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出生の土地

・狩り方・

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ここは年中、吹雪く極寒の土地

全ての生き物は寒さに対応した進化を経て順応していく

自ら白い体毛になる事で迷彩となり外敵から身を守ったりとする動物が多く存在する中

巨大な耳は遠くの音も逃さないように発達し、赤い眼は白銀世界でも見失いようするため

そして異常に発達した腕は獲物を素早く仕留める為とされていた

名を兎狒々とひひといい性格は非常に凶暴で大型の肉食獣ですら、目を合えば避けるほど恐ろしい存在だ

そして、狩りに出た一行は保存食と今夜の食事を得るため白銀世界を進んでいた

狩人たちは猛獣の毛皮で出来た防寒具を着て足にはかんじきを付けて氷雪の上を歩いていく

人数はルットク含めても5人程度で進んでいく

「ここから、先は猛獣の住処だ。気を付けて進んでくれ」

先頭を歩く村の狩人は後方にいるルットクとリベルトに注意喚起をする

「・・・猛獣?それは大変ですね。ルットク様ご注意下さい。」

「ん?分かった。慎重に行かねばな」

「あそこに小さな林が見えるだろう?あの中に猛獣たちの数少ない水飲み場の1つがあるから、私たちも狙ってるのさ」

少し遠く見える小さな雑木林を指差しルットクたちに話す

「なるほど、分かりました。」

「姿勢を低くして慎重に向かうぞ」

狩人の話に息を飲み、警戒心を高めるルットク

水飲み場に狩人たち一行はゆっくりと周囲を警戒しながら、進んでいく

雑木林が近づき、ちらほら見える小さな獣や所々に大型の獣の足跡が付いている

中は独特の匂いに包まれていて、屈みつつ進んでいくと少し離れたところには狩人が話した通り太陽の光に反射した綺麗な水飲み場が見えた

「しっ、あそこだ。」

先頭を進んでいた狩人が右手で指をさし、左手を出して上下に上げ下げし、周囲に隠れるように指示する

それを見た他の者は慎重に散らばり木陰に隠れて狩人が指した指の方を見る

水飲み場の近くには灰色の体毛をし一風変わったトサカを持つ熊に似た大型の肉食獣が口の周りを血で汚し

水を求め来たようだ

「よし、いいタイミングだ。冠熊かんぐまが狩りを終えひと息つこうと油断している」

先頭にいた狩人はリーダーで他の狩人へ指示を出し、狩りの準備をさせる

1人は弓を持ち、1人は斧を持ち、リーダーは一風変わったハルバードを構える

1人が青い玉のついた矢と弓を構えて冠熊に狙い定め・・・射る

パシュッと矢が発射され冠熊にやじりが触れると青い玉が砕け、青い液体状になった物は網状に変化し冠熊の動きを鈍らせる

(なっ!?)

冠熊が鈍ったことを確認すると他の狩人はそれぞれ挟み撃ちをするように挑む

斧を持つ者は背中を狙い、ハルバードを持ったリーダーは首に狙い定め攻撃する

ザシュッ「ウ”ォォ・・・・!?」

唐突の襲撃に冠熊は戸惑い必死に抵抗するが・・・無駄な抵抗となる

最初は強かった抵抗も急所を容赦なく狙う攻撃と矢の雨にやられだんだんと抗うことができず力果たした

雑木林の水飲み場に巨体の肉食獣の断末魔と巨体が倒れた音がドォーンッ響く

「よし、無事狩れた」

弓を射った狩人が狩った事を知らせるとルットクとリベルトは「「お、おぉ・・・」」と口を漏らす

見知らぬ狩りの技術と連携の凄まじさに感動を覚えるほど、素晴らしかったのだ

小型ナイフを器用に扱い2人の狩人は毛皮と身を見る見るうちに剥ぎ取って後処理をする

それを2人は唖然と眺める

しばらくして、見事に食用と保存用と分けた狩人たちは背中に背負い、また新たなターゲットを探すための行動に移す

周囲を警戒しつつ、武器の手入れをして水飲み場で返り血や汚れを取ったり不要物を雪の中に埋めたりと準備をしていく

「ふぅー、これ1体で十分だけど、今回はもう1体は欲しいところなんだ」

リーダーの狩人が準備を終えリベルトに話しかける

「えっ?まだ狩るんですか?」

リベルトは驚きつつも、リーダーに質問をする

「うん、しばらく狩りに出れなくなる時期が続くから今回はもう1体狩る予定なんだ」

ハルバードの刃を見つめながらルットクに答える

「出れない時期ですか?」

リーダーの出れない時期に疑問を抱き尋ねるリベルト

「そう。大寒波期って言って数年に一度だけくる奴でさ、預言者が言ってたんだよ。実際兆しも来てるし、今軽く吹雪いて見えないけど・・・少し前に屍の山で巨大な雲が掛かってたのが見えたからね」

説明をするリーダー

「えっ?そんなにすごい時期が・・・」

1人納得し呟くリベルト

「そう。だからもう1体巨大な奴をね。」

ハルバードの刃を見つめ微笑んだリーダーが「よし!行くか!」と仲間に声をかけ進もうとした次の瞬間

遠くから木の折れる音がバキッと聞こえた

「ん?みんな静かに・・・これは、冠熊の血でまずいものが誘き寄せられたかもしれない。」

リーダーは真剣な眼差しで音がした方へ警戒しながら臨戦態勢をとると冷や汗が一滴頬伝う

周囲の仲間に手で同様の態勢を指示する

ザッザッバキッと遠くから聞こえていた枝を折る音がだんだんこちらに足跡と共に近づいてくる

「や、やはりあの歩幅と図体のでかさは兎狒々とひひだ・・・」

微かに周囲が聞き取れる程の声でリーダーは呟いた








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