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出生の土地
天空
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ラクシスとエレメッタは目を開けるとそこは遺跡ではなく澄み切った青空が広がっており、足元は砂ではなく草原が覆い尽くし、近くには綺麗に整備された石道が見える
「な、なんですかぁーここぉ!!」
エレメッタの困惑した表情と心の声が漏れる
「ここは上空に浮かぶ国で遺跡から伸びた鎖の先になるよ。」
エメレッタのリアクションを気にせず、説明するラクシス
「えぇ!?ちょ、ちょっとまって下さい。すいません。私の理解が追い付いていません。」
目の前の美しい光景と自身が一瞬にして上空に来た事など、エメレッタが混乱するには十分すぎる状況だ
「うん。理解できるまでゆっくりしているといいよ。」
ラクシスの言葉に甘え自身の置かれた状況をエメレッタは一つ一つ丁寧に理解していく
「す、すいません。ちょっとお聞きしたいです。」
「ん?どうぞ。」
「私たちはどうやってこれたんですか?それとここはどこでしょう?」
エメレッタが時間をかけて頭を抱え悩みぬいた結果、絞り込んだ質問
「うん。そうだね。来れた理由は私とエメレッタが持っている血に共鳴して鎖の内部をテレポートされて通ってきたよ」
「えっ!?あっはい。」
いまいち理解できないエメレッタを気にすることなく続けるラクシス
「あと、もう1つの答え・・・ここは天に浮かぶ陸地、天空の国だよ」
エメレッタは”うんうんなるほど”とすんなり理解することはできないが事実、目の前の光景がそれらを裏付ける
先ほどまでなかった風景、自身が知る由もない空に薄っすら映った星々など本来はあり得はしないのだ
「さて、百聞は一見に如かずっていうし、そろそろ行こうか?」
「ヒャクブン・・・なっなんですか?ちょっとまって下さ~い」
気にすこともなくマイペースで石道を歩んで行くラクシスに慌ててついて行くエメレッタ
ラクシスに追い付いたエメレッタはゆっくり石道の上を歩んで付いていく中
周囲から飛び込む美しい風景が目を奪う
本当にここは上空に浮かぶ陸なのだろうか?と疑問が払拭されないほどで野に咲く花々や見たこともない小さく半透明な硝子細工のような鳥が飛び交っている
それを見たエメレッタは自身が幻想の世界に迷い込んだように思えてしまう
周囲に気を取られ気が付かなかったがラクシスの前には巨大な都市が存在し中央には2対の塔が天高く聳えている
「あっ気が付いた?あれがこの陸にある都市で天空の国って呼ばれているんだよ」
気が付いたエメレッタを確認して指を差すラクシス
近づけば、近づくほどその壮大さが理解できる
目に映るすべてが壁に覆われて中央に厳重な扉が目立ち、そこへラクシスの歩が向いているのでそこが入り口になるだろう
「わっ私たちが勝手に来ても大丈夫でしょうか?」
「ん?大丈夫だよ。資格がない者はそもそもここに来れないからね」と微笑むラクシス
厳重な扉にたどり着いたラクシスは手を触れゆっくりと扉を開く
「あれ?門番とかも居ないんですね?」
キョロキョロと左右を見渡し本当に自身が来ても大丈夫なのかと不安そうに確認するエメレッタ
「そうだね。この門は形だけだから」
「えぇえ!?」
バタンッと扉が閉まりエメレッタの目に飛び込んだのは見たこともない場所と人たちだった
天空の国は予想以上に綺麗で美しくシンメトリーで建てられた建造物は圧巻の一言だ
街中を歩く人々は爬虫類のような鱗を持っている者や頭に角を複数生やしている者など様々な姿をしている
「ここは竜人族が住まう場所なんだよね。見た目は様々だけど、みんな竜の血が混ざってるよ」
目と口を見開き衝撃を受けるエメレッタを差し置いて淡々と説明するラクシス
2人に気づいた街の竜人たちがこちらを見て驚いている
それもそのはずで見た目が人族と獣人なのだから街の者からすれば、珍しく場合によっては敵襲だと思ってしまうだろう
「エメレッタちょっとまってね」と話すラクシスは驚く竜人の元へ歩み何やら聞き覚えのない言葉を語り掛けているようだ
その様子を見ることでしかできないエメレッタはしばらく待つことに
ラクシスは最初こそ警戒されていたが、だんだんと竜人たちが慌てた様子でラクシスに頭を深々と下げている
こうなってはエメレッタが状況を理解できることはない
「エメレッタお待たせ!」
竜人の元から戻ってきたラクシスは何もなかったかのようにしているが、後ろにチラッと見えた竜人族の方々は慌てて誰かを呼んでいるようでエメレッタとしてはそちらの方が気になってしまう
「あっ、え?はい、おまたせされました?」
困惑するエメレッタ
「ちょっと話したら案内してくれるって言ってたから待っていてね」と微笑むラクシス
そういうラクシスの言葉を信用するしかないエメレッタは渋々待つこととなる
現実逃避として街の雰囲気を楽しみながら少し待つと甲冑を着た衛兵のような竜人が2人現れラクシスに声を掛ける
「オマタ、シマシタ・・・コトバ・・・ツ、ジマスカ?」
恐る恐るラクシスに話しかける衛兵に「うん、大丈夫ありがとう」とお礼をいうラクシス
「え?こっちの言葉を話している?」
厳つく怖い印象しかなかった衛兵はニカッとエメレッタに笑いかける
それを見たエメレッタは聞き慣れた言葉と紳士的な態度に思わず、警戒を解き戸惑いながらも笑顔になる
「ヨカタ、シタノコトバ、ムズカシ」
「うん、大丈夫。こっちがエメレッタで私がさっき伝えた通りだよ。気軽に案内してね」
「あっどうも、よろしくお願いします。」
会釈をするエメレッタに竜人は右手を自身の頭に置いて満面の笑顔で答える
「コチラッコッソ」
長く野太い尾を持つ衛兵2人はクルッと振り返り、ラクシスたちを案内する
「な、なんですかぁーここぉ!!」
エレメッタの困惑した表情と心の声が漏れる
「ここは上空に浮かぶ国で遺跡から伸びた鎖の先になるよ。」
エメレッタのリアクションを気にせず、説明するラクシス
「えぇ!?ちょ、ちょっとまって下さい。すいません。私の理解が追い付いていません。」
目の前の美しい光景と自身が一瞬にして上空に来た事など、エメレッタが混乱するには十分すぎる状況だ
「うん。理解できるまでゆっくりしているといいよ。」
ラクシスの言葉に甘え自身の置かれた状況をエメレッタは一つ一つ丁寧に理解していく
「す、すいません。ちょっとお聞きしたいです。」
「ん?どうぞ。」
「私たちはどうやってこれたんですか?それとここはどこでしょう?」
エメレッタが時間をかけて頭を抱え悩みぬいた結果、絞り込んだ質問
「うん。そうだね。来れた理由は私とエメレッタが持っている血に共鳴して鎖の内部をテレポートされて通ってきたよ」
「えっ!?あっはい。」
いまいち理解できないエメレッタを気にすることなく続けるラクシス
「あと、もう1つの答え・・・ここは天に浮かぶ陸地、天空の国だよ」
エメレッタは”うんうんなるほど”とすんなり理解することはできないが事実、目の前の光景がそれらを裏付ける
先ほどまでなかった風景、自身が知る由もない空に薄っすら映った星々など本来はあり得はしないのだ
「さて、百聞は一見に如かずっていうし、そろそろ行こうか?」
「ヒャクブン・・・なっなんですか?ちょっとまって下さ~い」
気にすこともなくマイペースで石道を歩んで行くラクシスに慌ててついて行くエメレッタ
ラクシスに追い付いたエメレッタはゆっくり石道の上を歩んで付いていく中
周囲から飛び込む美しい風景が目を奪う
本当にここは上空に浮かぶ陸なのだろうか?と疑問が払拭されないほどで野に咲く花々や見たこともない小さく半透明な硝子細工のような鳥が飛び交っている
それを見たエメレッタは自身が幻想の世界に迷い込んだように思えてしまう
周囲に気を取られ気が付かなかったがラクシスの前には巨大な都市が存在し中央には2対の塔が天高く聳えている
「あっ気が付いた?あれがこの陸にある都市で天空の国って呼ばれているんだよ」
気が付いたエメレッタを確認して指を差すラクシス
近づけば、近づくほどその壮大さが理解できる
目に映るすべてが壁に覆われて中央に厳重な扉が目立ち、そこへラクシスの歩が向いているのでそこが入り口になるだろう
「わっ私たちが勝手に来ても大丈夫でしょうか?」
「ん?大丈夫だよ。資格がない者はそもそもここに来れないからね」と微笑むラクシス
厳重な扉にたどり着いたラクシスは手を触れゆっくりと扉を開く
「あれ?門番とかも居ないんですね?」
キョロキョロと左右を見渡し本当に自身が来ても大丈夫なのかと不安そうに確認するエメレッタ
「そうだね。この門は形だけだから」
「えぇえ!?」
バタンッと扉が閉まりエメレッタの目に飛び込んだのは見たこともない場所と人たちだった
天空の国は予想以上に綺麗で美しくシンメトリーで建てられた建造物は圧巻の一言だ
街中を歩く人々は爬虫類のような鱗を持っている者や頭に角を複数生やしている者など様々な姿をしている
「ここは竜人族が住まう場所なんだよね。見た目は様々だけど、みんな竜の血が混ざってるよ」
目と口を見開き衝撃を受けるエメレッタを差し置いて淡々と説明するラクシス
2人に気づいた街の竜人たちがこちらを見て驚いている
それもそのはずで見た目が人族と獣人なのだから街の者からすれば、珍しく場合によっては敵襲だと思ってしまうだろう
「エメレッタちょっとまってね」と話すラクシスは驚く竜人の元へ歩み何やら聞き覚えのない言葉を語り掛けているようだ
その様子を見ることでしかできないエメレッタはしばらく待つことに
ラクシスは最初こそ警戒されていたが、だんだんと竜人たちが慌てた様子でラクシスに頭を深々と下げている
こうなってはエメレッタが状況を理解できることはない
「エメレッタお待たせ!」
竜人の元から戻ってきたラクシスは何もなかったかのようにしているが、後ろにチラッと見えた竜人族の方々は慌てて誰かを呼んでいるようでエメレッタとしてはそちらの方が気になってしまう
「あっ、え?はい、おまたせされました?」
困惑するエメレッタ
「ちょっと話したら案内してくれるって言ってたから待っていてね」と微笑むラクシス
そういうラクシスの言葉を信用するしかないエメレッタは渋々待つこととなる
現実逃避として街の雰囲気を楽しみながら少し待つと甲冑を着た衛兵のような竜人が2人現れラクシスに声を掛ける
「オマタ、シマシタ・・・コトバ・・・ツ、ジマスカ?」
恐る恐るラクシスに話しかける衛兵に「うん、大丈夫ありがとう」とお礼をいうラクシス
「え?こっちの言葉を話している?」
厳つく怖い印象しかなかった衛兵はニカッとエメレッタに笑いかける
それを見たエメレッタは聞き慣れた言葉と紳士的な態度に思わず、警戒を解き戸惑いながらも笑顔になる
「ヨカタ、シタノコトバ、ムズカシ」
「うん、大丈夫。こっちがエメレッタで私がさっき伝えた通りだよ。気軽に案内してね」
「あっどうも、よろしくお願いします。」
会釈をするエメレッタに竜人は右手を自身の頭に置いて満面の笑顔で答える
「コチラッコッソ」
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