
イアス...聞き覚えがある音だった。
何となく、それが自分の本当の名前だと感じた。
*
「いやぁ~申し訳ない!車椅子や松葉杖を使うのも不可能なぐらいの階段が多い城でしてね、我慢してください」
若葉色の高貴な服を身にまとった見知らぬ茶髪の青年が、ニコニコしながら戸惑うヴァシスをヒョイとベッドから持ち上げた。
背や体格はヴァシスとほぼ変わらないが、軽々と持ち上げられたので腕力があるようだ。
どうやらお姫様抱っこ状態で進む気だ。
あまりにも恥ずかしいので抗議するとリューナ様から謝られる。
『すまないな、方法がこれしか無くて...』
「...いえ」
リューナ様から謝られてはそれ以上何も言えない。
カルルテは、後ろでクスクスと笑っていた。
「さあ、人間保護ゾーンにお連れしますよ!様々な国の人間たちが集まっているので...えーと『レチ王国』がお二人のご出身でしたっけ?」
『そうだ』
リューナがヴァシスの背中に触れて返事をする。
茶髪の青年には触れていないのに、彼はリューナの返事が聞こえたのか「分かりました」と答えた。
彼は、あの茶色の猫のように、リューナ様に触れていなくても会話が可能なのか…?
茶色の…猫…
ヴァシスは、茶髪の青年をまじまじと見つめる。
やはり猫と同じ薄緑色の瞳だった。
「お前…あの猫か?」
尋ねると、彼の瞳孔がキュッと糸のように細くなる。
ニコッと笑顔になった。
「ありゃ~バレちゃいましたか~」
『猫の姿だと毛がいっぱい付くから人間の姿になっているんだ』
リューナが説明してくれる。
瞳孔が異様に広がったり細くなったりするのを除けば、人間と言われても分からないぐらい完璧な姿だった。
『この城の獣人は、結構人間と変わらない姿に変化できるらしいぞ。ある程度レベルが高い魔物なら可能だそうだ』
ヴァシスは自分の知らない魔物の情報にゾッとする。
それなら人の姿に変化して、人の中に紛れるのも簡単なのでは?
あらゆる情報収集や、情報操作、ある程度人間の中で地位を獲得してしまえば、内側から乗っ取り、破壊する事も可能だろう。
「でも人間の姿は落ち着かないです~猫の方が動きやすいですにゃ」
『お前…語尾〝にゃ〟に戻ってるぞ…』
その会話を聞いて後ろから付いてきているカルルテが、我慢出来なくなったのか吹き出して大笑いする。
「ちょ!恥ずかしいですにゃ~せっかくカッコよく人間化したのに!ちょっとカルルテ、笑わないで欲しいですにゃ!!!」
顔を真っ赤にしてカルルテの方を向いた途端、茶髪の青年は、猫の姿に戻ってしまった。
ヴァシスは、ぎゃあぎゃあ騒ぐ猫とカルルテを眺めながら、溜息をつき、頬に大量に付いた猫毛を払い落とした。
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