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第16章 静香が僕の自慰を手伝う

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 大学入試の試験まで一年を切ると深夜まで受験勉強をすることが多くなった。興に乗ると途中で止められず、夜明け近くまで勉強することもあった。そんな日は朝起きられず、学校に遅刻するようになっていた。その日も朝起きられず寝ていると、「お母さんは時間だからもうお仕事に行くわよ。早く起きてご飯を食べなさい」と声をかけながら、静香が僕の部屋に入って来て、僕の枕元に座り「葵ちゃん、起きないと遅刻するわよ。学校に行かなとだめよ。こんなことしていたら遅刻が癖になるわ」と言って、僕の肩をゆすった。
 それでも起きず眠ったふりをしていると、両手で僕の顔をはさみ、顔を持ち上げようとした。それでもなお、僕が動ないでいると「熱でもあるの。どこか具合がわるいの」と言いながら僕の額に手を当てて、それから自分の額を僕の額にくつけた。「あら、熱なんかないじゃない。悪い子ね」言いながら僕に頬ずりして、その後、僕の額に静香のくちびるを押し当てた。
 卒業後は一緒に札幌に行こうと誘ってから、静香が僕にべたべたするようになったと感じていた。必要以上に僕の腕をつかんだり、顔を触ったり、身体に寄りかかったりするようになったように感じていた。それでもあまり気にせずにいたのだが、くちびるを押し当てられたのは初めてだったので、僕はドギマギした。
 静香はしばらく押し当てていたくちびるを離すと「病気じゃないんだから起きなさい」と言ってふとんと毛布を思いっきり引きはがした。僕は寝巻きが乱れていて、パンツが丸見えになった。朝立ちしていたので、僕のパンツはもっこりと盛り上がっていた。
 それを見て、静香が「あら、朝から何いやらしいこと考えているの。こんな大きくして。小さくしなさい」と言いながら僕のペニスを指でツンツンと突いた。突かれて僕のペニスは逆に大きくなってしまった。それを見て「なんて元気がいいの。この暴れん坊」と言いながら、僕のペニスを右手で軽く握った。その時僕は射精した。ちょっと握られただけで射精したので僕は驚いた。オーガズムはなかった。
 毎夜自慰をしているが、こんなことは初めてであった。精液がパンツをぬらし、シミをつくるのを見て、静香もびっくりしていた。これくらいの刺激で射精するとは予想外であったようだ。静香は「ごめんなさい」と謝り、汚れたパンツを脱衣場に持って行き、そのまま仕事に出かけた。
 その夜、勉強に一区切りついたので、一休みしてお茶でも飲もうと居間に行くと、静香が「今朝のことなんだけど、葵ちゃんは、あんなにすぐに出てしまうの。病気じゃないわよね」と心配顔で尋ねてきた。
「いつもはそんなことないよ」と言うと、今度は「え、葵ちゃん、女の人と経験があるの。もしかして、美智子さんと・・・」と誤解する。「経験なんかないよ。だから本当は分からないよ」と訂正した。
「葵ちゃん、調べてあげるから、見せなさい。ズボンを脱ぎなさい」と静香が言うので、僕は立ち上がり、ベルトをゆるめて、ズボンを下におろした。静香にまた握られるのかと考えると、僕の性器はむくむく大きくなり、パンツを突き上げた。
「見るわよ」言いながら、静香が僕のパンツに手をかけ、下に引いた。最初はペニスにひっかかりおろせなかったが、二度目でパンツを強く下に引くと脱げた。パンツから反発して、飛び出したペニスは、直立し僕のお腹に張り付いた。静香は僕のペニスをじっくり観察した。僕は勃起時でも亀頭は包皮から半分しか顔をだしていなかった。静香は左手で陰茎(竿)つかみ、右手の親指と人差し指・中指の腹で包皮をはさみ、「痛くない?」と言いながらゆっくりと皮を下にずらし、亀頭を露出させた。
「大丈夫」と僕は答えた。二,三度皮をむいたり、かぶせたりして、スムーズにむけることを確認し、「横になりなさい」と言った。僕は畳に上に寝た。静香が背中と腰の下に座布団を差し込んでくれた。静香は右手で陰茎(竿)を握り、きつく握ったり、ゆるめたりした。何度か繰り返しても射精しないことを確認し、「大丈夫ね」と言い、一旦手を離してから僕の目を見て「出したい?」と聞いた。僕はうなずいた。静香は右手で陰茎(竿)を握り、手をゆっくりと上下に動かし始めた。
「もっと、速くする?」と聞いてきた。「速くするとすぐ出ちゃうよ。速くしないで」と言った直後に射精感が高まり、「出そう。出ちゃう」と叫んだ。静香は脇にあったチリ紙を素早く取り、出る前にペニスを包み、受けとめてくれた。
 翌日の夜、我慢できず「また出して」とお願いした。最初は「自分でやりなさい」と断られたが、諦められず何度も頼むと「しょうがない子ね」と言い、やってくれた。それから僕は毎夜、時には昼間や朝にやってもらうことになり、習慣となった。
 静香は男のペニスを熟知していた。どこが敏感でどこをどう刺激すればどう反応するか知り尽くしていた。僕のペニスを翻弄し、たちまち僕をめくるめく渦に巻き込み、海の底に深く沈めた。先っぽから、笠と溝、裏筋、そして睾丸まで刺激し、もてあそび、愛撫した。日曜の朝など、時間がある時は、僕の性器をおもちゃにして遊び、なかなかいかしてくれなかった。高まらしては静め、攻撃しては撤退し、僕をじらした。
 愛撫を受けながら、静香は、いつ、どうやって、このテクニックを身につけたのだろうかと考える。静香は、鉄男以外の男は知らないはずだ。鉄男が自分の快楽を得るために静香にやらせ、試した結果を伝え、教え込み、静香が習得したのであろう。あるいは、女好きの鉄男が商売女や不倫相手にしてもらった性技を静香に指南し、叩き込んだ結果かもしれない。鉄男に仕込まれ、調教される静香を思い浮かべると胸が締め付けられた。僕は鉄男を憎み、嫉妬し、抹殺した。鉄男を記憶から永久に追放することにした。
 やがて手や口で性器を愛撫されるだけでは満足できなくなった。僕は静香を求めた。しかし、静香は許してくれなかった。乳房をまさぐることは許してくれた。乳首を吸うことまでは許してくれた。だが、それ以上は決して許してくれなかった。血のつながりはないとはいえ、養母と養子の関係である。性行為は人倫に反するという意識がブレーキをかけていたのであろう。セックスはしておらず、今の関係はぎりぎり一線を越えていないと考えようとしていたのであろう。
 しかし、男と女の関係がこんな中途半端に止まることができるであろうか。僕はいつまでも静香を求め続けるだろう。静香も拒み切れなくなるだろう。拒み切れないだけでなく、静香もやがて僕を求め、僕を自分のものにしようとするだろう。二人が結ばれるのは時間の問題であった。
 
 
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