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フリード帝国
魔導石
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この世界は女神様の愛から精霊が生まれ、そこに集った妖精によって魔導が生まれ、その副産物として魔法ができ長い月日の中で生物が生まれたとされている・・・
この世界の創造文献に記されている誰もが知る逸話
この世に生を授かった時点で生き物は魔導の種を宿し、精霊の力により扱うことができるという
数十年前、フリード帝国はそれに疑問を抱き研究する
生物が死する時、魔導はどこへ行くのか?それを何か別の物へ留めておくことはできないか?
幸いなことにフリード帝国には当時戦時中もあってか、奴隷たちが溢れかえっていた
人族と違い一度の出産で複数生まれるので、数に困らないと判断した帝国の研究者たち・・・
来る日も来る日も研究に没頭し続けたある日の夜明け、奇しくもある天才研究者が成功を納める
死す時あふれ出た魔導を石へと御すことができ、その石には特別な何か力が生まれるという
その名を魔導石と呼び亡きドルチェゲイスが使用したあの石も部下を依り代とすることで身代わりを作ることが出来た
時には人の理を離脱させることも可能な人には手に余る品物・・・
ーーーーー
「皇帝様・・・」ヒソヒソヒソ・・・
人の側近が皇帝に何か耳打ちをする
「うむ・・・そうか。予定通りか・・・」
頬杖と付いて言葉に耳を傾けるこの男は白髪頭にオールバックをした青い眼をしており、豪華で色鮮やかな服をした上からでも鍛え抜かれた筋肉は武人だと一目で分かる
「ふぅ・・・終戦締結から早くも8年、これも偏にあれがあったおかげだろうな・・・」
皇帝ひとり天井に目を向け呟く
ギィ・・・ガコンッ
謁見の間と扉が重く開く
「ん?今は来客の予定は無かったはずだが・・・」
「突然の来訪、失礼致します!」
清楚で品のある装飾を付けた身につけた白い手袋を装着した貴族が謁見する
「む・・・また貴様か・・・確か、アイザックの末子だったかね・・・?」
皇帝の前で跪き首を垂れる
「ハッ!さようでございます。アイザックの末子、ハルクイム=アイザックです。」
眉間に皺をよせ不機嫌そうにする
「ふぅ・・・で、今回の予定なき来訪は何をしに?」
「ハッ!前回に同様あのような・・・研究は辞めていただく・・「たわけっ!貴様!大貴族の末子、家督も継げぬくせにぬけぬけと!」
アイザックに被せ怒鳴る側近に左手を上げ宥める皇帝
スゥッ
「まぁ、良い最後まで聞こうではないか」
「ハッありがとうございます。」
「続けたまえ」
側近が促しアイザックは顔上げ続ける
「新しき何かを得るにはそれなりの犠牲が発生するのは頷けます。しかし、奴隷は道具ではなく、我々人族に寄り添う形で使用人同等の存在であるべきです。彼ら獣人族・亜人族は他者に献身する事が誇りであり、犠牲になることが誇りではないのです!」
皇帝は黙って聞き入る
「新しい力を得るための犠牲は奴隷ではない何かにすべきだと思います!そして、生命をリスクにすることでしか得られぬ力は我らのフリード帝国に相応しくないと感じます!」
「・・・なるほど。一理あるかもしれぬな!」
「皇帝様!?」
左手を上げ静止させる
「余もお主の熱意に感銘受けた、何度も何度も世の下へ謁見ご苦労・・・」
ハッ「有り難きお言葉!嬉しく思います。」
アイザックは嬉しさを噛み締め緩む口元をグッと押し殺す
「余も依然から改善の余地があるかもしれぬ・・・と思うておった。故に即刻、世の部下に勅命し実行させようではないか」
「ま、誠でございますか?ありがたき幸せ!では、失礼いたします」
首を垂れその場を去るアイザック
ギィッガタン
・・・
「・・・して皇帝様、研究を辞めさせるので?」
側近の言葉を聞き入れ口元を緩め口にする
「フフフッ・・・そう捉えたか?余はなんと応えた?」
側近はふと思い出しあっという表情をする
「そうだ、改善の余地があるかもしれぬ・・・と言っただけでアイザックが勝手に勘違いしたにすぎぬ」
「しかし・・・勅命し実行させると・・・」
「フッお主もまだ若いな・・・誰も研究を辞めるとは言うとらん。余は別に何も実行させるとも言うとらんのだよ。」
皇帝はさらに低く小さな声で囁く
「例え・・・さらに研究を強化させても構わんのだよ?今後、あぁいう輩が沸いて出て来ないとは限らないからのぉ・・・」
側近は皇帝の言葉を聞きニヤつく
「まったく困ったものですね・・・」
「あぁちっぽけな正義感で余の帝国が危険に晒されても困るからのぉ」
皇帝は徐に近くに置いてあったグラスを手にし葡萄酒を注ぐよう従者に目で合図する
トクトクトクッ
ゴクゴクッ
「全く先代か知らぬが過去に帝国の発展に貢献した大貴族にも手が焼いてしまうのぉ」
グラスを傾け燭台の火を映し一人呟く皇帝
「巷で小耳に挟んだ程度の話だが、どうやら亜人族が最近、奇声を発しながら奇怪な行動を取り分不相応に人族へ危害を加えているとか・・・まるで失敗作が暴走したかのようだな・・・気を付けないといけないな」
奥に居た従者にニヤリとする皇帝
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幸いなことにフリード帝国には当時戦時中もあってか、奴隷たちが溢れかえっていた
人族と違い一度の出産で複数生まれるので、数に困らないと判断した帝国の研究者たち・・・
来る日も来る日も研究に没頭し続けたある日の夜明け、奇しくもある天才研究者が成功を納める
死す時あふれ出た魔導を石へと御すことができ、その石には特別な何か力が生まれるという
その名を魔導石と呼び亡きドルチェゲイスが使用したあの石も部下を依り代とすることで身代わりを作ることが出来た
時には人の理を離脱させることも可能な人には手に余る品物・・・
ーーーーー
「皇帝様・・・」ヒソヒソヒソ・・・
人の側近が皇帝に何か耳打ちをする
「うむ・・・そうか。予定通りか・・・」
頬杖と付いて言葉に耳を傾けるこの男は白髪頭にオールバックをした青い眼をしており、豪華で色鮮やかな服をした上からでも鍛え抜かれた筋肉は武人だと一目で分かる
「ふぅ・・・終戦締結から早くも8年、これも偏にあれがあったおかげだろうな・・・」
皇帝ひとり天井に目を向け呟く
ギィ・・・ガコンッ
謁見の間と扉が重く開く
「ん?今は来客の予定は無かったはずだが・・・」
「突然の来訪、失礼致します!」
清楚で品のある装飾を付けた身につけた白い手袋を装着した貴族が謁見する
「む・・・また貴様か・・・確か、アイザックの末子だったかね・・・?」
皇帝の前で跪き首を垂れる
「ハッ!さようでございます。アイザックの末子、ハルクイム=アイザックです。」
眉間に皺をよせ不機嫌そうにする
「ふぅ・・・で、今回の予定なき来訪は何をしに?」
「ハッ!前回に同様あのような・・・研究は辞めていただく・・「たわけっ!貴様!大貴族の末子、家督も継げぬくせにぬけぬけと!」
アイザックに被せ怒鳴る側近に左手を上げ宥める皇帝
スゥッ
「まぁ、良い最後まで聞こうではないか」
「ハッありがとうございます。」
「続けたまえ」
側近が促しアイザックは顔上げ続ける
「新しき何かを得るにはそれなりの犠牲が発生するのは頷けます。しかし、奴隷は道具ではなく、我々人族に寄り添う形で使用人同等の存在であるべきです。彼ら獣人族・亜人族は他者に献身する事が誇りであり、犠牲になることが誇りではないのです!」
皇帝は黙って聞き入る
「新しい力を得るための犠牲は奴隷ではない何かにすべきだと思います!そして、生命をリスクにすることでしか得られぬ力は我らのフリード帝国に相応しくないと感じます!」
「・・・なるほど。一理あるかもしれぬな!」
「皇帝様!?」
左手を上げ静止させる
「余もお主の熱意に感銘受けた、何度も何度も世の下へ謁見ご苦労・・・」
ハッ「有り難きお言葉!嬉しく思います。」
アイザックは嬉しさを噛み締め緩む口元をグッと押し殺す
「余も依然から改善の余地があるかもしれぬ・・・と思うておった。故に即刻、世の部下に勅命し実行させようではないか」
「ま、誠でございますか?ありがたき幸せ!では、失礼いたします」
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・・・
「・・・して皇帝様、研究を辞めさせるので?」
側近の言葉を聞き入れ口元を緩め口にする
「フフフッ・・・そう捉えたか?余はなんと応えた?」
側近はふと思い出しあっという表情をする
「そうだ、改善の余地があるかもしれぬ・・・と言っただけでアイザックが勝手に勘違いしたにすぎぬ」
「しかし・・・勅命し実行させると・・・」
「フッお主もまだ若いな・・・誰も研究を辞めるとは言うとらん。余は別に何も実行させるとも言うとらんのだよ。」
皇帝はさらに低く小さな声で囁く
「例え・・・さらに研究を強化させても構わんのだよ?今後、あぁいう輩が沸いて出て来ないとは限らないからのぉ・・・」
側近は皇帝の言葉を聞きニヤつく
「まったく困ったものですね・・・」
「あぁちっぽけな正義感で余の帝国が危険に晒されても困るからのぉ」
皇帝は徐に近くに置いてあったグラスを手にし葡萄酒を注ぐよう従者に目で合図する
トクトクトクッ
ゴクゴクッ
「全く先代か知らぬが過去に帝国の発展に貢献した大貴族にも手が焼いてしまうのぉ」
グラスを傾け燭台の火を映し一人呟く皇帝
「巷で小耳に挟んだ程度の話だが、どうやら亜人族が最近、奇声を発しながら奇怪な行動を取り分不相応に人族へ危害を加えているとか・・・まるで失敗作が暴走したかのようだな・・・気を付けないといけないな」
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