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出生の土地

砂漠

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エメレッタにラクシスはどうやって村へ来たのかを説明し、今は2人で1頭のホーススケルトンに乗馬してゆっくりと目的地へ向かっている

そしてエメレッタにとって初めてみる村以外の世界は新鮮で美しく思えた

色鮮やかな森を抜けた先は岩肌が見える山だったり、痩せ細った木々など、目に映るもの全てが感動させ次第に表情は柔らかく微笑んで・・・

ホーススケルトンに揺られ風に包まれラクシス後ろにギュッと掴まってどこまでもどこまでもゆったりと進んでいく

エメレッタが育った村を出て東へ進んだラクシスたちは徐々に日の照りが強くなるのを感じていく

「ふぅ少し熱くなってきましたね。」

額に付いた汗を手で拭うエメレッタ

「そう?ごめんね。私は常に快適なんだ」

「え?」と驚く

「精霊の恩恵なのかな?ずっとそうなんだ」

「そ、そうですか・・・」

「あっでもだんだん近づいてきたからかもしれないね?あっほら、砂漠地帯特有の生き物がいる」

ラクシスは指を差した先にはゴツゴツとした分厚い皮膚をサイのような小さい生き物がのしのしと道を横断している

「え?わっ!?ほ、本当ですね?あれは・・・なんでしょ?」

驚くエレメッタは尋ねる

「あーあれはサイマジロっていうらしいんだ。」

「えぇーそうなんですね!サイマジロ・・・大人しそうですね。」

目を輝かせ感動するエメレッタ

「そだね。何もしなければ、そのまま横断していくと思うよ」と言い放ちホーススケルトンを止め横切るのを待つラクシス

ブルルッと鼻を鳴らしそのまま歩んで行くサイマジロ

「ありがとうって言ったんですかね?」

賛同を求めるエメレッタ

「ふふふ、そうかもしれないね。」

・・・横断していくサイマジロを見送ったあと2人は再びホーススケルトンをパカラッとしばらく走ると、見慣れない風船状の形にトゲトゲとした針を全体に覆せた緑の物だったり、横に何層も削られた岩が目立つようになった

地面も乾いた砂が多くなり、吹く風には細かな粒子の砂が混ざり始め、本格的な砂漠地帯が近づいてきたという証拠だろう

現に村に居た時より外観温度は上昇していて獣人の血を引くエメレッタにとっては辛くなってきたところだろう

「ハァハァ・・・熱いですね。」

袖で何度も汗を拭うエメレッタ

その様子に見かねてラクシスは懐から青く美しい半透明な石を取り出し渡した

エメレッタは受け取り「これは・・・?」と疑問を持つ

「私が作った水の精霊の涙だよ」

ラクシスの返答は予想外の物で確かに触った手は冷たく全身に爽やかな冷気を感じる

「ごめんね。渡すの忘れてて・・・」

「あっいえ、こんな素敵な物を渡してくれるだけでもありがたいです。」

ギュッと大事に握るエメレッタは感謝をする

「そうか。ならよかった。」

「あっでもラクシス様は・・・」

「ん?あー大丈夫。それエメレッタの為に作っただけだから。それにほらさっきも言ったけど、加護があるからね」

あーなるほどと納得した表情をしつつも少しズルいなと感じるエメレッタだった

その他にもラクシスは新しいお揃いのフードをくれたりしてとても優しい方だと実感する

体感的に涼しくなって快適になり始めた頃、ラクシスがエメレッタに声を掛ける

この子ホーススケルトンは一度戻そう」

エメレッタは言われるままホーススケルトンから降りラクシスの後ろに寄り添う形で歩んで行く

ラクシスは指を鳴らしホーススケルトンを戻してから砂漠の入り口にある小さな建物へと2人は向かう

近づくと西部劇に出てきそうな木造建築で入り口にはウエスタンドアが使用されていて2人は建物へ入る

ギィ・・・カランカランッ

「っらしゃい!」

2人は声を掛けた店主の居る奥のカウンターテーブルへと向かう

「お客さん観光かい?最近ここいらでオアシスが見つかってから多くなってね」

カウンターへ座ると店主は聞きもしない情報をペラペラと饒舌じょうぜつに話す

とりあえず、頷くラクシス

「あーやっぱり観光かい?でもなぁー今は辞めといた方がいいよ?なんでもせっかく見つけた新しいオアシスに変なのが出たってんだ!で、だ!どうやらそいつが邪魔をして通れないってんだ!」

ほぉ・・・と聞き入るエメレッタ

「そのおかげで俺のラクダウマ業もお手上げだってんだ!」

「ラクダウマってなんですか?」

「おっお嬢ちゃん!いい反応するねー!ラクダウマってのはな!ここいら砂漠地帯の移動に適した人懐っこい動物なんだよ!」

眼を見開き食い入るエメレッタ

「へぇー」

エメレッタの反応が嬉しくなりさらに饒舌となる店主

「さらにただ人懐っこいだけじゃねぇ!なんとそいつは背中にでっかいコブを2つ持っててな?変わった顔してんだよ!」

「そうなんですか!?乗ってみたいですね!」

「おっ?興味ある?いいねぇ~!実は俺の店はバー兼ラクダウマの貸出し所なんだよ!ガハハハッ」

いい客を見つけた!という表情をして豪快に笑う店主

そもそもラクシスはそのつもりで立ち寄ったので予定通りでもある

「あっじゃ・・・」

チラッとラクシスを見て承諾を得たので「1頭、お願いします!」と店主に話す

「まいど!じゃどいつにする?」

店主に言われたエメレッタは数頭いるラクダウマの中から自分と相性の良い子を選ぶ

ブルルン

「おっどうやらそいつがお嬢ちゃんを気に入ったみたいだな!仲良くしてやんな!」

エメレッタを気に入ったのか少し息を荒くし顔を近づけるラクダウマ

両手で顔を優しくつかんで「よろしくお願いします。ラクダウマさん」と向き合うエメレッタ

「まいど!ありがとうな!兄ちゃん!あとこいつはおまけだ!こんな状況でもレンタルしてくれて助かったぜ!」

店主はレンタル料を支払ったラクシスにおまけと言って黄色く濁ったフルーティな匂いをかもし出す
飲み物を渡した

「こちらこそ。ありがとう」

ラクシスは現地の雰囲気を大事にしてホーススケルトンではなくラクダウマを借りて砂漠のオアシスへと向かった


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感想 3

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