性愛 ---母であり、恋人であったあの人---

来夢モロラン

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第4章 女教師の抱擁

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 中学生の僕は、運動や音楽が上手でなかったのに女の子に人気があった。勉強はできるがスポーツはからきしだめで運動音痴の僕は、がり勉タイプと見なされ、中学女子から人気を集めるタイプではないのに女子にもてたのは、ぼくが可愛いらしい容姿であったからのようだ。
 たいていの女の子は僕に好意を持ってくれて、何くれとなく親切にしてくれた。特定の女子と付き合うということはなかったが、「好きだ」という手紙を寄越す子や贈り物をくれる子もいた。女の先生にも可愛がられ、何かと目をかけてくれた。
 中学1年の時、職員室で英語の女教師に抱きすくめられたこもあった。この先生は30歳位の独身で、黒縁のめがねをかけていた。見かけも、性格もどちらかというと男っぽい方であった。背は低い方で、地味な服装をしていた。一年間英語を教えてもらっていたが、他の女の先生と同様に好意的に接してくれていたものの、僕に性的な態度を見せることはそれまでなかった。
 その日は三月末で翌日から春休みに入る日であった。もう夕方で、職員室には僕とその先生しかいなかった。先生は四月から別の学校に移ることになったと言った。先生は「金田君と一緒に勉強できて楽しかった。君の顔を見るのがうれしかった。君のクラスの授業の日が待ち遠しかった。それは君に会えるからよ。君の瞳と眉とくちびるがとても可愛い。もう会えないと思うと寂しくてつらい」と言って僕を抱きしめた。
 僕はどうしていいか分らず、腕を下に下げ、身を固くして棒立ちしていた。先生は僕をしばらく抱きしめてから身を離した。そして、僕の両手を取り、僕を間近に見つめた。先生は少し涙ぐんでいるようだった。それから「こんことはしてはいけないわ。いけないことをしてごめんね。許して頂戴。さようなら」と言って職員室から出て行った。
 
 
 
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